Interview

「浪漫活劇譚『艶漢』第二夜」で友情を交わす吉原詩郎役の櫻井圭登&山田光路郎役の末原拓馬「お芝居で人生を変えられると信じて」

「浪漫活劇譚『艶漢』第二夜」で友情を交わす吉原詩郎役の櫻井圭登&山田光路郎役の末原拓馬「お芝居で人生を変えられると信じて」

尚月地の大人気漫画『艶漢』。それを原作とした舞台、浪漫活劇譚『艶漢』が2016年に上演され、艶やかなキャラクター、美しい衣装などで大好評を博した。そして2017年12月、満を辞して浪漫活劇譚『艶漢』第二夜が上演される。 物語はノーフンがち(フンドシをはいていない)な柳腰の美少年で傘職人の吉原詩郎と、熱血正義感の巡査殿・山田光路郎、そして詩郎の兄貴分で無敵な色気を放つ吉原安里の物語を軸にした、エログロナンセンスの匂い漂うロマン譚。 脚本・演出には引き続き、ほさかよう(空想組曲)が手掛け、キャストは、前作からの吉原安里役の三上 俊、六口役の田上真里奈、橘伸三役の林野健志に加え、新たに佐倉春澄役に村田 恒、内海明人役に加藤良輔と実力派の俳優たちが揃う。今回は、前作から登場する詩郎役の櫻井圭登、光路郎役の末原拓馬にインタビュー。第二作にかける彼らの熱く美しい想いをここに届ける。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 岩田えり


前作での悔しさをバネにして

大ヒットした前作の公演、浪漫活劇譚『艶漢』に続き、今作でも、櫻井圭登さんは美少年の主人公・吉原詩郎を、末原拓馬さんは熱血巡査、山田光路郎を演じます。初演を経て心境は変わりましたか。

櫻井圭登 初演のときは稽古時間があまりなかったんです。演技を自分の中では詰められなくて、納得できなくて、悔しい思いをしました。第二弾は、稽古を一ヶ月と十分にいただき、しっかり準備をして、お客様に自分が納得いく吉原詩郎を観ていただきたくてワクワクしています。

末原拓馬 尚月地さんの原作がありますから、僕らが演じる前からこの世に存在している物語です。なので、初演は作られた乗り物に乗るような不安定な気持ちでした。そのため、お客様にとって、僕らはどういう演技をすればいいのか劇場に入るまでしっかりとつかめない部分もあった。ただ、山田光路郎の心のどの部分を現実の自分に融合させて、舞台でどのようにリアルな表現にするかフォーカスできたので、今回は助走がつけやすいです。

熱狂的なファンがいる『艶漢』には独特の世界観がありますね。改めて原作を読まれた感想を伺えればと思います。

櫻井 詩郎はどこか欠落した心を光路郎さんと出会って取り戻し始めました。最新刊では、涙を流してもいるので、詩郎はどんどん人間味を帯びていくのを感じましたね。

末原 『艶漢』は人間の汚らしい気持ちを描いて、ダークな感情に振り切っているからこそ、圭登が言ったような人間がピュアな感情を取り戻すストーリーがより美しく見えるんです。

そんな『艶漢』の美しさをどのように表現していこうと思いますか。

櫻井 体づくりは絶対ですね。より原作に近づくようにストイックに頑張っています。最近はダイエット・プロテインを飲んでいますよ。

末原 ラーメンの食べ歩きが趣味だからね。

櫻井 稽古中はラーメン食べないですよ(笑)。

左から櫻井圭登、末原拓馬

末原 確かにルックスを整える必要はありますが、舞台のスタートラインに立つためには、それに伴って精神も変わらないといけない。そうしないとチームワークが成り立たないんです。結果、似たような演技やモチベーションになってしまうので、僕は右に走っても、圭登は左に走っていく密な連携が必要になります。例えば、山田光路郎は、みんなが心に闇を抱えている中で、太陽みたいな立場にいる。ただ、南国の太陽ではなくて、寒い地域の太陽(笑)。太陽が照らしてカラッと温かくするのではなくて、世界は冷たいけど煌々と輝ける太陽のように演技をしたいですね。

舞台作りはスタッフとの二人三脚

ほさかようさんの演出を受けてみていかがですか。

櫻井 作品に愛を持っていらっしゃいますね。初演の時は、ほさかさんの考えていらっしゃることがわからなくて混乱した時期もありました。でも色々な作品で成長してきたから、今作ではほさかさんをどこまで理解できるのかチャレンジですね。

末原 恩師だったんだよね。

櫻井 はい。ほさかさんのワークショップに昔、参加していたんです。

ワークショップからやられているとほさかさんに対する思い入れが違いますね。ちなみに、ほさかさんから最初に習ったことはなんだったんでしょう。

末原 役者の生き方でしょ?

櫻井 それもありますね(笑)。ワークショップなので基本的な喜怒哀楽の感情表現ですね。お芝居の経験がない時は、例えば「怒り」という表現は、ただ叫ぶだけではなくて、どんな種類の怒り方があるのかを、ほさかさんから徹底的に習いました。

末原さんはほさかさんの演出をどのように感じられますか。

末原 舞台は演出家がこのチームはここに向かうよという声を役者が聞いて、二人三脚で作って行く作業でもあります。ほさかさんがやりたいと思っていることははっきりしていたので、僕たちの写し鏡として存在してくださった。そのおかげでスムーズに演出プランを理解できました。こだわり抜く性格の方なので、どこまで演じ切るのかを、ご自身で率先して示してくれたんです。

『艶漢』といえば華やかな衣装やメイク、舞台セットなども見所ですが、実際にそういったものに触れてみていかがですか。

末原 圭登は衣装だとほとんど服着てないね(笑)。ただ、稽古場では服着なよ!

櫻井 着てますよ! 本番はふんどしが多いですけど。ただ、『艶漢』の衣装やメイクは、原作と舞台の架け橋になって観てくださる人を圧倒しますね。

末原 役者にとって衣装やメイクは、どこかの部族が戦の前にするメイクの意味合いもある。「よしこの場所で演じるんだ」という気合いを入れてくれる。自分を信じることができる魔法をかけてくれる凄さがあります。

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