LIVE SHUTTLE  vol. 1

Report

7!!(セブンウップス) KAAT神奈川芸術劇場2015.11.29

7!!(セブンウップス) KAAT神奈川芸術劇場2015.11.29

2015年11月29日、KAAT神奈川芸術劇場にて「7!!のうぷぷなツアー2015~でーじ、ごぶさーたーあんだぎー!!~」ツアーファイナルが開催された。来年、デビュー5周年を迎える7!!のライブはメンバー4人4様にそれぞれ表現力も格段に成長し、進化が感じられた。

SME_1007

ステージからフワーッと差し込むライトカーテンに誘われるように、観客は待ちきれない様子で一斉に立ち上がった。流れてきたのは、7!!がライブのオープニングSEとしてずっと使い続けているあの曲。Mystic Diversionsの「The Winter’s gone」だ。これを聴くと、みんなワクワクが止まらなくなるのだろう。黒を基調にしたシックないでたちのメンバーがバックライトに照らされて登場すると、拍手とともに「オーッ!」という声が上がった。カラフルなコスチュームがトレードマークだったが、この日はちょっと違う大人モードの7!!。

昨年、結成10周年記念ツアーを敢行し、初の渋公を実現させた彼らが、約1年ぶりに臨むツアー「7!!のうぷぷなツアー2015〜でーじ、ごぶさーたーあんだぎー!!〜」のファイナルは、11月29日(日)、定番の地である故郷・沖縄ではなく、横浜はKAAT神奈川芸術劇場で行われた。その1曲目は、渋公での感動のラスト・ナンバー「スタートライン」だった。いやもうそのときとは比べものにならないほど、演奏の安定感が格段に増していている。今年になって「オレンジ」や「センチメートル」といった本格的なバラードに取り組んだ甲斐もあったのだろう。細かいツボまで押さえたバンド・アンサンブルへと、見事に進化を遂げていた。

「恋のレシピ」や「君だけのストーリー」といった、ちょっとフォーキーな小品的ナンバーを、余裕で楽しむ姿も頼もしい。後のMCでKEITAは、胸に抱えた自慢の相棒を「1964年製のヴィンテージです。彼は51歳」と紹介したが、そのぶっとい音で軽快に刻まれたウォーキング・ベースは、めちゃくちゃ抜けもよく、気持ちよかった。

「みんな、楽しんでますかー?」というMAIKOのアニメ声にクスッする客席。緊張がほどけたところで、NANAEが「新曲もいっぱい持ってきました」と今宵の意気込みを語った。その言葉通り、まだライブではレアな「アオイハナビラ」。本田翼、東出昌大主演で話題となった映画『アオハライド』のコンピに収録された曲だ。まったく初めて聴く「YES or NO」は、今までにないミステリアスなムード。そのままマイナー系で「さよならメモリー」へとつないだ。佇まいにギタリストとしての風格さえ感じられるようになったMICHIRU。レスポールで奏でるソロには、今まで見たことのないパッションが漂っていてカッコよかった。

SME_0683

メンバーの仲のよさが醸し出すハッピーなバンド感が、もともとの7!!の魅力だが、演奏力が上がるのと並行して、彼らが書く楽曲のよさをきっちり作品として聴かせる方向へと制作がシフトしていった。ツアー・サポートにキーボードが加わったことも、楽曲をよりいいカタチで届けるという意味で吉と出ていた。MCでそのサポメンのおーちゃん(大坂孝之介)が紹介され、「虹色」へ。MAIKOの力強いロールで始まった「Please Please」は、楽器隊3人のコーラスも抜群だった。キュートな「Myダーリン」では、シャッフルを叩くMAIKOのやわらかい手首の軌跡に見とれてしまった。

ここで、男子ふたりによるお約束のぐだぐだコーナー「KEITAとMICHIRUのフリートーク」。これまでのライブでは「うちなー口講座」だったのだが、ネタが尽きたということで、ふたりが半ば強制的に歓声をもらうための小芝居に路線変更(?)。これが案外面白くて、いい箸休めとなった。

