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GLAY 人生を同じバンドに賭けている“同志”だからこそ描けた、極上のバラード“結婚ソング”の制作秘話

GLAY 人生を同じバンドに賭けている“同志”だからこそ描けた、極上のバラード“結婚ソング”の制作秘話

11月22日に発売されたGLAYのニューシングル「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~」は、これから結婚式・披露宴での定番ソングになりそうな、至極のバラードだ。11月30日にオンエアされた、朝の情報番組『スッキリ』(日テレ系)の、3000回記念企画『結婚式を全力で応援します!』で、GLAYがキャリア初の結婚式でのサプライズライブを行い、「あなたといきてゆく」を披露。両親や祖父祖母、自分に関わりのあるすべての「あなた」と生きていく決意と、感謝の気持ちを歌った「あなた~」を歌うと、感動が広がり、涙を流している人もいた。この曲に対するするメンバーの思いと、制作秘話、さらに現在敢行中のアリーナツアーに感じる事を聞いた。

アルバムランキングの1位を獲得した、GLAY史上最もトリッキーといってもいい、探求心あふれるアルバム『SUMMERDELICS』(7月12日発売)。それを引っ提げての同名のアリーナツアーを敢行中の11月22日に、これぞTAKURO節といもいうべき、“王道”の、55枚目のシングル「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~」を発売し、好調だ。

「あなたといきてゆく」は今年4月から5月にかけて行われたホールツアー『GLAY HIGHCOMMUNICATIONS TOUR 2017-Never Ending Supernova-』で、すでに披露されていたバラードで、非常に人気が高く、メンバーも手応えを感じ、当初『SUMMERDLICS』に収録される予定だったが、夏がコンセプトのアルバムという事で、収録が直前で見送られた。JIROは「これぞTAKUROメロディという感じ。『SUMMERDELICS』がトリッキーな夏のアルバムなので、夏を楽しんで、盛り上がって落ち着いたところで聴いて欲しいという気持ちが、TAKUROにもあったのだと思います。ライヴのアンケートでも非常に人気が高い曲です」と、“ファンも待っていた曲”だと教えてくれ、HISASHIは「こういう曲をメンバーも待っていたという事は、ファンのみなさんも待っていたと思います。最近はメンバー曲がシングルになったり、アルバム曲でも増えてきていたので、この辺でGLAYの王道メロディを聴きたいというリクエストは、僕の中でもありました」と、メンバー内にもTAKUROメロディ待望論があったと明かしてくれた。

作者のTAKUROも「『SUMMERDELICS』で、新旧ファンの方達を戸惑わせた部分があるかもしれない。だからある意味王道ともいえるこの曲をツアー中に出す事で、ずっと聴いてくれているファンには「これだよね」と思ってもらえると思うし、新しいファンの人にはGLAYの世界の幅広さを知ってもらいたいし、この曲も、カップリングのバラード達も、この季節にはピッタリだと思った」と、新旧ファンの気持ちを読み、季節感も考えてこの時期にリリースしたと語った。さらにこの極上のバラードの制作秘話も教えてくれた。「元々「冬のプロポーズ」という仮タイトルで、90年代後半からあった曲で、「あなた」と「わたし」の物語に終始している方が、世の中との親和性が高いと思っていたし、家族の事までを歌うには、自分達にはまだ説得力が足りないと思っていました。でも自分にも家族ができて、“覚悟”というものができました。メロディを書き足して、Bメロが1年くらい前に完成しました。レコーディングでTERUの歌を聴いているうちに、祖父や祖母、父、母から受け継ぎ、引き継いできたものがあっての、今の自分なんだという気持ちになってきて、「あなた」というのは「あなた」と「私」だけではなくて、上の世代、下の世代、大きな意味の「あなた」と思い、ひとつずつ漢字を当てていきました。TERUもそう思いながら歌ってくれたのかもしれません」。

