LIVE SHUTTLE  vol. 221

Report

THE YELLOW MONKEY、17年ぶりの東京ドームで完全復活!「ロックンロールし続けたい」と新作制作も宣言

THE YELLOW MONKEY、17年ぶりの東京ドームで完全復活!「ロックンロールし続けたい」と新作制作も宣言

THE YELLOW MONKEYが、約17年ぶりとなる東京ドーム公演にて完全復活を果たした。12月9日、10日の2デイズ行われた本公演では、約10万人を動員。「SPARK」「JAM」「BURN」など数々の名曲を放ち、変わらぬ存在感で圧倒してみせた彼らのパフォーマンスをレポート。

取材・文 / 平山雄一 写真 / KEIKO TANABE

THE YELLOW MONKEYの勇姿を見る

ついにTHE YELLOW MONKEYが東京ドームに帰ってきた。

2デイズを即ソールドアウトして活動再開後のパワーアップを音楽シーンにアピールしたが、そのムーブメントの本領はもちろんライヴ自体にある。ドームでどんなライヴを見せてくれるのか──。“超”の付く満員のオーディエンスが、メンバーの登場を待っていた。

東京ドームのアリーナ部分には、メインステージの左右からランウェイが円形に伸びていて、その中央に大きな白い卵型のバルーンが置かれている。まさに“ビッグエッグ”というわけだ。円形のランウェイに囲まれた“ドーナツの穴”部分にも、オーディエンスがぎっしり詰めかけて開演を待っている。

秒単位でカウントダウンを続ける大型スクリーンの数字がゼロに近づいていく。“10”を切ったところで会場中が数字をコールし、ゼロになったとき、白い卵にヒビが入って、中から何者かの目がのぞき、殻が割れると、中から吉井和哉(vocal, guitar)、EMMA(菊地英昭 / guitar)、HEESEY(廣瀬洋一 / bass)、ANNIE(菊地英二 / drums)が現われた。

その場で「WELCOME TO MY DOGHOUSE」の演奏が始まる。アリーナの中に設けられたステージなので、普通ならライヴ中盤にアコースティックセットを行うような位置にある。まさかここからライヴをスタートさせるとは思っていなかったオーディエンスたちは、身近に見える4人に、瞬時に熱狂する。「WELCOME TO MY DOGHOUSE」がインディーズ時代の楽曲だということを考えると、まるでライヴハウスでの初期のTHE YELLOW MONKEYの勇姿を見る想いがする。

「自由がここにありました!」と叫ぶ

ワンコーラスを歌い終わった吉井は、オーディエンスにハンドクラップを誘い、後ろを振り返って“ドーナツの穴”にもエネルギーを送る。続いては「パール」。「不自由と嘆いてる自由がここにある」という歌詞を変えて、「ここにありました!」とドームで叫ぶ吉井に、会場中が大歓声を上げる。そのほか、「夜よ負けるなよ 朝に負けるなよ」というフレーズなど、吉井はこのライヴの場に、鋭い言葉をひとつひとつ突き刺していく。僕は「これは、リリックが大きな意味を持つライヴになる」と予感したのだった。

2曲が終わると、吉井とHEESEYは向かって左側のランウェイを、ANNIEとEMMAは右側のランウェイを、ゆっくり歩いてメインステージに向かう。この“間”が、オーディエンスの熱狂をさらに高める。待ちに待ったTHE YELLOW MONKEYと、やっと再会できたファンも多いだろう。いきなり至近距離に現われた彼らを、実感を持って認識するには時間が必要だ。歩くメンバーに拍手を贈りながら、オーディエンスは胸の高鳴りを自分のモノにしていくようだ。

メインステージでの1曲目は、今年発表された「ロザーナ」だった。イントロの重厚なピアノが流れると、ひときわ高い歓声が上がる。吉井はタンバリンを鳴らしながら、「トーキョー、最高の夜にしようぜ!」と挨拶する。次の「嘆くなり我が夜のFantasy」では、EMMAの鋭いギターのコードカッティングに「憂いのナイフでひと思いに」という耽美的な歌詞が、よく似合っている。ドームサイズで耽美を表現できるバンド、それがTHE YELLOW MONKEYだ。

