Report

世界を、仲間を全力で守る──2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第5幕『Rabbits Kingdom』ゲネプロレポート

世界を、仲間を全力で守る──2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第5幕『Rabbits Kingdom』ゲネプロレポート

2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第5幕『Rabbits Kingdom』が大阪公演を終え、12月7日より東京公演を迎えた。
「ツキウタ。」とは、1月から12月までの各月をイメージしたキャラクターをベースに、それぞれの月に合わせた楽曲と物語で織りなす大ヒットシリーズCDのこと。ツキノ芸能プロダクション所属のアイドルユニット、関東出身のSix Gravity(通称グラビ)と関西出身のProcellarum(通称プロセラ)。兄弟にしてライバルでもある彼ら12人は、東京都内某所のとある寮で共同生活を送りながら、勉強に、仕事に、明るく頑張る、そんな現代ドラマをメインに、それを下敷きにダンスに歌に芝居を織り混ぜたエンターテインメントショーに仕上げた舞台が『ツキステ。』である。第1幕から公演を重ねるごとに時代性のあるディープなテーマを親しみやすく伝え、ライブパートも含めて笑いと涙に溢れた感動作に仕上げていることで話題に。今作で5作品目を迎えた『Rabbits Kingdom(ラビッツキングダム)』は、“if-もしかしたら-”の、ここではないどこかの国の物語。今回はそんなゲネプロ(白兎王国Ver.)に立ち会うことができた。

取材・文・撮影 / 竹下力

ディープなテーマを笑いと涙、歌と演技でみせる

舞台はゴシックな趣の深紅の美しいカーテン。その手前の下手側に椅子が二脚あり、そこで、睦月始(校條拳太朗)と霜月隼(友常勇気)が会話を始めるところから。

日時はとある冬の日。アイドルユニット“Six Gravity”のリーダーである睦月始は、ふらりと入った古書店で、来春、“Procellarum”と合同で出演する舞台『Rabbits Kingdom』の原作本と思しき古書を手に入れていた。

しかし、その本は、タイトルは英語で書かれていたが、内容は見たこともない不思議な言語で記されていた。読めるはずもないのに、始は、文字を目で追えば、そこに描かれた物語の内容が頭に入ってくるのを感じてしまう。それを隼に話していたのだ。

隼は本をさっと読むなり、「……あぁ、これは。ずいぶんと懐かしく愛おしい……違う世界の僕らの物語だ」と優しく微笑み、始に語りかける。まるで母親が子供を眠りにつかせるように。

そう、それが『Rabbits Kingdom』の始まり。

頭にウサギの耳をつけた師走駆(輝山立)が客席から走って登場、世界観をわかりやすく表現しながら“違う世界の物語”の幕を開けると、そこに広がるのは黒兎王国。そして、周りをよく見て気を配る弥生春(仲田博喜)、マイペースだが誰よりも正義感の強い卯月新(竹中凌平)、優しくて謙虚な皐月葵(上仁樹)、明るく楽しく元気な如月恋(横尾瑠尉)が現れる。

彼らは国境の視察をしていた、少しの苦労なら厭わず王国のために命を預ける駆に労いの言葉をかけている。さらにそこに今作のオリジナルキャラクターである兎王国大臣・ラパン(石田周作)が登場。彼は狂言回し的な役割を果たしている。みなウサギの耳をしているが、そんな童話的な世界を豪華絢爛で印象的なヨシダミホの衣装がリアルにみせている。

みな、3日後に迫った王様の在位15周年記念の仮面舞踏会に向け、慌ただしくも平和な日常を送っていた。けれど、黒兎王国をまとめ上げ、いつもクールな王・睦月始が顔を見せたとき、彼が悩みを抱えていることにみんなは何気に気づいていた。ただ、その悩みの正体がわからない。

そんな始は、わずか6歳で王様になり、在位15年を迎えるにあたり、改めて王であることの存在意義を考えていた。これからの国の行く末を。民のことを。それでも世界の安定が続くことを。しかし、彼は王として生きることへの虚しさも抱えていた。

一方、黒兎王国の真裏にあるという白兎王国では、飄々とした性格でどこかつかみどころのない“魔王様”こと霜月隼を中心に、海のようにおおらかでリーダーシップを発揮する王・文月海(土井一海)、口は悪いけれど仲間を誰よりも思いやる葉月陽(鷲尾修斗)、曲がったことが嫌いで強い芯を持つ長月夜(谷佳樹)、繊細な感性の持ち主で王子の水無月涙(佐藤友咲)、みんなの気持ちにすぐ気づく優しい神無月郁(笹翼)が集まっていた。

