黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 23

Column

リアルな戦場を描くFPS『コール オブ デューティ』シリーズの過去と現在

リアルな戦場を描くFPS『コール オブ デューティ』シリーズの過去と現在

戦争をテーマにした映画は数多く作られましたが、同様に戦争を題材としたゲームも数多く作られてきました。映画からアイディアを受けてゲーム化されたものや、「どこまでリアリティを表現できるか」というチャレンジ精神で作られたゲームなど多岐にわたり、最近では反戦反核をテーマにしたゲームも登場しています。

1986年にトム・クルーズ主演の『トップガン』がヒットした翌年1987年には、セガ(現:セガゲームス)から『アフターバーナー』、そして『アフターバーナーⅡ』がリリースされました。当時のプレイヤーは『トップガン』を意識して遊んだ人も多かったと思います。
1983年にタイトーからアーケード向けタイトルとしてリリースされた「フロントライン」は、8方向レバーで移動し、ダイヤルスイッチで拳銃・砲塔・手りゅう弾の方向と火器の発射を行うという、当時としては画期的な武器選択システムを採用していて、ボタン操作で手りゅう弾の投擲と車両の乗降が出来るなど、プレイヤーに自由度を与えるゲームでした。歩兵を主人公にしたこのゲームを見ていると、1962年にアメリカでテレビ放送された「コンバット!」が想起されます。第二次世界大戦を舞台にした戦争作品で、ビック・モロー扮するサンダース軍曹と歩兵部隊を中心にした人間の持つ内面を描く、今でも根強い人気を誇るテレビドラマです。

孤独に戦場を生き抜くという一人称のゲームと酷似した映画ですと、1982年公開、シルベスター・スタローン主演「ランボー」が思い出されます。この映画を象徴する孤独・ベトナム戦争・ハチマキ・マッチョというキーワードの系譜として、1985年にカプコンよりアーケード向けタイトルとして「戦場の狼」、そして1986年にSNKよりアーケード向けタイトルとして「怒(IKARI)」がリリースされるなど、戦場を生き抜くキャラクターをプレイするアクションゲームが増えていきます。

時代は変わり、2000年前後から、映画はよりリアルな戦場を描き、ゲームの表現方法も変わってきました。PCゲームの急激なグラフィック性能の向上と家庭用ゲーム機のHD化によって、リアルな描写が可能となり、戦場を描く作品が増えました。そのような時代の移り変わりや背景と共に登場したのが、第二次世界大戦を舞台にした人気ゲーム『コール オブ デューティ』です。

今回は「コール オブ デューティ」シリーズの過去作を振り返りながら、最新作『コール オブ デューティ ワールドウォーII』を紹介します。

ではどうぞ!


一兵卒の視点からリアルな戦場を描く

2003年12月18日にPC向けタイトルとして発売された『コール オブ デューティ』。第二次世界大戦を舞台にしたFPSです。

アメリカ陸軍101空挺師団第506パラシュート歩兵連隊B中隊に所属するマーティン二等兵になりきり、ノルマンディ上陸作戦などの戦場を駆け抜けて行くアメリカ編。
イギリス陸軍第6空挺師団オックスフォードシャー&バッキンガムシャー軽歩兵連隊第2大隊所属のエヴァンス軍曹の視点でトンガ作戦などを戦うイギリス編。
ソビエト連邦第13警備師団の狙撃手として編入されるアレクセイ二等兵を描く、スターリングラード攻防戦などのソ連編。

作戦内容もバリエーション豊かで、単独潜入、戦車戦などプレイヤーを飽きさせないステージが用意されています。これら合計26ミッションをプレイすることが出来ます。

戦場の迫力と緊迫感を演出するため、NPCもまるで生きているかのように戦場を駆け抜けていきます。
初代『コール オブ デューティ』ではプレイヤーの自動回復がないため、戦場で回復アイテムを拾いにいくという独特の緊迫感がありました。これら演出面とシステム面で、プレイヤーに第二次世界大戦という極限状態を追体験させるゲームとして初登場したのです。

しかし当時は、高い表現力を実現するために要求されるパソコンのスペックが高く、快適に動作させるためのCPUパワー、グラフィックボード性能、対応するサウンドカードなどを考慮すると、高額なパソコンを用意する必要がありました。店頭で最新パソコンの購入をためらったユーザーも多かったのではないでしょうか。

※画像は『コール オブ デューティ ワールドウォーII』のものです。

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