Interview

瀬川あやか 遠距離恋愛をテーマに自らの経験も注ぎ込んだ新曲を発表。音源化にあたり新たにブラッシュアップしたポイントを訊く 

瀬川あやか 遠距離恋愛をテーマに自らの経験も注ぎ込んだ新曲を発表。音源化にあたり新たにブラッシュアップしたポイントを訊く 

瀬川あやかが遠距離恋愛をテーマとする新曲「カレイドスコープ」をリリースした。活動初期に生まれ、ライブの定番曲として人気を集めていた本作だが、今回の音源化にあたっては今の瀬川あやかとしての表現を追求するために大幅なブラッシュアップを試みたという。果たしてその仕上がりは、せつなさを感じさせつつも前を向いた気持ちが清々しい彼女ならではの名バラードとなっている。カップリングに収録される応援ソング「take a chance」の話題とともに、ニューシングルに込めた想いを本人に直撃した。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 荻原大志

今の自分として何か工夫をしたいなと思ったんです

ライブではずっと披露されてきた「カレイドスコープ」が、満を持してシングルとしてリリースされることになりました。

はい。「あの曲はいつ出すの?」ってずっと言われてきていたので、リリースが決まったときには「待ってました!」って喜んでくださるファンの方が多かったですね。ただ、今回あらためてリリースするにあたっては、今まで歌ってきたものをそのまま出すのではなく、今の自分として何か工夫をしたいなと思ったんです。なので歌詞や構成をけっこうガラリと変えさせていただいて。

じゃ、これまでの「カレイドスコープ」を知っている人も新鮮な気持ちで聴くことができるわけですね。

そうだといいなと思ってます。この曲をずっと愛してきてくれた人がどう思うかなって部分では不安もあったんですけど、心を込めてブラッシュアップさせてもらったのでそれがいい形で伝わったらいいなって。ライブでも今後は新しいバージョンで演っていくので、それが浸透していけばいいですね。

この曲が生まれたのはいつ頃なんですか?

曲を作るようになってほんとにすぐ、かなり初期の頃です。アルバム(「SegaWanderful」)のリードトラックだった「妄想スニーカー」が最初にでき、その後に第2群として「ベストフレンド」やこの曲ができた感じで。もう4年くらい前になるのかな。

テーマとして幅広い人に共感してもらいやすいと思ったところもありました

遠距離恋愛をテーマにしたのはどうしてだったんでしょう?

漠然と恋愛の曲にしたいなと思う中で、具体的なテーマを決めたほうが書きやすかったからっていうのが理由ですかね。自分にも遠距離恋愛の経験があったし、たとえ距離が離れていなかったとしても部活や仕事などでなかなか会う時間が作れない人もいるので、テーマとして幅広い人に共感してもらいやすいと思ったところもありました。

当時の自分が書いた歌詞を見てあらためて感じることってありますか?

今と比べて音楽的な知識や言葉のレパートリーも少なかったから、良くも悪くも素直に、純粋に書いていますよね。余計なことは一切考えず、すごく自由。そういう部分に対しては単純に羨ましく感じたりもするし、同時に「負けないぞ!」って気持ちになるところもあって。だからこそ今回は昔の自分のいいところを生かしつつ、今の自分として変化させたところもあったんですよね。

昔の自分が書いた歌詞を削ることに対して「もったいないな」って思う部分もありましたから

具体的にはどのあたりに手を加えたんですか?

サビの歌詞を減らして、尺自体も短くしました。でも削るだけのブラッシュアップはちょっとイヤだったので、大サビの歌詞を増やしてみたんです。構成としては大サビがより目立つ流れにはなったと思いますね。けっこう大手術でした(笑)。

ライブでずっと歌ってきた楽曲だけに、そのブラッシュアップは簡単なものではなさそうですよね。

そうですね。昔の自分が書いた歌詞を削ることに対して「もったいないな」って思う部分もありましたから。でも結果的には今まで以上に聴きやすい流れになったんじゃないかなとは思います。ライブで歌うときに昔の歌詞がふわっと出てこないかが少し心配ではあるんですけど(笑)。

バラードではあるけど悲しいだけの雰囲気にはしないようにこだわりました

遠距離恋愛の寂しさやせつなさを感じさせつつも、全体として悲しい曲になっていないところが瀬川さんらしいなと思いました。

基本的に前向きな曲を書きたい気持ちがベースにありますからね。人って会えない時間にこそ思いが強くなるものだと思うんですよ。だからこそ離れている時間もすごく大切だし、そこでの感情を味方にできちゃえばほんとに無敵になれるんじゃないかなと私は思うんです。なので、この曲と同じ状況にいる人を励ませるようなメッセージを込めて書いていきましたね。今回はアレンジに関しても、バラードではあるけど悲しいだけの雰囲気にはしないようにこだわりました。

ストリングとピアノが印象的で、すごくドラマチックなアレンジだと思います。

タイトルが「カレイドスコープ」だし、曲の中で“星空”って言葉も使っているからスケールの大きいサウンドにしたかったんですよ。細かい部分のニュアンスまで、アレンジャーさんとは何度もやり取りをさせていただきました。すごく新鮮なハモをつけていただけたのも嬉しかったですね。

