LIVE SHUTTLE  vol. 218

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必ず新しい未来を切り開く──flumpoolの強い意志に貫かれた、想い溢れるパフォーマンス。新曲「とうとい」も披露!

必ず新しい未来を切り開く──flumpoolの強い意志に貫かれた、想い溢れるパフォーマンス。新曲「とうとい」も披露!

flumpoolの全国ツアー〈flumpool 8th tour 2017「Re:image」〉、神奈川・パシフィコ横浜・国立大ホール公演(12月2日、3日)。今年3月にシングル「ラストコール」(映画『サクラダリセット』主題歌、後篇エンディングテーマ収録)をリリース。5月20日、21日には通算3度目となる日本武道館公演を成功させた彼ら。ツアー終盤となるこの日のライヴでは、代表曲、ヒット曲、新曲を交えながら、10周年イヤーを目前にしたバンドの現状を生々しく表現してみせた。

取材・文 / 森朋之
写真 / 後藤壮太郎、タマイシンゴ

自らの人生と正面から向き合い、そのすべてを音楽に結びつける。その真摯なスタンスから導かれた楽曲は、現在のflumpoolの音楽的な深化へと繋がっている

ライヴの開幕を告げたのは、壮大なストリングスを中心にしたSE。そこに都会の風景をモチーフにした映像、4つ打ちのエレクトロビートが加わり、オープニングを華やかに彩る。そしてステージに掛けられていた幕が開き、メンバーが登場。「会いたかったぜ! 横浜!」と山村隆太が叫び、最初のナンバー「World beats」。ダンサブルなバンドサウンドと「こんな夜は 限界まで振り切ってみてよ!」というフレーズが気持ちよく広がり、観客も手を上げて応える。

山村隆太(vocal)/ photo by 後藤壮太郎

さらに阪井一生のエモーショナルなギターフレーズを軸にしたヒット曲「星に願いを」、山村がハンドマイクを持ち、ステージの端に立ってオーディエンス(揃いの振付で踊る人たちも多数)とコミュニケーションを取った「夏Dive」とアッパーチューンを連発。会場は早くも心地よい高揚感に包まれた。

阪井一生(guitar)/ photo by 後藤壮太郎

「こんなに大きい会場に、こんなにたくさんの人が集まってくれて。ありがとうございます!」(山村)という挨拶のあとは、flumpoolの多様な音楽性を実感できるシーンが続く。まずは山村がアコギを弾き、有機的なバンドサウンドとともに「速く速く この胸を打ち鳴らせ」というラインを響かせる新曲「WINNER」。歌詞をビジョンに映すなど、楽曲の魅力を伝えようとする演出も印象的だった。

photo by 後藤壮太郎

80’sテイストのシンセを取り入れたシティポップ風のナンバー「DILEMMA」、温かみのあるメロディラインとともに“ずっとずっと君を愛し続けたい”という切実な想いを表現した「two of us」。日常に根差した前向きなメッセージをカラフルなサウンドに乗せて描く、flumpoolの楽曲の魅力を存分に堪能することができた。スケール感と強度を増した楽曲のボトムをしっかりと支える、尼川元気のベース、小倉誠司のドラムのリズムセクションも素晴らしい。

尼川元気(bass)/ photo by タマイシンゴ

「ツアー中、各地で観光とかもしてきて。横浜ではクルーズに行ってきたんですけど、この時期のクルーズはあかん。寒すぎる(笑)」という阪井のトークを挟み、ライヴは徐々にシリアスな雰囲気を帯び始める。真っ赤なライトに染め上げられたステージでエッジの立ったサウンドが炸裂した「絶体絶命!!!」、ヘビィロックの色合いを濃密に反映させたアレンジ、シャウトを交えた激しいボーカル、「心砕かれたって無理して虚勢を張ってんだ」という歌詞がぶつかり合う「夜は眠れるかい?」、ピアノ、アコギとEDM的なビートがひとつになったサウンドとともに“混沌とした世界の中で心を解き放て”というメッセージが感じられた「FREE YOUR MIND」、そして、ストリングスを前面に押し出しながら、“憂いのある疾走感”と呼ぶべき音像を描き出した最新シングル「ラストコール」。自らの人生と正面から向き合い、暗い部分を含めて、そのすべてを音楽に結びつける。その真摯なスタンスから導かれた楽曲は、現在のflumpoolの音楽的な深化へと繋がっているのだと思う。

