Interview

相葉裕樹&池田純矢が再演のプレッシャーや舞台の裏側を語る。いよいよ開幕!ミュージカル『HEADS UP!』

相葉裕樹&池田純矢が再演のプレッシャーや舞台の裏側を語る。いよいよ開幕!ミュージカル『HEADS UP!』

2015年にKAAT神奈川芸術劇場で初演され、第23回読売演劇大賞演出家部門優秀賞を受賞したミュージカル『HEADS UP!/ヘッズ・アップ!』が、2年の時を経て再演を迎える。舞台裏で働くスタッフたちに焦点を当て、普段は観客が目にすることがないバックステージの様子などをリアルに描いた今作は、原案・作詞・演出を手がけたラサール石井が10年以上も構想を温めてきた物語。初演時に多くの人たちを魅了した日本生まれのオリジナルミュージカル『HEADS UP!』は、この再演にあたりブラッシュアップし、より進化したエンターテインメント作品になっていることは間違いない。初演に引き続き出演する新米舞台監督〈新藤祐介〉役の相葉裕樹と今作でチーム初参加となる〈佐野慎也〉役の池田純矢に、ミュージカル『HEADS UP!』の魅力と意気込みを訊いた。

取材・文 / 松浦靖恵 撮影 / 冨田望


『HEADS UP!』はお客様が入って完成する舞台

2015年の初演『HEADS UP!』に参加している相葉さんにお聞きします。再演が決まったときの感想はいかがでしたか?

相葉裕樹 再演は、初演が成功したということ、そして、またあの舞台を観たいと思ってくださった方がたくさんいらっしゃるからこそ実現できることだと思うので、本当にありがたいことだと思いました。と同時に、多くの方に感動していただけた初演を超えなければいけないという気持ちが、プレッシャーというものに繋がっていくんだなと、特に稽古が始まってからはひしひしと感じています。

池田さんは『HEADS UP!』への出演が決まった際は、どのようなお気持ちでしたか?

池田純矢 僕は初演をいち観客として観ていたので、『HEADS UP!』がどのようなストーリーで、どんなキャラクターを持った登場人物たちが出てくるのかを知っていましたし、とても素晴らしく、とても楽しい『HEADS UP!』という作品に声をかけていただけたことが、とても嬉しかったです。

相葉 様々なジャンルから集まっているキャストのひとりひとりの個性が作用し合って、それが良い方向へと向かったことが、前回の成功に繋がったと思いますし、新たな日本のオリジナルミュージカルが生まれた感じがします。そこに再び携われたことが僕もとても嬉しいです。

池田純矢

相葉さんが初演時のエピソードで印象に残っていることはありますか?

相葉 初日を迎えるまでがとにかく大変だったことをよく覚えています。2幕の最後に僕が歌う「一人じゃない」がゲネの前日にやっと完成したり、セリフの大幅な変更があったり。初日を迎えるまでにいろんなトラブルも起こったり、キャストもスタッフも「本当に幕が上がるのだろうか」と不安な気持ちを抱いたまま初日を迎えたと思うんです。でも、初日の幕が開いた瞬間、『HEADS UP!』がガラリと変化した。まさに「奇跡が起きた!」と思いました。

池田 初日を迎えるまで大変だったという話は僕も聞いていましたけど、本当にいろんなことが起こっていたんだね。

相葉 本番を迎えてみないことにはわからないということを改めて痛感した初演でした。『HEADS UP!』はお客様が入って完成する舞台。それはラサール石井さんがやろうとしていたことで、幕が開いて実感しました。

相葉裕樹

初演時と同じキャストと初参加のキャストがいる今回の稽古場の雰囲気はどのような感じですか?

相葉 笑いも絶えないですし、いい意味で和気藹々とした雰囲気です。

池田 (哀川)翔さんが2年前の舞台のことをよく覚えていらっしゃるんですよ。「(初演時の)○○はこの立ち位置にいて、こういう動きをしていたよ」とか。ほんと記憶力がすごい!

相葉 そうなんですよね。翔さんに「なんでそんなに覚えているんですか?」と聞いたら、『HEADS UP!』(初演)以降にほかの舞台をやっていなかったからとおっしゃっていましたけど(笑)それでもすごいなと思います。僕は自分が思っていた以上に覚えていなくて。初演からまだ2年しか経っていないのに「こんなに忘れているなんて!」とショックでした(苦笑)。現段階では初演時の記憶を呼び起こしながら、2年前のラインに戻って構築しているところです。

池田 すでにガチッと形ができているところに入る僕としては、まず初演時の形をなぞるしかないと思っていて。自分がやりたい表現、自分が思う芝居をするのは、段取りが自分の中にちゃんと入って、初演で出来上がったものを、まず一度踏襲したあとからだと思っています。別の役者さんが演じていた役の表現とは違うことをやりたいという想いが強すぎたり、異質になりすぎると、逆に浮いてしまうし、物語を壊してしまいかねないので。そういう部分を考えると、再演は難しいんだなと思いましたね。

相葉 再演でも、劇場も演者もセットもその都度違うことが多かったので、まったく新しいものをやるという気持ちで再演に臨んでいたんです。ただ、今回はほとんどのキャストが続投されていて、美術セットも前回と同じものが残っているので、このカンパニーの雰囲気は今までやってきた再演ものとは全然違うと感じています。

池田さんはご自身が演出を手がける舞台をやっているので、裏方の大変さは十分わかっているのではないですか?

池田 裏方ってとにかく寝れないんですよ(苦笑)。打ち合わせも多いですし、舞台に使うモノを作ったり、本番に入ってもメンテナンスがあったり。役者さんのケアもしなければならないので、どのセクションにいる裏方さんも本当に大変ですよね。

相葉 それこそ、いちばん最初に稽古場や劇場に入って、最後に劇場から出て行くのも裏方さんだもんね。

池田 うん。自分が作品をやるときは自分もスタッフのひとりなので、稽古中もいちばん最後に鍵を閉めて帰るんだよね。ホント、ゲロを吐きたくなるくらい大変だけど(笑)、舞台監督も照明も音響も、それぞれのセクションのスタッフひとりひとりにプライドと心意気がある。それを知っている自分としては、リアリティを持って裏方のプライドや心意気を描いている『HEADS UP!』にとても共感できるんです。

相葉 僕もこの作品に出演したことで、裏方さんへのリスペクトがより一層高まりました。