彼らは、隼の提案により、“ピクニック”と称して白兎王国から黒兎王国に向かおうとする。彼が言うには、世界は白兎と黒兎がひとつになることで成立するらしい。今はまだ真の平和は成立していないのだと。

そして白兎王国の面々が異世界へと旅立ち、彼らの世界も始まっていく。

黒兎王国では、鳥族の女王・カラヴィンカ(五東由衣)、狼族の王・狼炎(鈴木翔音)たちが招待されていた舞踏会が始まっていた。そこへ白兎王国の面々が乱入、始と隼は出会うのだが、そんな中、鼠族の王・ムース(高橋和久)と謎の男(鮎川太陽)が不穏な動きを見せ始めていた……。

平和だった黒兎王国はダークな世界に変わり始める。彼ら12人は果たして、そんな世界を救うことができるのか……。

舞台装置はきらびやかだ。そして何より原作・脚本のふじわらの手腕も優れていた。重たいテーマをいともたやすく料理して客席をぐいぐい引っ張る。野元準也の演出もきらびやかな世界に差し込むダークな一面を光と音楽を巧みに操りわかりやすくみせてくれる。さらに、メインテーマ曲で今作のオリジナル曲である作詞・作曲のじょんが手がけた『Rabbits Kingdom』も、その素晴らしさは聴けばわかるだろう。

生と死、友情、戦争、不安定な世界情勢など深く考えさせるテーマを、ウサギの耳をつけた可愛いキャラクターたちがストレートに、仲間との絆、生きることの大切さをズシンと伝えてくれる。これは2017年という時代性を感じさせてくれるハードな物語でもあるのだが、最後には、心をぎゅっと鷲掴みされる感動的な舞台に早変わりする。そんなダイナミックな物語にぜひ触れて欲しい。

めくるめく歌と踊りのパーティー開演!

ざわざわとする客席、客電が落ち、スポットライトが当たると『ツキステ。』名物のダンス&ライブが始まる。まずは、Procellarumが6人揃い「LOLV-Lots of Love-」を披露。そしてプロセラのメンバーのソロ曲が始まっていく。時にはグラビのメンバーをダンサーとして交え、激しいロッキンなナンバーからダンスナンバー、バラードを展開。ラストはグラビとプロセラ全員で、客席を巻き込んで「ツキノウタ。」をノリノリで披露。ペンライト、うちわで応援するファンとハイタッチをするなど、ライブを最高に盛り上げた。ライブパートだけでも、泣いて、笑って、感動できるはず。

公演はアイア2.5シアタートーキョーにて12月7日~22日まで。今年最高のクリスマスプレゼントになるだろうパーティーの開幕だ。

2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第5幕『Rabbits Kingdom』

【大阪公演】2017年11月30日(木)~12月3日(日)サンケイホールブリーゼ
【東京公演】2017年12月7日(木)~12月22日(金)アイア2.5シアタートーキョー

原作・脚本:ふじわら(ムービック)
キャラクター原案:じく
演出:野元準也(Planet Kids Entertainment)
楽曲提供:じょん

出演:
〈黒兎王国/Six Gravity〉
睦月 始 役:校條拳太朗
弥生 春 役:仲田博喜
卯月 新 役:竹中凌平
皐月 葵 役:上仁 樹
師走 駆 役:輝山 立
如月 恋 役:横尾瑠尉

〈白兎王国/Procellarum〉
霜月 隼 役:友常勇気
文月 海 役:土井一海
葉月 陽 役:鷲尾修斗
長月 夜 役:谷 佳樹
水無月 涙 役:佐藤友咲
神無月 郁 役:笹 翼

(謎の男) 役:鮎川太陽
鳥族の女王・カラヴィンカ 役:五東由衣
兎王国大臣・ラパン 役:石田周作
狼族の王・狼炎 役:鈴木翔音
鼠族の王・ムース 役:高橋和久

〈殺陣アンサンブル〉
山本常文 久保瑛則 今西哲也 杉浦勇一

〈バックダンサー〉
松木里功 kizuku 石井裕貴 ZEN

主催:ツキステ。Rabbits Kingdom製作委員会
(ムービック/Planet Kids Entertainment/アルテメイト)

2.5次元ダンスライブ「ツキウタ。」ステージ第5幕『Rabbits Kingdom』