access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 7

Column

デビュー15周年に花をそえた『binary engine』。ベテランの域になっても新しいアプローチ満載の6thアルバム。 

デビュー15周年に花をそえた『binary engine』。ベテランの域になっても新しいアプローチ満載の6thアルバム。 

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っすぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

♯7 6thAlbum『binary engine』(2007年7月4日発売)

2007年、ミニアルバム『diamond cycle』で幕を開けたaccess第三章。diamond cycleツアーに続き、TM NETWORKのトリビュートライブに出演。ちなみにこのイベントだが、スケジュールの都合上、参加できない小室哲哉が「自分の代役を大ちゃんがやってくれるなら」と提案し、浅倉大介が快諾したことで、実現した企画だ。その意味では、浅倉は主役の一翼も担っていた。

accessのデビュー15周年はさらに加速する。夏(7月)、フルアルバム『binary engine』をリリース。binaryとは、辞書を引くと、二つの要素からなるもの、二進数と出てくる。浅倉と貴水博之からなるaccess、0と1からなる(二進法からなる)デジタルを駆使するaccessだから、15周年にふさわしいアルバムタイトルではないだろうか。

ただ、アニバーサリーイヤーだからといって、守りに入らないのがaccess。新たなアプローチを欠かさない。たとえば冒頭の「Awake」。作詞家・井上秋緒を起用。井上は、T.M.Revolutionなどの楽曲制作で浅倉と長年コンビを組んでいる仲だけに、さすがの安定感。浅倉ならではの珠玉のBメロをより際立たせる歌詞を提供している。詞に沿ったメロディ-とメロディ-に沿った歌詞があるとしたら、ここは巧者の後者だ。

作詞家がもう一人参加している点も『binary engine』のポイントに挙げたい。TM NETWORKのヒット曲「Get Wild」などで知られる小室みつ子がその人。TMのリーダーである小室哲哉と作詞家の小室みつ子は、どちらも本名のため、小室みつ子は事あるごとに「ご夫婦ですか、ご兄妹ですか」なとど訊かれていたらしい。それがわずらわしくなったので、あるときから「母です」と答えるようになったという都市伝説めいた逸話もある。

写真/『access TOUR 2007‐binary engine -』パンフレットより(撮影/田中和子)

閑話休題。accessの6thアルバムで、小室が作詞したのが「Life Goes On」と「Shadow over the world」。特に後者の、性別を超えた歌詞や宇宙の果てから地球を眺める表現は、小室ならでは。目の前にいる君(貴方)へと問いかけ、語りかけ、常に主語が男性であること、つまり、自らの日常の延長である点が魅力的な貴水の歌詞とは、一線を画するからこその起用だったのではないだろうか。同時に俯瞰視点で書かれた歌詞を貴水が見事に歌い切っている点も忘れてはならない。これが表現の幅というものだろう。HGJ! HIRO、Good Job!!

新しいアプローチはまだまだ続く。「Gone too Soon」は、アコースティックギターをフィーチャーしたサウンド。シンセサイザーが中心のaccessにしたら、対極にある音だ。曲の中盤からは、デジタルサウンドが割って入る。この構図もある意味binaryだ。

アルバムのラストを飾る「瞳ノ翼~binary engine~」は、アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』OPテーマでもあった。そして、ここから10年の時を経た今年(2017年)、浅倉が作曲と編曲を担当した、劇場版『コードギアス 反逆のルルーシュⅠ 興道』主題歌「赤だけが足りない」へ、「瞳ノ翼」のDNAが受け継がれている。浅倉いわく、〈「瞳ノ翼」を聴いてくれた人なら、おや?と思うはず〉、とのこと。時空を超えたコラボだ。

15周年はまだまだ止まらない。binary engineツアー、アルバムから「瞳ノ翼」をシングルカット、秋になると、ニューシングル「Doubt & Trust ~ダウト&トラスト~」とベストアルバムを立て続けにリリース。11月23日と24日には、苗場プリンスホテルで15周年記念イベントを実施。まさに「駆け抜ける」という言葉がピッタリの2007年だった。

文 / 藤井徹貫

 

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ライブ情報

access 25th Anniversary Christmas in Naeba
double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Heart Mining』をリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


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