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【PlayStation® Awards 2017 総括】受賞作から見えるゲームの行方

【PlayStation® Awards 2017 総括】受賞作から見えるゲームの行方

200万本を売り上げたソフトに贈られるダブルプラチナプライズが数年ぶりに登場した、今年のPlayStation® Awards 2017 表彰式の模様をリポート。この1年間に登場した名作ゲームを振り返りながら、次の1年の行方を考察してみます。

文 / 大工廻朝薫(SPB15)


ゲームファンを楽しませたタイトルが続々選出!

2017年11月30日、東京都品川区のグランドプリンスホテル新高輪にて、PlayStation® Awards 2017表彰式が開催されました。

PlayStation® Awardsとは、日本を含むアジア地域を対象に、その1年間でヒットしたプレイステーションフォーマットのタイトルを表彰する式典。1995年から毎年開催され、今年で23回目となります。2017年10月よりSIE社長兼CEOに就任した小寺剛氏の挨拶からスタートした今回のPlayStation® Awards 2017表彰式では、各賞に以下のタイトルが選出されました。

ユーザーズチョイス賞
『バトルフィールド 1』
『FINAL FANTASY XV』
『バイオハザード7 レジデント イービル』
『仁王』
『NieR:Automata』
『Horizon Zero Dawn』
『ペルソナ5 』
『イースVIII -Lacrimosa of DANA-』
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』
『アンチャーテッド 古代神の秘宝』
インディーズ&デベロッパー賞
『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』
『3on3 FreeStyle』
『UNDERTALE』
PlayStation®VR賞
『バイオハザード7 レジデント イービル』
『Farpoint』
『サマーレッスン:アリソン・スノウ』
PlayStation?Network Award
『ファンタシースターオンライン2』
『レインボーシックス シージ』
『FIFA 17』
Gold Prize
『アンチャーテッド コレクション』
『レインボーシックス シージ』
『FIFA 17』
『バトルフィールド 1』
『コール オブ デューティ インフィニット・ウォーフェア』
『龍が如く6 命の詩。』
『バイオハザード7 レジデント イービル』
『仁王』
『NieR:Automata』
『Horizon Zero Dawn』
『FIFA 18』
Platinum Prize
『グランド・セフト・オート V』
『FINAL FANTASY XV』
『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』
Double Platinum Prize
『Minecraft』

この中でもっとも多くのゲームクリエイターが登壇して盛り上がりを見せたのが、ゴールドプライズの表彰式。これは日本とアジア地域での累計出荷枚数とダウンロード数が合計50万枚を超えたタイトルに贈られる賞で、今年はなんと11タイトルが受賞しました。

▲全11タイトルの代表者たち。日本を代表するゲームクリエイターの面々が揃っています

▲『龍が如く6』の名越稔洋氏

名越氏は、「褒めていただけると、調子に乗ってもっともっと褒めてもらいたいと思うのがクリエイター。次回作もぜひ喜んでいただけるものを作ることをお約束します」と受賞の喜びを語りました

▲『仁王』のコーエーテクモゲームスからは、ゼネラルプロデューサーのシブサワ・コウ氏が登壇

シブサワ氏は、「『仁王』の開発を発表したのが12年前。この12年間ずっと応援していただいた皆様のさまざまなメッセージが開発陣を勇気づけてくれました。本当に感謝しています」と語りました。さらに「この『仁王』はシブサワ・コウ35周年記念タイトルですが、同じ35周年タイトルとして、今日『信長の野望 大志』が発売になっています」と、さりげなく新作をアピールする場面も。

▲『NieR:Automata』の表彰では、プロデューサーの齊藤陽介氏とディレクターのヨコオタロウ氏が登壇

ファンにはおなじみのマスク姿で登壇したヨコオ氏は、受賞コメントを語る齊藤氏に「近いですね」と言われるほどピッタリと寄り添って会場を盛り上げました。

今年も盛り上がりを見せたインディーズとVR

インディーズ&デベロッパー賞とPlayStation®VR賞は、2016年に新設された新しい部門。インディーズ&デベロッパー賞では、タイトルラインアップの拡大や盛り上がりに貢献した作品として、『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』、『3on3 FreeStyle』、『UNDERTALE』の3タイトルが選出されました。