これまでにはなかった雰囲気のハーモニーになっていますよね。

そうなんですよ。今までは主メロに対して上か下にハモをつけることが多かったんですけど、今回は中音域のハモも入っていて。単純に歌っていてすごく気持ちがいいし、それによって曲としての広がりも出ていると思うんですよね。バラードってともするとのっぺりした聴き心地になっちゃうこともあるんだけど、今回はすごくダイナミックな仕上がりになってると思います。

表情から気持ちを作ってレコーディングしているんです

フレーズごとに主人公の心情を繊細に表現していく瀬川さんの歌声もすごく素敵でした。「ここは笑顔で歌っているな」とか「ここは悲しそうな顔だな」とか、歌っているときの表情が浮かんでくるんですよね。

あー良かったです! この曲に限らずですけど、私は表情から気持ちを作ってレコーディングしているんですよ。明るい曲だったら表情はもちろん、飛び跳ねたりしながら歌うこともありますし(笑)。だからそこが伝わっているのはすごく嬉しいです。今回のレコーディングではブースの照明を落としてもらって、ちょっと暗い中で歌うことで雰囲気を作ったりもしましたね。

ライブで歌い継いできた曲だけに、レコーディングはスムーズに進みましたか?

歌い慣れているという意味でのやりやすさはありましたね。ただ、今回はキーを上げてレコーディングしたので、ノドの使い方であったり、「どこをファルセットにしようかな?」みたいな部分で研究しながらのレコーディングでもあったんですよ。

ライブで何度も歌っていくうちに苦しくなく声が出せるようになっていって

どうしてキーを変えたんですか?

この曲を作っていた時期と比べると、自分の声が変わってきてるんです。だから元のキーで一度歌った後に、試しにキーを上げて歌ってみたら満場一致でこっちのほうがいいってことになって。これまでの活動の中でレンジが広がってきているのかもしれないですね。例えば「サンサーラ」(16年10月リリース「恋の知らせ」のカップリング曲)なんかはかなりキーが高いから最初は「歌えないー!」って思ってたんですよ(笑)。でもライブで何度も歌っていくうちに苦しくなく声が出せるようになっていって。

そういったシンガーとしての成長が本作にもしっかり注ぎ込めたわけですね。

そうですね。ちなみに今回のカップリングの「take a chance」なんかはキーを+3してますからね(笑)。ほんとに声が変わったんだなってあらためて実感しました。

あとこの曲のポイントは途中に出てくる“ため息”かなと。

そうです! 絶対そこは削りたくなかったので、今回も残しました。歌の流れの中でツルっと「はぁ」って入れようかなとも思ったんですけど、あえて別録りにさせてもらって(笑)。ちょっと長めのものとか吐息多めのやつとか自分なりにいろいろやってみたところ、めっちゃ褒められました。「ナイスため息!」って。あははは。

2倍速でリップシンクするのはすごく難しくって

ミュージックビデオも素敵な仕上がりです。撮影はいかがでした?

私が座って歌っているシーンは、現場では2倍速で撮ってるんですよ。それをインテンポに戻すといい感じになるっていう。

いい感じに(笑)。ゆったりとした映像になっていますよね。

そうそう。すごくいい雰囲気ですよね。ただ、2倍速でリップシンクするのはすごく難しくって。めっちゃ早口になるし、テンポが上がってるから思わずカラダがノッてきちゃうっていう(笑)。あと、まばたきも短く速くしなきゃいけないんですよ。ゆっくりまばたきをしようものなら、インテンポに戻したときに何秒も目をつむっている状態になっちゃうから。そこはなかなか大変でした。

街中を歩くシーンもありますね。

あそこは真冬という設定で撮ったんですけど、撮影日が意外と暑かったんですよ。だからTシャツ姿で街を歩いている方もいたし、タンクトップの外国人の方なんかもいて(笑)。

そういう方が映り込むと季節がわかんなくなっちゃいますね。「寒いの?暑いの?どっち?」みたいな(笑)。

そうそう(笑)。だから映り込まないように注意しつつの撮影でしたね。あと、手のひらを息であたためるシーンもあったんですけど、白い息はどうやっても出なくて。「すみません、息だけはムリです!」みたいなこともありました(笑)。映像的に今までになかった雰囲気のMVになったと思うので、そこからも新しい瀬川あやかを感じていただけたら嬉しいなって思いますね。

お兄ちゃんが大学を卒業してお仕事を始めるタイミングに作りました

カップリングには「札幌大学」TVCMソングとなっている「take a chance」も収録されています。この曲は元々、お兄さんに向けて作られたものだとか。

そうなんですよ。うちのお兄ちゃんが大学を卒業してお仕事を始めるタイミングに作りました。彼がいろいろ悩んでいたのを知っていたので、曲として応援できたらいいなと思って。当時、できた曲を渡したときは純粋に喜んでくれてましたね。

その曲がCMソングになり、さらに今回リリースされることになったわけで。

お兄ちゃんもビックリしてました。「マジで? 俺に感謝だな!」みたいな(笑)。

あははは。新たにレコーディングしてみていかがでした?

