Interview

稽古場から猪野広樹・鍵本輝・早乙女友貴・小野健斗が語り尽くす。舞台『義風堂々!!』の魅力。「友情や感謝に対する気持ちを感じてほしい」

稽古場から猪野広樹・鍵本輝・早乙女友貴・小野健斗が語り尽くす。舞台『義風堂々!!』の魅力。「友情や感謝に対する気持ちを感じてほしい」

舞台『義風堂々!!』が、11月17日から東京・AiiA 2.5 Theater Tokyo(大阪公演は12月9・10日に大阪メルパルクホール)にて上演される。
原作は、『北斗の拳』『花の慶次』など大ヒット漫画の原作者・原哲夫による『義風堂々!!』。彼が『花の慶次』で描き切れていなかったと語る、前田慶次の莫逆の友・直江兼続との“義”を描く物語である。
直江兼続役は「舞台『刀剣乱舞』義伝 暁の独眼竜」に出演していた猪野広樹、前田慶次役は3人組ダンスボーカルユニット・Leadの鍵本輝。上杉家の腹心、中西次郎坊に殺陣の天才・早乙女友貴。徳川家に仕える忍びの下坂左玄役に『Fate/Grand Order THE STAGE -神聖円卓領域 キャメロット』『煉獄に笑う』に出演した実力派の小野健斗など、豪華俳優陣が揃う。作・演出は「仮面ライダー」シリーズの脚本で知られるきだつよしが手がける。
そんな原哲夫の熱き息吹を受けた作品がどう舞台化されるのか、どのように男の“義”を表現するのか、稽古場にて、猪野広樹、鍵本輝、早乙女友貴、小野健斗にじっくりと話を聞いた。

取材・文・撮影 / 竹下力

前田慶次はどうやっても嫌いになれないタイプ。直江兼続は傾奇者より傾くタイプ

本番まで約10日間を切りました。ここまでの稽古の手応えをお聞かせください。

猪野広樹

猪野広樹 僕の殺陣がまだ落ち着いていないので、自分のことで精一杯の部分があります。ただ、みんなが作ってくださったカンパニーのいい雰囲気があるので、あとは僕をどのようにみんなに自然に溶け込ませていくのかが課題です。

鍵本輝 僕も課題がありますが、稽古はすごく楽しいですね。自分が出ていない場所で、みんなのお芝居を観るのが大好きです。先輩も、重たい芝居をすれば、ライトな芝居もするから勉強になりますよ。

鍵本輝

早乙女友貴 殺陣やお芝居、詰まってないところをどんどん詰めていって、テンポよくやっていけばもっとよくなると思います。

小野健斗 作・演出のきだつよしさんの現場では、若いときから、いろんなことを学びました。久々にきださんとご一緒する機会に恵まれて、きださんが今の若い子たちに話している姿を見て、同じことを言われたよなと感慨深いです。

みなさんもうすでに義風堂々の世界を生きているわけですね。それぞれの役の印象を教えてください。

猪野 僕が演じる直江兼続は、前田慶次と比べて、一見おしとやかで、落ち着いていますが、傾奇者のさらに上をいく傾奇者です。兼続のそんなところに面白さを感じました。ひたすら真っ直ぐ生きて嘘をつかない。ネチネチしていない。はさみみたいに切るところは切るという感じで突き進んでいる。

鍵本 天下無双の傾奇者で、身なりも派手で、京都の遊郭で呑んだくれて、派手に過ごしている戦国武将というイメージがありますが、一本筋が通って、ちゃらちゃら生きているわけではない。何よりも直江兼続が大好きで、自分以上に傾奇者であるところに惚れたり、ちょっとした繊細な部分もあって頭が切れる。どうやっても嫌いになれないタイプです。

早乙女 中西次郎坊は上杉家に対してとても愛情を胸に秘めた熱い魂を持っていますが、それを絶対表に出さずに常に冷静に動き回っている。ただ、ところところで熱い感情のほとばしりを見せていきます。

早乙女友貴

小野 下坂左玄は説明台詞が多く、戦国時代の使い慣れていない、聞き慣れていない言葉が多く出てくるので、どうやってお客様に上手に伝わるのかを考えています。原作はもっともっと年齢が上の設定ですが、無理に上の年齢っぽくしなくてもいいのでは、ときださんとお話ししました。全体的に、熱いシーンが多いので、落ち着いた方向で行こうかな、なんて考えています。

原作にはヒールがいない

役作りはどのようにされていますか。

猪野 駅から稽古場までは、だいたい役に入り込んで歩いています。舞台の世界が僕の世界に憑依するような感覚。葉っぱを見ながらどう傾こうと考えたり、台詞をブツブツ言いながら歩いたり、『一夢庵風流記』を読んで一人で泣いていました。

鍵本 前田慶次の主役の漫画『花の慶次』、そして『義風堂々!!』もあるので、自分で考える部分がとても少ないと思っていたんです。ただ、きださんと話していくうちに、原作とは違う前田慶次を鍵本くんから出して欲しいと言われて、僕が描く前田慶次を演じようと思っています。

早乙女 事前にあまり詰め込まないで、稽古で思いついたことをやっていこうと思っていますね。基本的に静かなテンションでやっているので、本番中にどこでふざけられるのかを探しています。

小野健斗

小野 原作の左玄よりもまだ多少若いので(笑)、舞台だけの左玄というオリジナリティのあるポジションを考えないといけないですね。

原作を拝見すると“義”と“傾く”ことがテーマになっているような作品ですね。

猪野 原作を読ませていただいたときに、ヒールがいないんです。いたとしても全員自分の“義”で生きている。ここまで清々しい作品はないと思います。原哲夫先生に騙されたことがあって、強そうな敵が出てきたと思って次のページをめくると、“ふぎゃぱ”と死んでいく。この“騙された感”を舞台で出していきたいですね。

鍵本 戦国時代の時代劇は堅苦しくて、男臭くて、泥臭い印象がありました。『義風堂々!!』は、それを感じさせない美しさが描かれています。作画もそうですし、個々それぞれの生き様も綺麗に描かれていますね。

早乙女 そう。美しいの一言ですよね。舞台も華やかさとダイナミックさがあるので、老若男女問わず観やすい作品だと思います。

小野 そんな華やかでダイナミックな世界で、下坂左玄として生きられるのは幸せです! そして、前田慶次と直江兼続、中西次郎坊も役者から見ても魅力的ですよね。いつかやってみたいな(笑)。

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