Interview

RAMMELLS グルーヴィーで、エッジが立ってて、翳りがあって…。そんなかっこいいバンドはどんなふうに生まれたのか!?

RAMMELLS グルーヴィーで、エッジが立ってて、翳りがあって…。そんなかっこいいバンドはどんなふうに生まれたのか!?

結成から2年半に満たないにもかかわらず、スマートなアレンジ・センスと独特の耳心地を持った歌詞世界を備えた、匂い立つような音楽的個性を放ってメジャー・デビューを果たす4人組だ。クールな都市性とプリミティブな身体感覚を兼ね備えた、新世代ポップの一翼を担う存在と言えるだろう。
ここでは、結成のいきさつから始めて、バンドとして時間を重ねるなかで実感されていった自らの個性と未来に向けた展望をメンバー全員に語ってもらった。

取材・文 / 兼田達矢 撮影 / 笹原清明

歴史…、と言ってもまだ2年くらいですけど、それがバンド感というものになってるのかなあという感じがします。

真田さんが、黒田さんと村山さんに声をかけたのが結成のきっかけだそうですね。

真田 僕がその前に7年くらいやってたバンドが解散して、次にどんなバンドをやろうかなと考えてたタイミングだったんです。黒田さんは大学がいっしょだったんですけど卒業しちゃってたんで、“いま、何してるかな? もうパン屋に就職しちゃってるかな?”と思って…。パン屋でバイトしてたんで(笑)。ダメもとで誘ってみようかなと思って声をかけたら、ヒマにしてたって言われました。それで、二人で「リズム隊をどうするか?」という話になって、村山さんはあだ名がちりぽんっていうんですけど、「ちりぽん、ヒマなんじゃない?」っていう話で(笑)。

まずは、以前から目をつけていたボーカル/キーボーディストに声をかけてみよう、ということだったわけですね。

真田 前はボーカルしかやってなくて、キーボードはRAMMELLSを始めてから弾くようになったんです。僕は、バンドは4人が良くて、ギターかキーボードかどっちかを歌いながらやってほしいということは最初から言ってました。

村山さんには、どういうふうに声をかけたんですか。

黒田 「サポートっぽい感じで、とりあえず一緒にスタジオ入ってみない?」と言って、来てもらったのが最初だったんです。そのときにやった曲に対して、すごい的確な意見というか、いろいろアドバイスをしてくれて、「ちりぽん、メンバーにいいんじゃない」ってことで。

黒田秋子(Vo/Key)

村山さんは、二人がやろうとしている音楽や楽曲に対して、どんなことを感じたんですか。

村山 すごく邦楽っぽい曲だったんで、そこに洋楽的なエッセンスを入れたら面白いんじゃないかなとか、そういうことを言った気がします。

彦坂さんが入ったのは?

彦坂 いちばん最初は、村山さんにサポートとして声をかけてもらったんですけど、その前からこのバンドのMVを見てて、いいなあという感覚が心の片隅にあって…。

真ん中じゃなくて片隅だったんですね(笑)。

彦坂 (笑)、そうですね。その時期に声をかけてもらって、正式に加入するのはサポートして半年後とかになるんですけど。

どういうところがいいなと思ったんですか。

彦坂 その時期に僕がやりたいなと思ってた音楽とマッチしてたんです。バンドも組みたかったし。僕が見たMVがネオ・ソウルというか、ブラック・ミュージック・ベースという感じで、その要素が今より強かったかもしれないですけど、まさにそういうのが僕は好きだったんです。

このメンバーになってまだわずか2年弱ですが、このメンバーでの手応えというか、“これでこのバンドをやっていけるな”と思った瞬間はありましたか。

真田 それは節目、節目で感じることですよね。バンド感みたいなものだと思うんですけど。特にリズム隊の二人は1プレイヤーとして生きていきたかったんだろうなという感じもしてたんで、最初は“サポートの人”みたいな感じが僕ですらしてたんです。でも、去年のツアー・ファイナルあたりからバンドっぽさみたいなものをすごく感じるようになってきて、最近はイベントの短い時間のステージでも自分たちの熱がお客さんにすごく伝わってることを感じるし、そういうときにバンドっぽくなってきたなということを感じます。僕はもっとバンドっぽくなっていきたいと思ってるんですが。

真田徹(Gt)

彦坂 僕も最初は前作のツアーのときかもしれないですね。東京でライブをするときって、その日にみんな集まってリハーサルして、本番のライブをやって、それで解散、みたいな感じですけど、ツアーになると何日か一緒にいて、移動も一緒にして、ライブして、同じホテルに帰って、みんなひとつの部屋に集まって、みたいな感じですから。やっぱりライブ自体もバンドらしさが出てきたなあと思いました。

黒田 ツアーでバンド感が増していったなということはやっぱり感じたんですけど…。ただ、そのときにはあまり意識はしなかったです。例えばこういうメジャー・デビューとか、そういう節目、節目に振り返ってみると、変わったなと感じます。アーティスト写真ひとつとっても、みんなの写り方というか目線とか全然違うし。それにライブでも“あっ、今いい”と感じることが最近は多くなりましたね。

