Interview

Sonar Pocket  新作は“原点回帰”をテーマに編まれた真骨頂のバラード。キャリアを重ねた今だからこそトライできたアプローチを3人に訊く。

Sonar Pocket  新作は“原点回帰”をテーマに編まれた真骨頂のバラード。キャリアを重ねた今だからこそトライできたアプローチを3人に訊く。

約5万人を動員した全国ツアーを日本武道館2デイズで終了させたばかりのSonar Pocketからニューシングル「涙雪」が到着した。失ってから気づく大切な人へのかけがえのない思い――そんな感情をせつなく響かせる失恋バラードは彼らの真骨頂。だが、そこにはこれまでのキャリアの中で手にしてきた成長がたっぷりと注ぎ込まれることで、“第2章”を掲げる今のSonar Pocketにしか描き出せない感動の名曲へと仕上がっている。果たして本作はどんな思いを持って生み出されたのか? メジャーデビュー10周年を来年に控える3人にじっくりと話を聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 荻原大志

デビュー10周年に向けて、もう一度みんなとの絆を強く結び直せるツアーだったようにも思いますね(ko-dai)

7月末からスタートした全国ツアー「Sonar Pocket JAPAN TOUR 2017~Reload~」が11月10、11日の日本武道館2デイズで終了しました。まずはその感想から伺えますか?

ko-dai いいツアーだったと思います。今までのライブと一番違ったのは終演後の空気ですね。毎公演、最後に僕らからのメッセージをしっかり伝えて終わる内容にしていたので、泣いてる人がすごく多かったんですよ。そういう光景を見て、「あ、俺らがこのツアーでやりたかったことはちゃんと届いてくれたな」って思うことができたんですよね。

3人が活動の中で感じている迷いや悩み、葛藤などを赤裸々に吐露した上で、ファンへの感謝を伝えていましたよね。これまでのライブはとにかくパッと笑顔になって終わることが多かったので、Sonar Pocketとしてはかなり新しいライブの形だったように思います。

eyeron 感動してもらって終わるライブにしたい、というのが今回のひとつの大きなテーマだったんです。僕らにとって初めての試みだったから、果たしてそれが正解なのかどうかは迷うところもあったんですけど、お客さんの反応を見たときに「あ、これで良かったんだな」ってすごく思えた。そういったライブを今回は3人だけでやり切れたことにもすごく意味がありましたね。

今回はダンサーの参加がありませんでしたし、演出も必要最低限のものでしたよね。3人だけで作り上げていく、原点を感じさせるライブだったなと。

eyeron そうそう。まさに原点。このタイミングであらためてそういったライブをやったことで、自分たちとしても大きな力になったと思うんですよね。

ko-dai 今までのようにいろんな世界観を背負ったものではなく、“THEライブ”と言えるような内容だったから僕らの底力みたいな部分も見せることができたと思うしね。その上で新しいことにもいろいろ挑戦できたので、ライブを観てくれた人からすると明らかに今までの僕らのライブとは違った印象だったんじゃないかな。

matty ライブのド頭に未発表曲を持ってきたり、アコースティックコーナーをやったり、ほんとに新しいことができたんですよ。その経験はまた今後に繋がっていくんじゃないかなとは思いますね。

eyeron そうだね。また新たな可能性がいろいろ見えたから。

ko-dai デビュー10周年に向けて、もう一度みんなとの絆を強く結び直せるツアーだったようにも思いますね。すごく楽しかったです。

Sonar Pocketを原点に戻してみるのもありかもしれないなって思えたというか。で、そこからこの「涙雪」を作り始めたんですよね(ko-dai)

そんな大充実のツアーを経て、すぐさまニューシングル「涙雪」がリリースされます。これからの季節にマッチするせつない失恋バラードとなるこの曲はどのように生まれたのでしょう?

ko-dai 武道館でのライブで発表したんですけど、僕らは来年3月公開の映画「honey」の主題歌を担当することになって。「108~永遠~」って曲なんですけど。

武道館で初披露されていましたよね。

ko-dai はい。あの曲は先方からのリクエストもあって、Sonar Pocketの原点と言える表現をド直球にやってみたものなんですよ。いわゆる着うた全盛の頃に僕らが出していた王道バラードみたいなところなんですけど。で、それをあらためてやってみたら自分たちとしてもすごく居心地が良かったところもあって。

なるほど。“第2章”を掲げて活動しているからこそ、あらためて原点が新鮮に感じられたところもあったのかもしれないですね。

ko-dai “第2章”に関しては僕ら自身、正直どうしていいのか、わからない部分もあるんですよ。掲げたはいいけど、何をやることが正解かわからないというか。ただ、ライブで宮崎に行ったとき、ラジオ局のDJの方に「第2章って原点に立ち返ることなんじゃないの?」ってポロっと言われたことでちょっと光が見えたんです。ちょうど同じタイミングで「108~永遠~」を作っていたこともあったので、じゃここで1回、Sonar Pocketを原点に戻してみるのもありかもしれないなって思えたというか。で、そこからこの「涙雪」を作り始めたんですよね。

今立ち返る原点は確実に“ゼロ”ではないわけで。進化した上での原点だから、それはもう昔とまったく同じにはなりようがないんですよね(eyeron)

確かに「涙雪」はSonar Pocketの真骨頂と言える王道バラードだと思います。ただ、そこには今のSonar Pocketにしかできない表現がしっかり注ぎこまれているし、サウンドに新しさを感じるところもあったんですよ。単純に懐古しているだけではないというか。

matty そうなんですよ。楽曲自体のアプローチはSonar Pocketの王道、ベーシックなものではあると思うけど、そこには今のメインストリームとなっているサウンドギミックが散りばめられたりはしていますから。原点は感じさせつつも新しいSonar Pocketを見せたいという気持ちを持ってアレンジしていただけたので、そこを感じていただけるのはすごく嬉しいですね。

eyeron 俺らにはこれまでの活動で手にしてきたいろんなものがあるから、今立ち返る原点は確実に“ゼロ”ではないわけで。進化した上での原点だから、それはもう昔とまったく同じにはなりようがないんですよね。歌詞にしても、当時を思い返させるような表現もあったりはするけど、そこには今の自分たちだからこそ言える新たな説得力も出てると思うし。

ko-dai いろんなことをやってきたからこそ、見える自分たちの原点もあったしね。

eyeron そうそう。「一生一瞬」や「段々男女物語」を出した上での「涙雪」だからね。振り切ったことをやったからこそ、自分たちらしさ、自分たちの良い部分を改めて感じられたと思うんですよ。それを今回はすごく良い形で注ぎ込めたんじゃないかな。