一方TERUは「最初に歌詞をもらった時、「あなた」が全部平仮名でした。後になって祖母、祖父、母、父という漢字を「あなた」と読ませている事に気づきました。でも歌入れの時、不思議な気持ちになって、平仮名の「あなた」が第一印象ではなかったんです。だから普通だったらファルセットにしているところを地声で歌ったり、ファルセットでいけるところも、最後はあえて地声に戻したり、「あなた」によって表現を変えたくなって」と、この歌が元々持つ深い想いやを掘り起こしながら、それぞれの「あなた」を歌っていたのだ。それがTAKUROに伝わり、TAKUROが歌詞の「あなた」に漢字をはめ込んでいった。まさに阿吽の呼吸ではないが、深い意志の疎通が取れるのは、人生を同じバンドに賭けている“同志”だからこそだ。

この曲は「年が明けたら結婚しようよ」という、強烈なひと言の歌い出しから始まる壮大なバラードであり、結婚ソングだ。GLAYの結婚ソングというと、TERUの姉の結婚式のために、TAKUROが17歳の時の書いた名曲「ずっと2人で…」(1995年)がある。GLAYは、必ず誰かのため、誰かに寄り添っている歌をずっと作り続けている。「「ずっと2人で…」の後に、友達に息子が生まれたということを聞いて「グロリアス」を作ったり、世代によって常に誰かのために曲を書いているという意識は、いつもあります。その集大成のような「あなたといきてゆく」は、自然と、こういうメッセージが生まれるようになったんだと、非常にすんなりと入ってきました」(HISASHI)。

TERUも「この曲は誰に向けて歌おうかと考えた時、結婚式で使いたいと思ってくれると嬉しいなと思いました。披露宴ってお父さん、お母さん、おじいちゃんおばあちゃん、家族、親戚がいて、そういう場所で流れる優しく包み込むような歌にしたいと思いました。<年が明けたら~>という歌詞に引っ張られて、完全に結婚式場の雰囲気が頭の中にあったみたいです(笑)。でも「ずっと2人で…」は全く意識していませんでした(笑)」と、これから“絆”を紡いでいく二人の門出と、その家族を祝福する歌にしてくれた。

現在敢行中のアリーナツアーについて、ライヴの構成を考えているJIROは「これだけ盛りだくさんの内容で、僕らの中でも実験的要素が近年のツアーの中でも一番強いので、たぶんみんなキョトンとするんだろうなというのは想像できました。それが良くても悪くても、今までと違った感じだから嫌だということだと思います。今までと同じ事をやっていて、よくなかったと言われたら考えものですけど、今までやってこなかった事をやって、嫌だったと言われたら、それはその人に合わなかっただけかもしれないし、俺たちがアクションを起こさないと何も変わらない。俺たちはその違和感を楽しんでいるんですと言えるくらい、今回は自信を持って臨んでいるツアーなので、新しいGLAYのスタイルが振り幅として出てくれば、このツアーは大成功だと思う」と、圧倒的に明確な意思を持って、一本一本のライヴと向き合っている。

常に変化を求めながらも、時にはファンが慣れ親しんだ、安心感を呼び起こしてくれる王道メロディを繰り出す。この自由自在、変幻自在の見せ方、動き方こそが、GLAYというバンドの強さであり、進化と深化を続けるキャリア23年のバンドの底力なのだ。

文 / 田中久勝

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ライブ情報

http://www.glay.co.jp/live/

GLAY

1994年にメジャーデビューし、2014年に20周年を迎えたロックバンド。
2016年1月にリリースした53枚目のシングル「G4・IV」が オリコン・ウィークリーチャート1位を獲得し、TOP10入りは1996年「グロリアス」以来、21年連続、歴代同率1位。
同シングルを含んだタイアップ曲満載の14枚目のオリジナルアルバム「SUMMERDELICS」を2017年7月に発売し、オリコンアルバムチャート1位を獲得。
9月23日からは、全25公演24万人を動員する大型アリーナツアーを開催。
2018年3月17日(土)には台湾・台北アリーナでのライブも決定している。

オフィシャルサイトhttp://www.glay.co.jp