小倉誠司(drums)/ photo by 後藤壮太郎

ここで山村が「Re:image」というツアータイトルについて説明した。“イメージをもう一度し直す、未来をやり直す”という意味を込めたこと。来年10周年イヤーを迎えることに喜びと感謝を感じてる一方、思い描いていた未来にまだ辿り着いていないという悔しい想いも抱えていること。それを嘆くのではなく、可能性を信じて、みんなと一緒に未来をやり直そうと思っていること──。そう、今回のツアーは10周年イヤーの幕開けであると同時に、flumpoolの新しい未来を切り開くための最初のアクションでもあったのだ。

photo by 後藤壮太郎

新たな決意をはっきりと言葉にしたあと、ライヴは後半へ。2008年のデビュー曲「花になれ」、現状をまっすぐに見つめながら、未来に向かって歩き出そうとする意志を歌った「僕はここにいる」、「ただ君の 涙だけを/失くすために僕は 生きてたいのさ」という言葉を手渡すように歌い、「ラララ〜」という合唱が生まれた「ナミダリセット」(シングル「ラストコール」収録)、そして、強靭なバンドグルーヴによって、諦めることなく生きていく想いを叩きつけた「reboot 〜あきらめない詩〜」。この4曲はflumpoolが歩んできたキャリアと強くリンクし、大きな感動を生み出していた。バンドの状況を楽曲に反映させ、それをライヴでストレートに表現することで、まるでドキュメンタリーのような効果を生み出す。音楽とメンバー自身の現状が強く繋がったステージングも、今回のツアーの大きなポイントだったと言っていいだろう。

photo by タマイシンゴ

観客がタオルを振り回しながら盛り上がったロックチューン「イイじゃない?」、この日、最も華やかなポップネスに包まれたヒットチューン「君に届け」、「呼吸を合わせて」という歌詞とリンクするように「I touch you, you touch me,」の大合唱が響き渡った「Touch」で会場の興奮は瞬く間に頂点へ。

photo by タマイシンゴ

そして本編の最後は「僕らが今、いちばんみんなに届けたい曲。生きていればいろんなことがあるけど、“生まれなければよかった”なんて思って欲しくない。みんなには、みんなが思っている以上の価値があります。そんな想いを最後に届けたいです」(山村)という言葉に導かれた「とうとい」(12月26日にリリースされるニューシングル)。クラシカルなストリングス、ポジティブな光を感じさせるメロディ、「生まれてくれてありがとう」というフレーズが溶け合い、大きな希望へと繋がっていくこの曲は、この先以降のflumpoolのライヴでも大事な役割を果たすことになるはずだ。

photo by タマイシンゴ

アンコールではまず、軽快なバンドグルーヴを軸にした「labo」を披露。さらに「今日は本当にありがとうございました。もうそれだけです」(山村)という挨拶から「大切なものは君以外に見当たらなくて」。ひとつひとつの音と言葉に強い気持ちを込めたパフォーマンス、そして、サビのリフレインで生まれた大合唱によってライヴはエンディングを迎えた。

photo by 後藤壮太郎

2018年、10周年を迎えるflumpool。ここから始まる彼らの新しいストーリーは、さらに多くのオーディエンスによって共有されていくだろう。そう、このバンドのピークは過去ではなく、この先の未来の中に存在するのだ。

flumpool 8th tour 2017「Re:image」
2017.12.02@パシフィコ横浜・国立大ホール SET LIST

M01. World beats
M02. 星に願いを
M03. 夏Dive
M04. WINNER
M05. DILEMMA
M06. two of us
M07. 絶体絶命!!!
M08. 夜は眠れるかい?
M09. FREE YOUR MIND
M10. ラストコール
M11. 花になれ
M12. 僕はここにいる
M13. ナミダリセット
M14. reboot 〜あきらめない詩〜
M15. イイじゃない?
M16. 君に届け
M17. Touch
M18. とうとい
EN01. labo
EN02. 大切なものは君以外に見当たらなくて

flumpool(フランプール)

山村隆太(vocal)、阪井一生(guitar)、尼川元気(bass)、小倉誠司(drums)。
2008年10月に発表したデビューDOWNLOADシングル「花になれ」がau「LISMO!」CMソングに抜擢され、10日間で100万DLを突破。2009年10月には日本武道館2DAYS公演を実現した。2017年は、3月に映画『サクラダリセット』の主題歌「ラストコール」をリリース、5月に3度目の日本武道館公演〈flumpool 8th tour 2017 Beginning Special「Re:image」at NIPPON BUDOKAN〉を開催、9月から全国ツアー〈flumpool 8th tour 2017「Re:image」〉を敢行した。さらに、12月26日にはニューシングル「とうとい」をリリースする。
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