「会いたかったです!」と吉井が叫ぶと、会場から大歓声が返ってくる。「たまらんね、もう一回、聞きたい」と吉井。「今日も超満員。最高です。昨日でだいぶ勝手が掴めました。2日目のTHE YELLOW MONKEY、最高の夜にしよう」。

ここからメインステージでの彼らの快進撃が始まった。ハードなギターリフが引っ張る「TVのシンガー」のあとの「SPARK」で、吉井は「目眩がするほど抱き合って」という歌詞をセリフのように歌って、オーディエンスをTHE YELLOW MONKEYの世界に引きずり込む。そのケタはずれの表現力に、会場中が酔っていく。

「真珠色の革命時代 ~Pearl Light Of Revolution~」ではステージ背後のスクリーンが全開になり、地平線に壮大な夕焼けを映し出す。スクリーンの前には大編成のストリングスが現われ、音楽と映像のコラボをさらにドラマチックに彩る。映像はやがて日没を迎え、ドームに星空が広がった。

自信に満ち溢れる“THE YELLOW MONKEYの今”

ランウェイから始まったライヴは、メインステージに移り、スクリーンの稼働が全開になったところで、第3段階に入った。この秋の3ヵ月連続配信リリースの第2弾となった「Stars」が、その幕開けを告げる。2人の女性コーラスも加わって、アップデートされたTHE YELLOW MONKEYの全貌が明らかになる。解散前の曲ももちろんいいのだが、最新のTHE YELLOW MONKEYもビビッドなグルーヴが炸裂して楽しい。右側のランウェイにはEMMAが、左側にはHEESEYが展開していく。吉井越しにスクリーンに映るANNIEの笑顔がすがすがしい。

そして、この最新曲のあとに、2ndアルバムの代表曲「SUCK OF LIFE」を持ってくるあたり、自信に満ち溢れる“THE YELLOW MONKEYの今”が感じられて、頼もしかった。

「楽しんでますか? 僕がここで観た初めてのロックコンサートは、デヴィッド・ボウイでした。HEESEYと一緒に観に来たんだけど、THE YELLOW MONKEYがこのメンバーになったばかりの頃で、こんなでっかいところでやるのは俺たちには無理って思ってた。それが、みんなに愛してもらって、ここでやって、それから17年も経って復活ライヴをやれるなんて。しかも2デイズ! メンバーを代表して、お礼を言わせてください。どうもありがとう! これからもメンバーとファンたちと、ロックンロールし続けたいと思います。一緒にこの曲を歌いましょう」と言い、ピアノをバックに「バラ色の日々」を歌い出す。背後のスクリーンは4分割になって、この名曲を演奏するメンバーそれぞれの幸せな表情を映し出す。ここから怒濤のセットリストが始まった。

「太陽が燃えている」で吉井は、スクリーンに映る炎を振り返って「メンバーが燃えている~、いや、焼けてる~」と会場を笑わせ、「ROCK STAR」では「君たちがロックスター!」と会場に感謝を表す。メンバーも、ステージ上のカメラに迫ったり、パフォーマンスも絶好調だ。

そもそも吉井がTHE YELLOW MONKEYというバンド名を付けたのは、「ダサくてシニカルなものにしたかった」からだったという。実際、彼らはカッコいいとダサいのギリギリを走り、正気と狂気の境目を渡り歩いてきた。この日の演出も、ベタな部分とクールな部分がせめぎ合って、本当にTHE YELLOW MONKEYらしいライヴが繰り広げられている。

「LOVE LOVE SHOW」で吉井が「おねえさん……」とお約束の言葉をコールすると、ランウェイに“世界の美女”が登場して、吉井は彼女たちと絡みながら練り歩く。このシーンに全オーディエンスは、大爆笑。そのオーディエンスたちは、復活後、初のシングル(カップリング)となった「ALRIGHT」で「今夜 準備ALRIGHT!」と、吉井と一緒に大声で歌う。

この熱い歓びに満ちたシンガロングを聴いていて、思うことがあった。ファンたちは彼らの曲を歌うのが、本当に好きなのだ。ちょっと変態なところがあったり、へそ曲がりだったり、イケズだったりしても、THE YELLOW MONKEYに共感しながら歌い続けてきた。この日、東京ドームは“巨大なカラオケボックス”と化していた。このレポートの冒頭で「歌詞が重要なライヴになる」と書いたが、歌を信じるTHE YELLOW MONKEYによって作られたセットリストは、そのままオーディエンスが歌いたい曲の流れになっていた。だから、彼らの曲が、オーディエンスの歌が、心に深く響いた。

