Interview

バック・トゥ・ザ・フューチャー、キャストインタビュー

バック・トゥ・ザ・フューチャー、キャストインタビュー

Cover Interview 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』出演者インタビュー クリストファー・ロイド(ドク) & リー・トンプソン(ロレイン) 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズを語る上で絶対に欠かせない2人。
クリストファー・ロイド(エメット・ブラウン博士=ドク)とリー・トンプソン(ロ レイン)がシリーズ3部作の想い出とマイケル・J・フォックスを語る。


振り返ってみてください。80年代はもちろん、ここまでの経緯を鑑ても、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズは大成功傑作のひとつです。
まずは最初の作品が’85年 の一番になるという感覚はありましたか?

クリストファー・ロイド(以下CL) うん。台本の最初のページを読んだ時にいけると思ったよ。

リー・トンプソン(以下LT) そうね。スピルバーグが関わる作品だし、彼は最高のディレクター。だけど、実はNO! 私は最初はそうは思わなかったの。
キャストのオーディションを 多く開いていたから、そんな中で私がロレイン役をもらえたことは嬉しかった。

シリーズ最初の作品だけでも、年を撮ったり、若くなったり、同じ人物の違うバージョンを演じないとならなかった。そのオーディションに、不安を感じていたとか?

LT 実際にオーディションをやってみたら、自分には全く向いていないことに気が付くこともあるのね。あのロレイン役は、理解できた。あの年配の女性が、どういう人なのかとてもよく分かったし、それは、驚かれるようなことでもなかったと思う。あの会議室でのことは忘れないわ。スピルバーグが私を試していて、その時の私はもうロレイン役になって、かつらをかぶり、スモックを着ていた。その“実験”が彼らにとって重要なことだったのね。彼らはさすがだった。

好きなシーンはありますか? あるいは今でも頭から離れないような思い出深いシーンはありますか?

LT 私は’55年にタイムスリップしてきたマーティ(マイケル・J・フォックス)が目を覚ました時のこと、自分の息子をベッドの上でナンパしようとするところ。印象的だった(笑)。

先日の夜、少しランニング外出した時にシリーズ3作全てをレンタルしました。ずいぶん長いこと観ていなかったことを実感しながら、現在でもまったく劣えのない良い出来栄えにあらためて驚き、映画館で初めて観た時の感覚に戻されました。最近、観ましたか?

LT 私も『PART2』を観たわ。あの中での私、なかなか良く出来てるなって思いましたよ。だって全てのキャラクターを演じたんだから。私が『2』を観た理由は、自分のためのフィ ルムを作っていたからで、それらのシーンをカットして、自分用のフィルムに入れたというわけ。『PART2』の中の私は、48歳、そして、今の私が48。25年前ですら、私は28歳を演じていたのだから、なんだかおかしいことよね(*注1)

クリス、好きなシーンはありますか?

CL もちろん、たくさんあるよ。『3』でドクが作ったモデルのシーンで、その車がどう進むかをデモンストレーションしたところ。テーブルの端で爆破する(笑)。あれはおもしろかった。

やはりアドリブは多く加えていたんですか?

CL いや、そうでもない。

LT とてもきっちりとした仕事だったわ。

この作品が大流行したとき、道を歩いていると、人々が寄ってきたり、なにかセリフを叫ばれたりするようなことはありましたか?

CL “Great Scott!”(驚きだ!)

LT 私の場合、いつでも”Calvin Klein”だったわ(*注2)。 だから、Calvin Klein、わたしに何かちょうだい。インパクトのある宣伝をしたのよ(笑)!

CL “ Where we’re going we don’t need roads”(これから行く所に道はいらん)

最後にマイケル・J・フォックスについて少し話しをしたいと思います。彼との仕事について忘れられない思い出はありますか。彼との仕事はどのようなものでしたか。

CL 彼とは、印象的な瞬間がたくさんあったよ。中でも、2人で列車の上に乗った時のことは印象深い。『PART3』だね。列車が進むシーンで、私達は自力でその上に乗っていたんだ。ずっと揺れていながら、さらに、突然、列車が想定外に動いたんだ。俺らは顔を見合わ せて、“えらいこっちゃ!”。このまま生きて戻れるのだろうか?って。あれは、2人の絆が急速に深まった瞬間だったね(笑)。それ以外にも、彼とはシリーズでたくさん想い出に残っている。彼は、『PART1』では撮影が始まって6週間が過ぎたところで参加したんだ。他の役者と入れ替わったからね(*注3)。その瞬間から、変化が起きた。悩む必要がなくなった。ただ、全てが自動的に動き始めた。

LT 彼は、ホームコメディの撮影もあったから、とてもいそがしかったと思う。だから疲れていた。ほんとにすごい人。

特別に良い思い出はありますか?

LT 彼が良い人ってことはみんな知ってるでしょ。だけど私は(実母役として)彼にふられる役だったから、撮影中は彼を好きになりたくなかったの(笑)。映画を撮り終わった後、と てもいい友人になったかな。撮影中に好きにならないことは、とても大変なことで、私は「彼はコメディの役者じゃないか」ってわざと横柄に思うようにしていた。だけど、彼は、 そのコメディに対しても、常にとても綿密。とても優しくて、仕事を一生懸命にこなした。その姿が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に関わる周囲の人を元気づけたのよね。

注1)2010年発表の『BACK TO THE FUTURE 25TH ANNIVERSARY』プロモーションインタビューより
注2)’85年から’55年にタイムスリップしてきたマーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)の下着にCalvin Kleinの刺繍があったため若き日の母親ローレン・マクフライ(リー・トンプソン)は彼の名前をカルバン・クラインだと勘違いしてしまう。
注3)主人公マーティ・マクフライ役は若手俳優エリック・ストレツで撮影が進んでいたが、クリストファー・ロイドとの掛け合いのズレやコメディ要素不足などを理由に降板。当時ホームコメディ『ファミリー・タイズ』で全米お茶の間の人気者になっていたマイケル・J・フォックスに白羽の矢が立った。