▲インディーズ&デベロッパー賞の受賞者たち。ゲーム業界の中でもとくに若い開発者ばかりです

このうち唯一の国産タイトルとなる『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』は、人気同人ゲームシリーズ『東方Project』の二次創作となるローグライクダンジョンRPGです。

現在ゲーム業界を賑わせているインディーズゲームですが、個人やサークルによる小規模なゲーム制作の文化は、日本でも同人ゲームと言う形で以前から根付いていました。

こうした同人ゲームは、これまで即売会での頒布や専門ショップでの委託販売が主で、広く世間に知られる機会はほとんどありませんでした。しかし、近年ではダウンロード販売用のプラットフォーム整備が急速に進んだこともあり、メジャータイトルと肩を並べて展開できるようになっています。

『3on3 FreeStyle』や『UNDERTALE』のような海外で人気を集めたインディータイトルがどんどんローカライズされ、人気を集める現状においても、やはり日本人の感覚で作られたゲーム独自の魅力は存在しています。インディーズ&デベロッパー賞を2年連続で『東方Project』関連タイトルが受賞したことで、日本人クリエイターに対する注目は今後、より高まっていくことでしょう。

加熱するインディーゲームブームに対し、日本のインディーゲームクリエイターたちはどのように立ち向かっていくのか、今後の展開に注目したいところです。

一方のPlayStation®VR賞は、PS VRが発売された2016年10月13日から2017年9月30日までの期間中にリリースされたPS VR対応ソフトが対象。中でも日本・アジア市場での盛り上がりに貢献したタイトルとして、『バイオハザード7 レジデント イービル』、『Farpoint』、『サマーレッスン:アリソン・スノウ』の3作が受賞しました。

『バイオハザード7』はVRと相性のいいホラーゲームとして、“深く、狭く”をコンセプトに追求した恐怖表現がプレイヤーの支持を集めました。もともと高いゲーム性で評価されているビッグタイトルのVR対応ということもあって注目度の高かったタイトルですが、そのゲーム性と密接に結びついたVR体験は、VR専用ゲームにも劣らない高い評価を得ています。

『Farpoint』はPS VRシューティングコントローラー対応ソフト第1弾タイトル。このエンタメステーションでも過去に紹介しましたが、周辺機器を使用することによる高い没入感が何よりの特徴。実際にスコープを覗き込むターゲット方法や手元の火器に表示された残弾数など、VR空間を肌で感じ取れる工夫が施されており、VR時代のFPSとして高い完成度を誇ります。

そして、『サマーレッスン:アリソン・スノウ』は昨年の受賞タイトル『サマーレッスン:宮本ひかり セブンデイズルーム』に続き、シリーズとして2年連続の受賞。作品全体に前作からの細かなブラッシュアップが施されており、短いスパンながらもPS VR専用ソフトとしてのノウハウの蓄積が見られる作品となっています。

昨年度はPS VR発売直後ということもあり、ローンチタイトルのみが受賞していた本部門ですが、今回受賞したタイトルはいずれもそれ以降に発売されたもの。それぞれゲーム性や没入感、ユーザビリティなどの面で大きな進歩を見せており、各社ともVR表現の研究に余念がないことを感じさせてくれます。

今回の集計期間以降にも、本サイトでも紹介した『V!勇者のくせになまいきだR』や『グランツーリスモSPORT』など、さまざまなVRタイトルが登場しています。いずれもVRによるゲーム表現が突き詰められており、選考対象であれば受賞も十分に狙えたようなタイトルばかり。この1年で大きな進歩を見せてきた分野だけに、これからの1年でさらなる良作がどんどん増えていくことは確実です。来年はどのような顔ぶれが同部門を受賞しているか、今後のPS VR対応ソフトには大いに期待できるでしょう。

▲左から『バイオハザード7』リードVRプログラマーの高原和啓氏、『Farpoint』ローカライズスペシャリストの立山斉氏、『サマーレッスン:アリソン・スノウ』プロデューサー兼ディレクターの玉置絢氏、SIEWWSプレジデントの吉田修平氏