村山 僕は最初に3人で始めて、曲を作って、それをライブでやったりして、その頃から自分のなかでは“バンドをやってるな”という意識がけっこうあったんです。でも、そこから2年くらい経って、いまは“バンドをやってる感”と“バンド感”というのは多分違うなということを最近実感してきたというか。歴史…、と言ってもまだ2年くらいですけど、その2年の歴史がバンド・サウンドというかバンド感というものになってるのかなあという感じがします。

そういう変化は、今回のアルバムの内容にも関わっていることだと思いますか。

真田 そうだと思います。前作がCDデビューだったんで、そこに入っている7曲というのはある意味ではアマチュア時代に作った曲と言えると思うんですが、今回の10曲はインディーズで1年間やってきたなかで生まれた曲なので…。もちろん、前作もその時点での僕らの本気で録ったんですけど、今回はもっと意識が変わってきてるなかで出来上がった作品だから、それぞれが自分のパートに責任を持つというか、そういう意識は強くなってると思います。

黒田 みんなそれぞれに自分の良さを自覚し始めたなと思いますね。それは、この前に出したミニアルバムのリリース・ツアーのときにそういうものをそれぞれが自覚し始めたなという感覚があって、それでこのアルバムの曲を作り始めたんで、それぞれの良さがより出てるなという感じがします。

ちょっと陰があるところがRAMMELLSらしいかなと思いますね。

いまの時点でみなさんが考える、RAMMELLSの音楽の個性とはどういうものですか。

黒田 一筋縄ではいかない感じというか、どの曲も“えっ、そこ行く?”みたいな展開があったり、歌詞もそういう表現があったりして、そこがいまのRAMMELLSの推しどころなんじゃないかなとわたしは思っています。

村山 いくつかのモチーフをひとつの曲の中に詰め込むというのがRAMMELLSの音楽なのかなという感じがします。いろんなものが混ざった音楽性というか、そこですね。

彦坂 「AMY」という曲もそうですが、ちょっと陰があるというか…。

黒田 闇を抱えてるんだよね(笑)。

彦坂 (笑)、闇までは深くないかもしれないですけど、陰があるところがRAMMELLSらしいかなと思いますね。

真田 今回のアルバムでは「image」とか「swim」かなと思うんですけど、それはどちらも歌にちょっとラップっぽいところもあって、それを聴かせる感じのアレンジなんだけど、ギターは攻めるところで攻めるっていう(笑)。

黒田 それは、どの曲もそうじゃない(笑)。

(笑)、メジャー・デビュー作だという意識は、作る上ではたらいたりしましたか。

黒田 それは、あったよね。

村山 そうですね。不特定多数の人にたくさん聴いてもらうために、ということを考えて、わかりやすくしようという気持ちはあったと思います。

黒田 最初どの曲をアルバムに入れるかという会議をやったときに、何曲くらいあったかなあ…。20曲くらいあっったんですけど、それを聴いたスタッフから「暗い曲が多いね。もうちょっとテンポが速くてメジャー・キーで明るい曲はないかな?」みたいな話があって、それで作ったのが「slow dance」という曲なんですけど…。

真田 僕がそういうスタッフの話を聞いて、“うるせぇな”と思いつつ(笑)、そういう曲も作れますよって感じで、引き出しの多さを見せちゃいました。

歌詞には、♪隠す棘は心にある♪という一節もありますが(笑)。

真田 それを言ってる時点で、隠してないという意見もありました(笑)。

歌詞については、メジャー・デビュー作ということを意識した部分はありますか。

黒田 わたしはそういうことを考えて書けないんですよね。そういうことを意識して書くと、本当に変な感じになっちゃうんで、歌詞については何も意識せずに書きました。

歌詞について、自分なりのルールみたいなものは何かありますか。

黒田 ないですね。歌詞を書こうと思ったときに、自分が思ってることを書こうというだけです。例えば「HERO」という曲は、ウサイン・ボルトの引退試合を見て書いたんですけど、それは歌詞を書こうと思ったときにたまたまその試合をやってたんで、それを見て思ったことを歌詞につなげたっていう。自分が思ったことしか書けないので、ルールみたいなことは決めてないです。わたしとしては、歌詞を書くのは手紙を書くのと同じような感じで、自分に向けて書いてたり、身近な知ってる人を対象にというか宛てて書くことが多いですね。

とすると、「自分の身近で知ってる人」が増えると、歌詞の宛先も増えていきますね。

黒田 そうなんですよね(笑)。今回メジャー・デビューということで、いままで以上にいろんな人たちと関わって、それによって自分のなかから出てくる言葉もどんどん変わっていくなあということを面白がりながら書いてました。

黒田さんの歌詞にメンバーからダメ出しが出ることはあるんですか。

黒田 あったかなあ…?

彦坂 言ったけど…、

黒田 (笑)、却下?

