Interview

Lenny code fiction もがき続けたその先に実感した「覚醒」

Lenny code fiction もがき続けたその先に実感した「覚醒」

期待のバンドが「覚醒」の時を迎えた――デビュー2年目を迎えたLenny code fictionが「AWAKENING」と名付けたツアーをスタートさせ、各地で熱狂を生み出している。今年は大型夏フェスやイベントに積極的に出演し、鍛えられ、覚悟をもって付けたツアータイトルを自らに課し、大きな成長を遂げようとしている。そして「バンドの核になる曲」という同名の配信シングル「AWAKENING」を12月2日にリリース。これからの快進撃のための序曲になるであろう決意の作品に4人が込めた思いとは?

取材・文 / 田中久勝 撮影 / 江隈麗志

音を鳴らした瞬間に一気に気持ちが変わって(航)

片桐 航(Vo/Gt.)

先日『バズリズムライブ2017』(11月5日@横浜アリーナ)に、オープニングアクトとして登場し、魂のこもったライヴを見せてくれましたが、すごいメンツがそろうあのライヴのトップバッターとして大舞台に立って、手応えはいかがでしたか?

 ステージに出た瞬間は、圧倒されそうになりましたけど、ツアー中だったということもあって、音を鳴らした瞬間に一気に気持ちが変わって。やる事をやればいいんだと思えたら、ライヴハウスでやっている感覚になりました。

ステージに出てからドラムセットに座るまでの数十秒間のあの緊張は、人生で経験したことがないものでした(KANDAI)

KANDAI(Dr.)

音が出た瞬間、いい意味で開き直る事ことができた?

 そうですね、アリーナでのライヴのやり方はわからないし、自分達が今できるライヴハウス規模のライヴをやるしかないと思ったら、気が楽になりました。

KANDAI ステージに出てからドラムセットに座るまでの数十秒間のあの緊張は、人生で経験したことがないものでした。座るまで記憶は曖昧ですが、でも叩いた瞬間から冷静かついつも以上に熱くなれて、お客さんがちゃんと聴いてくれているというのも伝わってきて。あの日はステージ横にもお客さんが入っていて、皆さんがいい表情で観てくれているのがわかって、嬉しかったです。

kazu 僕は登場前に、僕達の紹介アナウンスがあった時に、大きな歓声と拍手が聞こえてきて、こんなにも声援をもらえるんだってそこで気が楽になりました。1万人以上が入っているアリーナのステージに立つのは初めての体験だったので、やっぱり最初は圧倒されました。でも僕も音を出した瞬間に、やってやるというスイッチが入って、ツアーを経てのいい流れの状態に入ることができて、そのまま最後まで楽しめました。

フェスでできなかったことができたという印象でした(ソラ)

ソラ(Gt.)

ソラ 僕は、フェスでできなかったことができたという印象でした。フェスでは機材トラブルが続いたり、プレッシャーに負けそうになったり、いつもライヴで盛り上がる「Showtime!!!!」という曲でいまいち盛り上がらなくて焦って、意気消沈したりということもありました。でも今回は、最後に盛り上がって、笑顔になってもらえれば、という思いを全員で共有して臨むことができたので、強い気持ちでライヴができました。自信もついたし、あのステージを経験できて本当によかったなと実感しています。

 『バズリズムライブ2017』もツアーの一環だったんだと思っています。それまでのツアーで上積みを作り続けてこれて、その途中であのライヴがあって、またそれを更新できたという感覚です。こんな事、人生で初めてです(笑)。今までは気持ち的に上がったり下がったりが激しかったのですが(笑)、今は本当にバンドが充実していると思います。

Lenny code fictionの中心により近い曲になっていると思います(航)

そんな充実の時に、ツアータイトルにもなっているシングル「AWAKENING」を12月2日に配信リリースします。

 デビューシングル候補だった曲です。勝負曲の中のひとつという感じで、詞は今回のツアー前に完成させた、現在進行形の気持ちを込めたものです。

KANDAI 全体的に見た時に、落ち着いているところ、広がりがあるところ、激しいところと各セクションごとに顔が違うイメージがあるので、メリハリに気をつけました。でもレコーディングの時のノリが良くて、1~2テイクで終わりました。その勢いが出ていると思います。

kazu デビュー曲の「Key -bring it on, my Destiny-」も当時の全力を注いで作ったものですが、今聴くとやはり若いなと。「AWAKNING」はKANDAIも言いましたが、すみわけとメリハリをしっかり意識して、それを表現することができたと思います。もしかしたらこれがデビュー曲になっていたら、ここまでできなかったかもしれません。

 今まではシリアスな曲だったり、思い切りライヴに寄ったカップリング曲があったり、ポップな感じのものもありましたが、激しいサウンドにストレートな歌詞という、いわゆる王道を突くという意味では、Lenny code fictionの中心により近い曲になっていると思います。絶対世の中に出したいと思っていたし、バンドの空気が良くなって、突き進んでいる今このタイミングで、核となるタイプの曲を出せることは大きいし、いい効果が生まれそうです。

元々難しくないストレートな言葉を使った曲が多いですが、より生々しいというか(kazu)

kazu(Ba.)

