access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 6

Column

初のミニアルバム『diamond cycle』。怒涛の15周年開幕を告げるクールビューティーな4曲。

初のミニアルバム『diamond cycle』。怒涛の15周年開幕を告げるクールビューティーな4曲。

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っすぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

♯6 Mini Album『diamond cycle』(2007年1月31日発売)

accessの第一章が92年~94年だとしたら、第二章は02年~06年だろう。ただし、二章は、03年夏の“Livin’ GHOST”ツアー終了と同時に、トップギアから一旦シフトダウン。翌04年はアルバムもツアーもなし、05年と06年はツアーとイベント出演のみだった。

では、accessがシフトダウンしていた03年~06年の、二人のソロ活動を振り返ってみよう。まずは浅倉大介から。04年3月から1年をかけ、アルバム『Quantum Mechanics Rainbow』シリーズにひたすら没頭。7枚組とも、7連作とも捉えることができる超大作。この規格外の作品は、間違いなく、今もなお彼の輝かしい勲章だ。また、03年からは、自らDJを務めるクラブイベントも開催。ここから浅倉は、新たな表現の場を単独で開拓していくことになる。

一方の貴水博之は、03年~05年は、毎年ソロコンサートを行った。04年、シングル「SILENT MOON」をリリース。しかし、注目すべきは、むしろ音楽以外の活動だ。05年公開の映画『マリンバアンサンブル』、06年公開の松平健主演映画『MAMAN』への出演。また、06年には『LOVE LETTERS』など、3つの舞台も踏んだ。間違いなく、この時期の経験が、貴水の表現の幅を広げるきっかけになっている。

と、拡散していた二人だが、accessデビュー15周年にあたる07年、約4年ぶりとなるCDをリリースする。彼らにとって初のミニアルバム『diamond cycle』がそれだ。すでにライブで披露していた「CATCH THE RAINBOW」も収録されていた。

写真/『access TOUR 2007‐diamond cycle-』パンフレットより(撮影/田中和子)

少々話が横道にそれるが、4年もCDをリリースしなかったのは(シフトダウンしたのも)、浅倉の先見の明によるものだったかもしれない。なぜなら、04年が日本での音楽配信元年だったから。新しいものにいち早く飛びつくのも、新しいものの動向をじっくり見極めるのも、どちらも選択肢のひとつ。ましてや有料音楽配信は、それまでの音楽システムを根底から揺るがしかねない黒船だった。定着するか否か、定着するならどういう形になるか、浅倉が見極めたいと思っても不思議はない。きっとこれがaccessシフトダウンの理由のひとつだろう。

そして、もうひとつの理由がaccessの軌跡に二度と長い空白を作らない決意。コンスタントに活動するためには、各自のソロ活動が必須だ。拡散が必要。彼らはそう考えた。その判断が正しかったことは、この25周年の充実ぶりが物語っているではないか。

さて、話を『diamond cycle』に戻そう。キラキラしたSYNC BEATより大人の、都会的なSYNC BEATが重用されている。「Stay」や「Bright Sight」などは、BPM(テンポ)控えめ、キー抑えめ。しかし、メロディーの美しさは格別。ゆえに今まで以上に、貴水のボーカリストとしての表現力が問われる楽曲となっている。

映画に1、2本出演したからといって、舞台に1、2回立ったからといって、一朝一夕に表現力が伸びるわけはない。が、貴水は03年~06年のソロ活動のなかで、確実に何かを掴んでいた。では、何を掴んだのか。その答えは、この時点では、貴水本人にもわからなかったはずだ。しかし、言葉にできなくても、握った拳のなかには確かに新たな何かがあった。その証明がこのミニアルバムでのボーカルだ。

浅倉は、7連作の成果だろうか、マニアックとポップを仕切る薄い甘皮のような微妙な場所に位置するサウンドを作り上げている。当時のヒット曲である湘南乃風「純恋歌」やレミオロメン「粉雪」などのJ‐POPとは一線を画す音楽だ。ひたすらわかりやすさだけを競うJ-POPシーンへのカウンターカルチャーのようでもあった。同時に、浅倉は15周年を駆け抜ける助走の役割もこのミニアルバムに託したのではないだろうか。

文 / 藤井徹貫

 

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ライブ情報

access 25th Anniversary Christmas in Naeba
double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Heart Mining』をリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


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