access 25th Anniversary Special 時空を巡る旅  vol. 8

Column

サイバーでワンダーな『Secret Cluster』。親愛なるAXSクラスターへ贈る7thアルバム。

サイバーでワンダーな『Secret Cluster』。親愛なるAXSクラスターへ贈る7thアルバム。

検証か。回想か。あるいは巡礼だろうか。願わくは、あの頃は見えなかった何かを見つけたい。access25周年スペシャル企画の8回連載。衝撃のデビューから突然の活動休止、待望の再起動から成熟期へ、8枚のオリジナルアルバムを軸に彼らの軌跡を追う。その轍は平坦ではない。真っすぐでもない。だから、胸が高鳴る。さあ、時空を巡る旅へ……。

♯8 7th Album『Secret Cluster』(2012年8月22日発売)

2007年の15周年は、AXSクラスターにとって、ワンダーな1年だった。すでにご存じの方もいると思うが、クラスターとはもともと「房」「集団」「群れ」の意味。転じて、ツイッターなどでは「愛好家」「同好の士」「ファン」の意味でも使われている。

ワンダーな15周年を終えたaccessは、2008年から夏ツアー+ニューシングルが1年間の活動の軸となった。しかし、2009年には、貴水博之が主演するミュージカル『グッバイ、チャーリー』の音楽を浅倉大介が担当するなど、新たな歯車も回り始める。

そして、20周年の2012年、『Secret Cluster』をリリース。冒頭のインストゥルメンタル「vibe cluster」は、サイバネティックスな響き。のこぎり波がパラレルワールド(此岸と彼岸)を仕切る、目には見えない壁を突き抜けてくるようだ。

「Bet~追憶のRoulette~Album ver.」は、浅倉により切り刻まれた貴水の声がイントロから左右のチャンネルを飛び交う。ボーカルの音域がいつもに増して広いものの、濁らない低音が貴水の底力だろう。

いきなり二人のコーラスだけで始まる「Beyond the Second-D.」。“access 20th Anniversary CLUB TOUR 2012-minimum CLUSTER-”の新木場STUDIO COAST公演を観たとき、このコーラスで不覚にもウルッときたのを覚えている。

「Star Tribal」は、重く荘厳。サイバネティックス映画のようだ。修道士の外衣(ロープ)をまとい、フードで顔を隠した秘密結社の構成員たち、いわばクラスターが集う教会。彼らを包むのは鎮魂歌か悼歌か。

ローファイなイントロで始まる「Let me go」。耳に止まるのが貴水のボーカルのキレ。言葉がにじまない。超滑舌。歌のなかで日本語を英語に聴かせてしまう名人は桑田佳祐だが、それとはまったく別の手法で同じ結果を得る術を貴水は会得している。

写真/『access 20th Anniversary TOUR 2012-MEGA cluster-』パンフレットより(撮影 / 田中和子)

「Stand By」は、歌い出しから、いきなりディレイがかかる。つまり、ディレイありきで作曲したメロディーだろう。その点でも、ギターやピアノを弾き語りながらメロディーをつむぐ旧タイプのコンポーザーと浅倉では、常識も文化も違っていることがわかる1曲。

ブレイクビーツ系のリズムと声を加工したラップ、ラップとサビでの別人格の設定など、「ChaOs GrAdatioN」も新たなアイデアが詰めこまれている。ちなみに本作リリースの前年(2011年)より舞台『銀河英雄伝説』に出演していた貴水。劇中では、感情を抑えたミステリアスな役。それを知ってか知らずか、浅倉は貴水に暴れる場所を提供している。

「f☆R☆E☆e」でも貴水の暴れっぷりが加速。デュラン・デュランが新曲として発表しても不思議ではないメロディーとサウンド。いうなればニューロマンティックトランスかニューロマテクノか。

在来線の車窓を流れる景色が従来型作曲家のメロディーだとしたら、「Wild Butterfly Album ver.」のメロディーは、超高速列車(リニアモーターカー)の車窓から見る景色。飛び去る展開。もう1点、忘れてはならないのが、浅倉の天体志向。2010年の小惑星探査機はやぶさの帰還に感動し、翌11年には天体撮影のための望遠鏡など一式を購入するなど、宇宙への傾倒が加速していた時期だ。そうした背景も含んだうえで聴くと、新たな発見があるだろう。

インストゥルメンタル「Secret Dimension」は、浅倉の宇宙志向と重ねると、満身創痍、フラフラになりながら帰還したはやぶさの姿が見えてくる。そう思うと、カットアウトの終わり方が無性にせつない。

本作のなかでは、ボーナストラック的な位置づけの「20th Sincerely」は、二人からのAXSクラスターに向けた感謝の手紙だ。

以上のように20周年でも新たなアプローチを聴かせてくれたaccessは、春のクラブツアーに加え、夏のホールツアー、舞浜アンフィシアターでのデビュー記念日パーティー、苗場プリンスホテルでのクリスマスイベントと、AXSクラスターとワンダーな1年を共有した。

文 / 藤井徹貫

 

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ライブ情報

access 25th Anniversary Christmas in Naeba
double decades+half Christmas Special Live
12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Heart Mining』をリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


【ニュース!】
ニューアルバムインタビューも12月20日(水)に掲載予定。さらに、25周年記念特集「時空を巡る旅」EXTRAバージョンを12月29日(金)に掲載予定。お楽しみに。


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