サビ頭で、<奇跡と呼べる時間と出会う為に息をしている>という言葉が飛び込んできますが、色々あって、色々経験できたからこそ出てきた言葉ですか?

 その通りで、ツアー前にメンバーで、“バンドの在り方を見直そう”的なミーティングをやって、それが大きかったかもしれません。

kazu どストレートですよね。元々難しくないストレートな言葉を使った曲が多いですが、より生々しいというか。2017年の僕らの在り方が詰まっていると思います。

ソラ 個人的に航の書く詞で好きなところは、物事に対して具体的に言っているところで、そうすると具体的な映像が脳内で再生され、それが演奏にも出ます。「AWAKENING」は、そんな航のいい部分が全面に出ていると思います。

デビュー当時から大きな期待がかけられて、でも想像以上の期待、重圧がのしかかってきて、負けそうになっているという印象を受けていました。それはライヴもそうだったし、でも今回のツアー初日と『バズリズムライブ』を観て、飛躍的にバンド力が強くなって、まさに「覚醒」したという実感がありましたが、何が全員の意識をここまで突き動かしたのでしょうか?

kazu 簡単な言葉で表現すると、原点回帰、初期衝動という意識だと思います。ルーツに戻るというか。このツアーが決まって、ソラがこのタイトルを考えてきた時に、全員で、何をしたら変われるのかということを話し合いました。その時にソラが昔のライヴ映像を持ってきて、「この時の航はカッコよかった」とか「この時は全員カッコよかった」という話になり、飾らず、その時に感じていることをそのままライヴに出した方が、自分達の性に合っているし、自分達も心から楽しめるんじゃないかという意見で一致して。それで、ツアーの初日から実践し、手応えがありました。自分達の根本にあるものをしっかり出して、それを音にもライヴにも昇華させることができているのだと思います。

引き寄せられたというか、改めて言葉の強さを思い知らされました(ソラ)

覚悟がないと付けられないタイトルでもありますよね。

ソラ 言霊を信じるというか、「AWAKENING」というツアータイトルを付けたから、「覚醒」しないと説明がつかないので、そうやって自分達を「覚醒」せざるを得ないところまで追い込むしかなかったというか。

自分達で探してきた言葉に自分達が鼓舞されていった。

ソラ 引き寄せられたというか、改めて言葉の強さを思い知らされました。

敵対意識はないのですが、やっぱりいいライヴをやられると燃えます(KANDAI)

今回のツアーはソロあり対バンありというスタイルですが、やはり対バンは燃えますか?

ソラ 対バンはいい意味でしか影響を受けていないです。相手のバンドを見ると熱くなるというか「絶対負けない!」と思うし、4人共負けず嫌いで、相手にいいライヴをされると闘志に火が点くタイプなので。

 前のツアーの対バンでは、例えばかっこいいボーカルを見ると、同じフロントマンとして、「カッコいいなぁ。ああいう部分を自分でも取り入れてみようかな」とか思ったりして、勉強させてもらっているような部分も正直ありましたが、最近は「(相手を)潰せばいんでしょ」って思っています。

ソラ 泡吹かせてやるぞ、的な(笑)。

 ライヴ中、テンションが上がりすぎてMCで「対バンかっこよかったけど、ぶっ殺す」とか言ったみたいで、後で謝りにいくという(笑)。決して潰し合いではないのですが、カッコイイものの、そのまた上にあるカッコよさみたいなものを見せる事ことができるんだという、向上心につながっているのだと思います。最近は超えるチャンスがあるだけいいと思えます。

kazu 僕達の主催の対バンなので、そのファンの前でいい感じのライヴをやられてしまうと、最後にしっかり締めないと結果的にその日のライヴをもっていかれるという、謎の対抗意識が出てきます(笑)。もちろん相手にいいライヴをやってもらうことはありがたくて、だからこそ本気のぶつかり合いができると思います。

KANDAI 個人的にはライヴを観るのが大好きなので、敵対意識はないのですが、やっぱりいいライヴをやられると燃えます。

今度は逆にライヴを経てわかってきたこと、もっとこういう曲があればストロングポイントになるのにという部分が見えてきたので、それを踏まえて制作に入れると思います(kazu)

ツアーファイナル(12月24日@恵比寿・LIQUIDROOM)が終わると、もう年の瀬ですが、来年のLenny code fictionはどうなっているのでしょうか?

