access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 5

Column

架け橋(CROSSBRIDGE)を渡った先にあった『Rippin' GHOST』。形を持たない大切なものを伝える5thアルバム

架け橋(CROSSBRIDGE)を渡った先にあった『Rippin' GHOST』。形を持たない大切なものを伝える5thアルバム

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っすぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

♯5 5thAlbum『Rippin’ GHOST』(2003年2月5日発売)

1992年11月25日、CDデビューを翌日に控えた浅倉大介と貴水博之は、原宿ルイードのステージに立った。それは希望と期待に包まれたaccessの1stライブ。しかし、終演後、紅潮した貴水が気にしていたのは……。「ライブ中、柵に手をかけていた最前列のお客さんの手を踏んじゃったけど、あの子、大丈夫かな?」。しっかり歌えたか否かも大事、初ライブをやり切った手応えも大事だが、こういうとき、不意に出るのが人となりだろう。貴水は正直者のようだ。

時は進む。それから10年以上が経った2003年2月。人となりは、精神性や魂(ソウル)といってもいいものだから、コロコロ変わるものではないので、貴水はやはり正直者だった(もちろん今もそうだ)。それを踏まえ、貴水が歌詞をつづった5thオリジナルアルバム『Rippin’ GHOST』を聴き直すと、見えなかった何かが姿を現すに違いない。

そのアルバムをリリースするにあたり、accessはSYNC-STYLEをキーワードにした。当時の浅倉によると、キーワードの意味は、「音楽も含む、accessの精神性」とのこと。accessの人となりだ。デビューから4作のアルバムよりもスピリチュアルな部分にフォーカスしている、ということだ。

何かを発散するとき、表現するとき、伝えようとするとき、視点は外へ向かうのが当たり前。しかし、accessは一旦内へ向けた。100メートルの物理的な前進と100メートルの精神的な掘進(残念ながら深進という言葉はない)の差だろうか。質は違っても、同じ熱量を必要とし、同じだけ尊い、成長と成熟の差かもしれない。

写真 / 『access TOUR 2003‐Livin’GHOST-』パンフレットより(撮影 / 田中和子)

アルバム冒頭のインストゥルメンタル「-a-bstract GHOST」から高速グルーヴの「KISS MY –a– SOUL」への流れは、今聴いてもゾクゾクしてしまう。どうだろうか、そこの曲間をもう1秒か1秒半か縮めてもよさそうにも思えるが……。いや、浅倉のことだ、あえて長めの空白を設けたのだろう。そうすると、あの無音にも形を持たない、響きすら持たないメッセージが埋め込まれていることになる。そのメッセージとは何か、妄想するだけでも、とてつもなく深掘りできるアルバムだ。

「KISS MY –a– SOUL」の歌詞の、それまでになかったあからさま具合にも耳が止まる。自由が躍っている。愛が自由に躍っている。浅倉の音を聴いたとき、それが貴水の胸にストレートに突き刺さり、解き放たれたらしい。「だから、聴いてくれる人にもストレートに感じて欲しかった」と、貴水は作詞したときの心境を言った。

ちなみに先行シングルなしのニューアルバムは、このときが初めてだった。浅倉は言っている。(アルバムを作りながら、先行シングルがなかったゆえの)「自由さがあった」と。その自由は聴く側にもあてはまる。先行シングルがあると、それを入口にしてアルバムに入る。が、なければ、入口を自由に自分で決められる。どの曲を入口にするか、聴く側一人ひとりの人となりに由来するわけだ。

「White Lights」もまた自由だ。ラップパートがあることで貴水の可動域が拡大。自由度が倍増。また、浅倉は浅倉で、最少限のメロディーで1曲を構成してしまう試みを謳歌している。さらに浅倉がデビュー当時から今も口にする作曲へのこだわり、作曲家としての魂(ソウル)でもある「(メロディーを作るとき)動いた音はどこまで動き続けられるか、止まった音はどこまで止まっていられるか」も詰め込まれている1曲だ。

例えば自由。例えば魂。例えば愛。形は持たないが、確かに存在するものがある。目には見えないが、存在を実感できるものがある。そういうものをaccessはGHOSTと言い表したのではないか。前回のアルバムで架け橋(CROSSBRIDGE)を渡り、お互いがつながったとき、彼らは気づいたのだ、本当に大切なものは形を持たないのだと。

文 / 藤井徹貫

 

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ライブ情報

access 25th Anniversary
double decades + half Special SYNC LIVE 1125/1126

11月25日(土)  千葉:舞浜アンフィシアター
11月26日(日)  千葉:舞浜アンフィシアター

double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Heart Mining』をリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


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