Interview

ディーン・フジオカ『鋼の錬金術師』ついやってしまう“マスタングジョーク”、細切れ撮影での難しさ明かす

ディーン・フジオカ『鋼の錬金術師』ついやってしまう“マスタングジョーク”、細切れ撮影での難しさ明かす

全世界でシリーズ累計発行部数7000万部を誇る、荒川弘による大ベストセラーコミック『鋼の錬金術師』が実写化される。本作で、原作の雰囲気をそのままに飛び出して来たかのような、火炎錬成を得意とする“焰の錬金術師”〈マスタング大佐〉を演じるのは、ディーン・フジオカ。これまでに体験したことのない撮影方法での戸惑いや、“ハガレン”の世界を作り上げた曽利文彦監督の印象、さらに、撮影が終わってからもついやってしまうという“マスタングジョーク”を語ってくれた。そして主人公〈エド〉役の山田涼介との意外な撮影現場での過ごし方など、様々なエピソードを話してもらった。

取材・文 / 吉田可奈 撮影 / 佐野企画

「共感できる部分がたくさんある」、野望と人間らしさとのバランス――作品と役柄、それぞれの魅力

国民的作品である『鋼の錬金術師』の実写化でのオファーが来たときの心境は覚えてますか?

ディーン はい。実は、僕はオファーをいただくまで、この作品のことを知らなかったんです。お話をいただいてから、すぐに原作を読ませていただきました。読み進めていくうちに、とても素晴らしい作品であるということを知り、このプロジェクトがどれだけ大きなものかということもわかったんです。そして、実写化に対して、原作ファンの方たちから大きな期待を寄せられていることを知り、改めて光栄なことだと思いました。

ファンタジーの要素もありますが、〈エド〉と〈アル〉の兄弟の物語や、彼らに関わる人間物語が深く描かれていますよね。ディーンさんは、本作の魅力はどんなところにあると思われましたか?

ディーン “錬金術”はファンタジーの世界ですが、この作品では、人間が生きていく中で感じる葛藤や悩み、希望を持つ大切さ、意思を強く持つことの素晴らしさをしっかりと描いているんです。だからこそ、遠い世界の夢の話ということではなく、共感できる部分がたくさんあって、読んだ人みんながどこかに感情移入できる作品だと思いました。

ディーンさんが演じる〈マスタング大佐〉は、大きな野望を抱えていますね。

ディーン そうですね。軍の組織内で、トップに上り詰めるという野望、決意を持っているところは、同じ男としてカッコいいなと思いました。それと同時に、〈エド〉と〈アル〉の兄弟に対してや、軍の仲間に対しての思いやりも感じさせるところが人間らしくて良いですよね。ただ上を目指すだけなく、そういった部分とのバランスが〈マスタング大佐〉の魅力だと思いました。

撮了後もやってしまう“マスタングジョーク”とは!? 経験したことのない細切れの撮影で感情をつなぐ難しさ

〈マスタング大佐〉の錬金術もすごくカッコいいですよね。

ディーン 彼の錬金術は、発火布で作られた手袋から繰り出す火炎錬成を得意とする国家錬金術なんです。実際に指先から炎が出たらいいですよね。

ディーンさんも、錬金術にワクワクしますか?

ディーン しますね(笑)。撮影が終わった後も、指をパッチンとした後に手動でコンロの火を点けたりして、“マスタングジョーク”を使っていました(笑)。

(笑)。その炎を演出するためにも、グリーンバックでの撮影が多用されていたと思うのですが、撮影はいかがでしたか?

ディーン CGを多用するので、今までに経験したことがないような撮影方法だったんです。例えるなら、TVコマーシャルを撮影するように、細切れで撮影して、一つのシーンにつなげていくんです。CGをはめていく作業は、曽利監督が撮らなくてはいけないものをはっきりとわかっている状態じゃないと、成立しないんです。なので、指や顔の角度、距離感などは、すごく精密に計算しながら撮影を進めていきました。

となると、お芝居での気持ちを持続させるのも大変になってきますよね。

ディーン はい。普通なら喜怒哀楽に必要な感情をセリフとともに発揮し、表現するんです。でも、細切れに撮影しているから、そのストロークがない状態で感情を爆発させなくてはいけないんですよね。それに、何度も同じテイクや違うセッティングなどで感情をつなげていく必要があったので、すごく難しい作業でした。その分、映画が出来上がったときは、その苦労が報われた気がしてすごく嬉しかったですね。