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『真・女神転生 DSJ』悪魔たちとのディープでストレンジな旅

『真・女神転生 DSJ』悪魔たちとのディープでストレンジな旅

増えすぎた人類によって地球の環境が大きく悪化してしまった21世紀初頭、南極に突如発生した、あらゆる物を崩壊させながら飲み込む亜空間“シュバルツバース”。シュバルツバース調査隊の一員として、悪魔や天使という異形の存在たちに翻弄されながらも、人類滅亡のシナリオを回避するための奇妙な旅へと乗り出すRPG、『真・女神転生 DEEP STRANGE JOURNEY』(以下、『メガテンDSJ』)。本作は、2009年に発売された『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』にシナリオ、システムでさまざまな要素を追加し、よりディープな悪魔体験が可能になった作品だ。

本稿では、『メガテンDSJ』になってより洗練され、より深みを得た本作の魅力を2回に渡って追及していく。第1回では、『真・女神転生』(以下、『メガテン』)シリーズではおなじみの“悪魔会話”や“悪魔合体”といったシステム、ハードな難度設定でありながらユーザーの選択によって遊びやすく調整することもできるバランスの妙などに焦点を当てていく。シビアとユーザーフレンドリーとが絶妙に混ざり合った本作は、コアゲーマーはもちろんのことカジュアルユーザーにも注目してほしい作品だ。

文 / 村田征二朗(SPB15)


南極の異界で悪魔や天使と異文化コミュニケーション 

繁栄を極め、果てなく増え続ける人類に代償を払わせるかのように出現した亜空間・シュバルツバース。すべてを飲み込みながらも広がり続けるという脅威の空間に対し、全世界から選りすぐりの兵士や科学者を集めて結成されたシュバルツバース調査隊は人類の未来を背負い、謎を究明する旅に出る。これが『メガテンDSJ』の大まかなあらすじであり、主人公=プレイヤーは調査隊の一員として悪魔や天使、妖精といった人外の知的生命体が跋扈する異界の地を探求していくこととなります。

▲3Dグラフィックで形成されたダンジョンを探索しながら敵と戦っていく、いわゆる3DダンジョンタイプのRPGです

▲『メガテンDSJ』では謎の少女“アレックス”も追加され、システム面はもちろんシナリオ面にも大きな追加が行われています

本作、そして『真・女神転生』シリーズ最大の特徴は、おなじみの“悪魔会話”です。冒険の舞台となるシュバルツバースには悪魔、天使、妖精、魔王などの神話や伝説上の存在が多数存在しており、それらの多くが敵として主人公の前に立ちはだかります。普通なら敵は倒すか、こちらが逃げるかしかありませんが、悪魔会話はその名の通り敵である悪魔と会話ができるシステムなのです。なお、『真・女神転生』シリーズでは天使や妖精なども含めて“悪魔”と総称しており、会話の相手が大天使であろうと天女であろうと悪魔と呼ぶことになります。

▲うまく会話を進めれば悪魔を仲間ならぬ“仲魔”にすることができます

プレイヤーは悪魔会話を行って仲魔を増やし、パーティを増強していくことでダンジョンにはびこる悪魔たちと渡り合えるようになります。しかし、相手が悪魔だというだけあって会話はそう簡単に進みません。

悪魔が投げかける質問や言葉に対して相手が気に入る答えを返せば仲魔にしたりアイテムをもらったりといった交渉ができるのですが、逆にこちらの返答が気に食わなければ一方的に攻撃してくることもあるのです。

▲後述する主人公と悪魔の“スタンス”という要素も悪魔会話に影響し、ストーリー上の選択によって会話を進めやすい悪魔も変わってきます

子供っぽい口調だったりお姉さん口調だったり、はたまた日本語としてギリギリ意味が理解できる程度におかしな口調だったりと、悪魔ごとに話しかたも違えば、こちらの言葉に対する反応も変わってきます。名前を聞いたことのある神話や伝説上の存在、あるいは本作で初めて知る妖精などと言葉を交わして、さまざまなリアクションを見るだけでもかなり楽しめてしまいます。

あっさり仲魔になってくれることもあれば、アイテムやお金などをさんざん要求した挙句に「やっぱり仲魔になるのは嫌だ」と言って去ってしまうなど、悪魔との交渉は一筋縄ではいきません。その気まぐれなところが悪魔たちと人間との価値観や考えかたの違いを感じさせてくれ、仲魔にできたときの喜びを大きくしてくれているのです。

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