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『Destiny 2』FPS初心者こそ遊んでおかなければならない2つの理由

『Destiny 2』FPS初心者こそ遊んでおかなければならない2つの理由

前作から3年、大きくパワーアップしてPlayStation®4版『Destiny 2』が2017年9月に発売された。FPS(一人称視点シューティング)に新たな風を吹き込んだこのシリーズ、ドンパチ大好きのコアなFPSファンだけにとどまらず、むしろRPGファンが楽しめるものとなっている。「FPSなのにRPGとはこれいかに?」なんて思う人もいるだろう。

基本的な操作感覚はいわゆるFPSだ。左スティックで移動して、右スティックで照準を合わせ、R2ボタンで敵を撃つ。「なんだ、FPSじゃん、僕の苦手なやつだよね……」なんて思ったキミ、ちょっと待った! 本稿を最後まで読んで本作を理解すれば、「だったらちょっとやってみようかな」なんて気持ちになること間違いなし。むしろFPSをやったことがない人こそプレイしてみてほしい。

2017年12月6日にダウンロードコンテンツ第一弾が発売されるということで、いま一度このゲームのどこがそんなに魅力的なのか、書き綴っていきたいと思う。

文 / 松井ムネタツ


開発スタジオ”Bungie”とは 

まずは本作を開発したスタジオ、Bungie(バンジー)について語らなければならない。Bungieは1991年にシカゴで設立されたゲーム開発会社で、設立時はMac向けにFPS『Marathon』やリアルタイムストラテジー『Myth』、3Dアクション『Oni』などを発売、いずれのタイトルも熱心なファンがついた。1999年、満を持して発表されたFPS『Halo』は「これまた面白そうなゲームになりそう!」と思い、筆者は「だったらもっといいMacを準備せねば!」と新品のPowerBook G3を買って待機していたのだが、発売まえにBungieがスタジオごとマイクロソフトに買収。『Halo』はXbox専用ゲームとなってしまった。

▲『Destiny』シリーズは、Bungieが20年以上培ってきたノウハウがすべて詰まっている

PowerBook G3を見ながら途方に暮れたりもしたが、気がつけばXboxとともに『Halo』を買い、がっつり遊び込む日々となる。日本の家庭用ゲーム機市場において、FPSというジャンルの楽しさを広めたのは『Halo』であることは間違いない。Xboxとテレビを抱えて(!)友人家に集まり、夜な夜な『Halo』の対戦で盛り上がったりもした(1作目の『Halo』はネット対戦に対応していない)。

Bungieは2010年に発売された『Halo: Reach』まで同シリーズを作り続けるも、「僕たち、もっと新しいことにチャレンジしたいんだ」と言わんばかりにマイクロソフトから独立。Macから離れてしまったときもそうだったが、このときも本当にショックだったな。ああ、もうBungie開発の『Halo』は遊べないんだな、と。

▲『Destiny 2』の対戦プレイ画面。家庭用ゲーム機ではネット機能が珍しかった時代から、Bungieはオンライン対戦の仕組みを構築してきた

別れがあれば出会いもある。Bungieはアクティビジョンと契約し、マルチプラットフォームで新たなゲームの開発を発表した。それが『Destiny』だ。「見るからにBungieお得意のSFテイストなFPSではないか!」と鼻息荒く興奮。発売するや早速プレイしてみたのだが、「……あれ、ちょっと想像していたのと違うぞ!?」と軽く動揺した。麦茶だと思って飲んだらコーラだった、みたいな感じだろうか。飲んだ瞬間はすごくビックリなんだけど、それがコーラだとわかって飲めばなんてことはない。そういうことだ。

MMOでハクスラなのにFPS? 

2014年に発売された『Destiny』は見た目も触り心地もFPSなのだが、ハック&スラッシュ(以下、ハクスラ)っぽいRPGシューターだった。しかも、気がつけば他のプレイヤーと一緒に遊んでいるMMO的な要素も強く、何とも新鮮なプレイ感覚のゲームになっている。以下で、『Destiny』のゲーム紹介トレーラーを見てほしい。

なかなか『Destiny 2』の話にならないのだが、もう少し付き合っていただきたい。ここで、ほかのFPSにはない『Destiny』シリーズならではのMMOとハクスラについて、あらためて説明しておこう。

ストーリーモードを他のプレイヤーと一緒に進めたり、6対6の対戦プレイができたりと、このあたりは王道FPSのマルチプレイ要素としておなじみだろう。本作によるMMOっぽさは、基地に行けばオンラインユーザーのロビーのようにプレイヤーがいっぱいいるのはもちろん、3人で協力して強敵を倒すゲームモード”ストライク”や、6人協力プレイによる難度の高いエンドコンテンツ”レイド”があるとくれば、確かにMMOっぽいと言わざるを得ない。

▲ストライクやレイドなどの協力プレイこそが、本作の特徴的要素と言える(写真は1作目の『Destiny』)

レイドはもともとMMORPGでは一般的な要素で、大勢で強大な敵を倒す、といったモードだ。『Destiny』のレイドも難度は高く、フレンド間でしっかり連携を取り協力し合わないとクリアは難しい。こういったプレイ感覚は、これまでのFPSにはなかったものだ。FPSといえばPvP(プレイヤーvsプレイヤー)が盛んなジャンルというイメージだが、『Destiny』はレイドなどの仕組みによってPvE(プレイヤーvsエネミー)にも注力しており、新しさを感じるものになっている。

もうひとつ、”ハック(切り刻む)&スラッシュ(切り裂く)”とは、モンスターなどの敵を倒しまくって経験値や強力なアイテムをゲットし、プレイヤーやパーティをどんどん強くさせていくRPGのことを言う。このジャンルでの代表的なゲームは『ウィザードリィ』や『ディアブロ』で、ひたすらレベルを上げたり、レア武器をゲットしたりと終わりのないゲームであった。何も考えず、黙々と敵を倒していくのが快感で、無心で遊べるのが何とも心地よい。『Destiny』では敵を倒すとドロップする武器もたくさんあり、どんな強さの武器をゲットできるかも楽しみのひとつだった。見た目が同じでも属性や威力がさまざまだったりするので、レアリティーの高い強力な武器を手に入れることができたときの喜びたるや……!

▲もちろん対戦プレイが好きな人のための要素もしっかりと盛り込まれている

ふう、お待たせして申し訳ない。ここからようやく本格的に『Destiny 2』の話をしていきたい。前作より3年経った2017年9月に発売されたシリーズ2作目となる本作は、前作をさらにブラッシュアップし、FPS初心者には敷居が低く、やり込み上級者はいつまでも遊べつつ、クルーシブル(PvP)はeスポーツ化を意識して競技性を高め、より幅広い層が楽しめる作品となった。