ソラ 今年はライヴの年だったので、来年は色々な曲、色々なビジュアルを見せたいですね。

 “足りない曲”を作りたい。ライヴで、このシーンでこういう曲があるともっと盛り上がるのにということがわかってきたので、そういう曲をたくさん作りたいです。それと、100%趣味の曲も作りたい。それをライヴでできるように、もっと力をつけていきたい。

kazu 航が作った曲を共有するフォルダがあって、それをなぞっていくと「これバンドの曲?」と思うような曲も出てきて、それはバンドとしてどう表現するのか、ベーシストとしてどう弾けばいいのかと思ってしまうほど難しい曲です(笑)。今後そういう曲をどう織り交ぜていくのか、楽しみな反面、弾くことを考えると恐怖です(笑)。来年やりたいことは、航と同じになってしまうのですが、今まではライヴを想定して曲を作って、それをシングルに入れてリリースして、ライヴをやるという流れでした。でもそれがある程度できたので、今度は逆にライヴを経てわかってきたこと、もっとこういう曲があればストロングポイントになるのにという部分が見えてきたので、それを踏まえて制作に入れると思います。だから次のシングル、アルバムに入る曲を引っ提げてのツアーを回るのが、すごく楽しみです。

KANDAI 僕も来年はアルバムをリリースして、それを届けるツアーをやりたいです。今回のツアーは10本でしたが、来年はその3倍位の本数をやって、全国を回れるような、胸を張ってライヴバンドだと言えるような、大々的なツアーをやりたいです。

いい状況の中で、これぞLenny code fictionという曲を出して、そうなるとますます次の曲が大切になってくると思いますが、構想はもうありますか?

 次は、ヤバいっす(笑)。いや、次もヤバいっす(笑)。

その他のLenny code fictionの作品はこちらへ

ライブ情報

【Lenny code fiction LIVE TOUR 2017 “AWAKENING”】

12月13日(水) 広島SECOND CRUTCH(対バンあり)
*出演:Lenny code fiction / ゆるふわリムーブ / CRAZY VODKA TONIC
12月15日(金) 福岡天神graf(ワンマン)
12月24日(日) 恵比寿リキッドルーム(ワンマン)

【LOCAL CONNECT 3rd Mini Album「未完成」リリースツアー】

2018年2月3日(土) 広島CAVE-BE
*出演:LOCAL CONNECT/Lenny code fiction/彼女 IN THE DISPLAY/Mr.EggPlant 
2018年2月4日(日) 小倉FUSE
*出演:LOCAL CONNECT/Lenny code fiction/ペロペロしてやりたいわズ/Mr.EggPlant and more…
2018年2月18日(日) 池下CLUB UPSET
*LOCAL CONNECT/Lenny code fiction/Goodbye holiday and more…

その他の詳細はhttp://www.lennycodefiction.com/live/

Lenny code fiction

片桐 航(Vo/Gt.)、kazu(Ba.)、ソラ(Gt.)、KANDAI(Dr.)。
平均年齢23歳、片桐 航を中心に滋賀で結成された4人組ロックバンド。
2012年 前身バンドにて10代フェス「閃光ライオット2012」決勝大会に進出
2014年秋 “Lenny code fiction”に改名
2015年 「百万石音楽祭」「フェニックスロックフェスティバル」等に出演
2016年春 ソラ(Gt.)、KANDAI(Dr.)が加入
2016年7月 「Key -bring it on, my Destiny-」がTV東京系アニメ「D.Gray-man HALLOW」(7月~放送)のオープニングテーマに決定
2016年8月31日 同曲をシングルとしてキューンミュージックよりメジャーデビュー!
2016年11月9日 2nd Single「Flower」をリリース、同曲はTVアニメ「ALL OUT!!」(10月〜放送)のオープニングテーマに抜擢。11月13日にはバンド初のワンマンライブを原宿アストロホールで開催し、ソールドアウト。
2017年2月〜3月 初の全国ツアーを開催。最終日は3月23日代官山UNITにてワンマンライブ。
2017年4月12日 3rd Single「Colors」をリリース。(TVアニメ「パズドラクロス」(2017年1月〜放送)のオープニングテーマ)
2017年春から夏にかけて「VIVA LA ROCK」「ミリオンロックフェス」「ガンホーフェス」「WESTGIGANTIC CITYLAND」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC」「イナズマロックフェス」と各地の大型フェスにも多数参戦。9月からは今年2度目の全国ツアーを開催するなどライブを中心に怒涛の活動を続ける新世代のスタンダードロックを掻き鳴らす要注目ロックバンド。

オフィシャルサイトhttp://www.lennycodefiction.com/