彦坂 まあ、それはすごい細かい僕の好みみたいなことだったから、いいんだけど…。

彦坂玄(Dr)

「せっかくメジャーでやるんだから、I LOVE YOUとか歌おうよ」みたいな意見は出ないですか。

真田 絶対ないですね。

黒田 (笑)。歌えたらいいですけど…。

彦坂 狙って歌うことはないと思いますけど、自然に出てきたらいいと思うんです。パッと見る限りでは意味がわからないことでもちょっと考えたら、その聴いた人なりの意味になるっていうような、そういう歌詞が多いんで、そこがいいのかなと思ってますね。

メジャー・デビューということ以外はほぼ計画通りという感じです。

去年ミニアルバムでCDデビューして1回ツアーをまわって、それで、もうメジャー・デビューというこの展開をみなさんはどう受け止めていますか。

黒田 メジャー・デビューは正直もうちょっと先だと思ってたんで、自分でも驚いてるんですけど、でもそれも声をかけていただいて一緒にやりたいなと思えた人たちがたまたまメジャー・レーベルだったというだけで、メジャー・デビューということ以外はほぼ計画通りという感じです。

メジャー・デビューということの意味のひとつは多分、不特定多数の人に聴いてもらえる可能性が広がるということだと思いますが、その一方には自分たちなりのコアな表現を突き詰めてコアな支持を積み重ねていくという進め方もあると思います。でも、RAMMELLSはより多くの人たちに自分たちの音楽を聴いてもらえる可能性を選んだということですよね?

村山 コアな人はすぐにみつけてくれたりすると思うんです。逆に、コアじゃない人たちをもっとコアな音楽ファンにしていくくらいの気持ちでやれたらいいなと思いますね。

村山努(Ba)

さて、今回メジャー・デビューを果たして、1年後にはどうなってると思いますか。

真田 リキッドルームくらいのハコでずっとライブがやれるようになってたいですね。

(笑)、具体的ですね。リキッドルームというと1000人キャパくらいの会場ということですか。

黒田 再来年の下半期に武道館をやるっていうのは決まってるというか…。

真田 (笑)決まってはいないけどね。

黒田 (笑)、自分たちでは決めていて…。

彦坂 そこに至る目標設定ということですね。いまは200人とか300人のライブハウスが多いですけど、来年はその1000人くらいの会場でやっていきたいし…。

村山 アルバムも出して、ツアーもやるでしょ。

黒田 そう。ライブ・バンドでいたいからね。

村山 ライブもいいし音源もいい、というのが理想ではありますが。

ちなみに、レコーディング・スタジオとライブハウス、どっちが居心地いいですか。

村山 俺はどっちも好きですけど、でも特にレコーディング・スタジオは何時間でもいられますね(笑)。

真田 俺は断然ライブハウスのほうが好きです。

彦坂 居心地はレコーディング・スタジオが快適ですけど…。

黒田 お菓子あるしね(笑)。

彦坂 そうそう(笑)。そういうところはいいんですけど、やっぱりライブハウスのほうが燃えますね。

黒田 わたしもレコーディング・スタジオは好きですけど、どちらかと言えばライブハウスに多くいたいっていう感じですね。

で、来年の今頃は?

黒田 新しいアルバムを出して、ツアーをやって、武道館に向けてさらに動き出す、みたいな感じでしょうか。

自分たちが武道館で演奏している光景は思い浮かべられますか。

黒田 最近、2回ほど行ったんです。そのときに“RAMMELLSがここに出たらどんな感じなんだろうな?”とずっと考えてたんですけど、すごいイメージできたんです。すごくいい感じでしたよ。

期待しています。ありがとうございました。

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イベント情報

<RAMMELLS、アルバム「Authentic」発売記念ミニライブ&特典会>

【開催日時】 2017年12月9日(土) 13:00スタート
【内容】ミニライブ&特典会
【場所】 タワーレコード福岡パルコ店

【開催日時】 2017年12月10日(日) 19:30スタート
【内容】ミニライブ&特典会
【場所】 タワーレコード池袋店 6Fイベントスペース

※イベント詳細はこちら
http://www.crownrecord.co.jp/artist/rammells/whats.html

RAMMELLS

黒田秋子(Vo/Key)、真田徹(Gt)、村山努(Ba)、彦坂玄(Dr)。
ギターの真田徹が大学時代の先輩である黒田秋子、村山努を誘って2015年8月に結成。2016年に彦坂玄をドラムに迎え、ライブ活動を本格的にスタートする。新人バンドの発掘・応援を行うEggs、CINRAなどでも結成当時から取り上げられ、「Eggs×CINRA presents exPOP!!!!!」等のイベントに参加。また2016年にインディーズ・リリースしたミニアルバム『natural high』は福岡エリアのCDショップが推薦する“よか音”に選出されたのに加え、同アルバム収録の「Holiday」がハウステンボス「秋の女子旅」のCMに起用されるなど、すでにディーラーやFM局、CMクリエイター界でも話題の存在となっている。メンバー全員がソングライティングを担当できるのもバンドの大きな特徴であり強みだ。

オフィシャルサイトhttp://www.rammells.net