これからは、今まで日本になかったバンドになっていく

「再集結をたくさんの人に祝福してもらって、幸せな2年間でした。だから、さらなるチャレンジをしていかなければと思ってます。このドームも大事なミッションで、なんとか成功できたと思います。そして最大のミッションは、我々のニューアルバムを作ることです。この2年間の活動で、やりたいことが明確になっていった。来年、レコーディングに入ります。これからは、今まで日本になかったバンドになっていこうと思ってます。それでは、ドームで歌うのが大好きな曲を、(ここにいる)ひとりひとりに歌います」

ギターのアルペジオのイントロで、「JAM」だとわかると、この日いちばんの大きな拍手が巻き起こった。「暗い部屋で一人~何か始めようと」と想いを込めて歌い出した吉井は、マイクから口をはずして「Yeah!!」とシャウトする。その気合いに、場内がピンと張り詰める。90年代屈指の名バラードが、ドームの隅々にまで沁みていく。HEESEYが美しくうねるベースラインを弾く。吉井がオーディエンスに歌うように促す。5万人の大合唱に吉井が聴き入る。そして、エンディングで吉井は、ANNIEの打ち鳴らすシンバルの前に立ち尽くしていた。

彼らの個性は、オーディエンスたちの人生を彩っている

配信リリース第3弾の「Horizon」のアニメーション映像が流れ終わるとすぐにメンバーが再びステージに戻り、「SO YOUNG」が、サポートの鶴谷崇の弾くピアノから始まった。1999年にリリースされたこの曲が、なぜか最新曲「Horizon」と繋がっているように聴こえる。それがTHE YELLOW MONKEYの“今”なのだろう。また、終盤をほとんど休むことなく歌った吉井の声に、まったく疲れがないことにも驚かされる。

さらに、「砂の塔」、「BURN」と進む。最後の最後は「悲しきASIAN BOY」だった。この3rdシングルで彼らは、音楽シーンに躍り出た。J-ROCKという言葉が使われ始めた1994年、この曲は“異様なロックバンド・THE YELLOW MONKEY”をシーンに強く印象付けた。その曲を5万人が歌う光景は、やはり異様だった。が、THE YELLOW MONKEYの個性は多くのファンに受け入れられ、オーディエンスたちの人生を彩っていることも確かなことだった。

果たしてどんなニューアルバムを聴くことができるのだろう。THE YELLOW MONKEYのこれからがますます楽しみになった。

THE YELLOW MONKEY SUPER BIG EGG 2017 2017.12.10@東京ドーム SET LIST

M01. WELCOME TO MY DOGHOUSE
M02. パール
M03. ロザーナ
M04. 嘆くなり我が夜のFantasy
M05. TVのシンガー
M06. サイキックNo.9
M07. SPARK
M08. 天国旅行
M09. 真珠色の革命時代~Pearl Light Of Revolution~
M10. Stars
M 11. SUCK OF LIFE
M 12. バラ色の日々
M 13. 太陽が燃えている
M 14. ROCK STAR
M 15. MY WINDING ROAD
M 16. LOVE LOVE SHOW
M 17. プライマル。
M 18. ALRIGHT
M 19. JAM
M 20. SO YOUNG
M 21. 砂の塔
M 22. BURN
M 23. 悲しきASIAN BOY

THE YELLOW MONKEY(ザ・イエロー・モンキー)

吉井和哉(vocal, guitar)、菊地英昭(guitar)、廣瀬洋一(bass)、菊地英二(drums)。1989年12月から活動。1992年5月にメジャーデビュー。2001年1月8日@東京ドームでの公演終了後、活動を休止。休止状態のまま、その後2004年に解散を発表。 2016年1月8日に16年ぶりのツアー〈THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016〉を発表し、再始動。2017年は5月にセルフカバーベスト『THE YELLOW MONKEY IS HERE. NEW BEST』をリリースしているほか、配信楽曲「ZIGGY STARDUST」「Stars」「Horizon」を発表。また、2016年のツアーに密着した映画『オトトキ』も全国公開された。
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