音源化にあたってあらためて見直してみると、この曲って譜割りがだいぶめちゃくちゃだったんですよ。特に2番のサビなんかはほんとにめちゃくちゃで(笑)。今までライブでやっていたときにも「なんか歌いにくい曲だなー」って感じてはいたんだけど、それが譜割りのせいだとは思ってなくって。なので今回、2番のサビは内容を変えないようにしつつ、歌詞の言葉を選び直したんですよね。

「カレイドスコープ」と同様に手直しをしたんですね。

はい。当時のままのいびつな感じを大切にしたい思いもあったんですけど、今回は曲としての伝わりやすさを重視しようと思って。結果的に、より覚えやすく、より一緒に歌ってもらえるような仕上がりになったとは思いますね。

ポップで楽しいサウンドが聴き手の気持ちを高めてくれますよね。

そうですね。アレンジに関しても、この曲ではほんとに遊んでいただきたいなと思っていたので、いろいろ細かくやり取りをさせていただいて。結果、想像以上に楽しいサウンドになったのがすごく嬉しかったです。自然とカラダが揺る曲になったなって。今回、初めてクラップを入れているんですけど、あれは現場で出たアイデアだったんですよ。スタジオにいるみんなと一緒にブースに入って録ったので、すごく楽しいレコーディングでしたね。

サウンド同様、瀬川さんの歌声も楽しそうですよね。ラストのフェイクもすごく気持ち良さそうで。

この曲はもう電気ピッカピカの状態で歌いましたから(笑)。フェイクに関しては、今回ほどゴリゴリなものを入れたのは初めてかもしれないですね。歌ってるとどんどんテンションが上がってくるので、それがあのフェイクに繋がっていった感じで。さっきも言った通り、キーを3つも上げたから難しさもあったんですけど、でもすっごく楽しく歌えました。この曲を聴いて、みなさんが「今日も頑張ろう!」って思ってくれたらいいなって思います。

季節にわけて、それにちなんだカバー曲なんかを織り交ぜながらこれまでの感謝の気持ちをみなさんにお伝えしていきたいなと思っています

12月には東京と北海道で「瀬川あやか アコースティックライブ 2017 東京・札幌~つないだ季節の隙間から~」が開催されます。今回のライブタイトルはダジャレじゃないんですね。

そうなんですよ! 今までずっとダジャレでやってきたのに、今回のタイトルを発表しても誰も大して反応してくれてないのが寂しいところなんですけど(笑)。まぁ今回はアコースティックライブだし、「カレイドスコープ」のようなバラードも増えてきたので、普通のタイトルにしようかなと。今後またバンドスタイルでの楽しいライブなんかをするときにはダジャレの復活もあり得るとは思うんですけど(笑)。

今回は四季をテーマにしたライブになるようですね。全4公演にはそれぞれ“春”“夏”“秋”“冬”という季節が掲げられています。

はい。私はこれまでの活動の中で、それぞれの季節の中でいろんな出会いをして、いろんな思いを紡いできたと思うんです。なので今回のライブでは季節にわけて、それにちなんだカバー曲なんかを織り交ぜながらこれまでの感謝の気持ちをみなさんにお伝えしていきたいなと思っています。ワンマンなのでMCに割ける時間もたっぷりあるので、密なコミュニケーションを取りながら素敵な時間を過ごしたいですね。

その他の瀬川あやかの作品はこちらへ

ライブ情報

瀬川あやかアコースティックライブ2017 東京・札幌~つないだ季節の隙間から~

■12月3日(日) 東京・青山RizM
東京・札幌~つないだ季節の隙間から・春~
OPEN/START:15:00/15:30

東京・札幌~つないだ季節の隙間から・夏~
OPEN/START:18:00/18:30

■12月25日(月) 札幌・ペニーレーン24 
東京・札幌~つないだ季節の隙間から・秋~
OPEN/START:13:45/14:15

東京・札幌~つないだ季節の隙間から・冬~
OPEN/START:16:30/17:00

*その他の情報はhttp://aya-web.com/liveinfo/

瀬川あやか

1992年4月27日生まれ、北海道富良野市出身。
午前中は都内の病院で看護師として勤務し、午後はアーティストとして活動をする異色の“二刀流” 女性シンガーソングライター。
大学時代にミスキャンパスコンテストで準グランプリを獲得したキュートなルックスと、女性から共感を呼ぶ歌詞と類稀なメロディセンス、そしてどんなことでもすぐにポジティブに変換させる天性の明るさと伸びやかな優しい歌声を兼ね備え、昨年6月にメジャーデビュー。
今までリリースしたシングル4枚、アルバム1枚の収録曲全曲にタイアップが決定し、多くのメディアで取り上げられている。

オフィシャルサイトhttp://aya-web.com