中盤はじっくりとバラードが3曲続いた。デビュー当時からずっと温めてきて、ようやくリリースにこぎつけた名曲「センチメートル」は、まるまる1コーラス分ピアノとNANAEのみ。情感あふれる歌声に耳がどれだけ幸せになったか。その感覚はメンバー3人の音が加わってなおさら強くなった。「横顔」でも「オレンジ」でもそう。歌詞の景色が本当に見えてくる。性格的に意外と控えめなNANAEだが、今回は私が引っ張っていくという気概がみなぎっていた。今年春からtvkの「sakusaku」のメインMCを務めるようになり、ボーカリストとしての意識にもいい変化が出てきたのかもしれない。

SME_0161

ライブ後半は、その「sakusaku」のオープニング曲「メロディ・メーカー」から。「みんなでライブを作っていきたいです」と、人懐こい笑顔でNANAEは手拍子を煽った。デビュー当時からのお馴染みのナンバー「ラヴァーズ」、初めて聴くマイナー系の「HARU」とアップ曲が続く。興奮した客席から「ウォーッ!!」という声が上がるや、今度はMAIKOのドラムがたたみ掛けて「愛の言葉」。観客のワイパーをフロントの3人がまぶしそうに眺めている。「もっともっと」と、沖縄でオンエアされているメンバー出演のオリオンビールCM曲「世界を回せ!! 」では、会場もライトに照らされてタオル回しの大熱狂。抜けるような空が浮かぶ爽快な青春曲「スウィート・ドライヴ」まで、ステージも客席も一体となって走り抜けた。

「1年のブランクがあって緊張したけど、みなさんの笑顔のパワーをもらって、心から音楽やっててよかったと感じました」とNANAE。本編最後をしめくくったのは、ちょっとせつない「ノスタルジア」だった。やわらかい声がキュンと胸に響く。ああ、全員がそれぞれの仕事に集中し、誇りを持って7!!サウンドを作り出せるようになったんだなと、充実感いっぱいの表情で音を味わい、奏でる4人を見て思った。

アンコールは、卒業ソングとして書かれた「この広い空の下で」から始まり、7!!が高校生でその後の運命を決めたコンテスト優勝曲「サンライト」、女子高生人気に火がついた「弱虫さん」と続き、「最後はやっぱりこの曲」と「バイバイ」。気持ちを伝えたいのに伝えられないというちょっともどかしいストーリーが、7!!の醍醐味だなぁとつくづく思う。

メンバーもみんな、歌の主人公と同じくある意味不器用だ。でも、そのドンくさいほど真っ直ぐな人柄が、いまや7!!の強み。迷いながら、つまづきながら成長するさまを、自ら楽曲に落とし込んでいけるソングライティング力を、4人は持ち合わせているからだ。いつもの沖縄ではなく、「sakusaku」の「地元」横浜でツアー・ファイナルをやったのは、デビュー5周年を迎える来年、一大飛躍を狙っていくぞ! という覚悟の現れだったのかも。後味、実にスッキリ爽快なライブだった。

SME_1559

Text:藤井美保

7!!(セブンウップス)

高校時代、同い年のNANAE(Vo)、MAIKO(Dr)、MICHIRU(G)、KEITA(B)により結成された沖縄在住の4人組バンド。バンド名の由来はNANAEの名前を「7(ナナ)」と「エッ!!」に分け、それぞれ英訳した「seven」「oops」をつなげたもの。2011年4月に映画「高校デビュー」の主題歌『フォーリン・ラブ』でメジャーデビュー。2013年3月には1stアルバム『ドキドキ』を発表し、6月から全国10カ所を回るワンマンツアー「7!!のうぷぷなツアー2013~ドキドキ~」を開催。2014年8月に2ndアルバム『STARTLINE』をリリースし、同8月には東京・渋谷公会堂にてバンド初のホールワンマン公演を実施。そして2015年2月にTVアニメ「四月は君の嘘」エンディングテーマとなった10thシングル『オレンジ』で幅広い層の共感を集めロングヒットを記録、10月にはデビュー前からの人気曲『センチメートル』を11thシングルとしてリリースしている。

オフィシャルサイト http://7oops.com/

7!!のうぷぷなツアー2015~でーじ、ごぶさーたーあんだぎー!!~ セットリスト


1.スタートライン
2.恋のレシピ
3.君だけのストーリー
4.アオイハナビラ
5.Yes or No
6.さよならメモリー
7.虹色
8.Please Please
9.Myダーリン
10.センチメートル
11.横顔
12.オレンジ
13.メロディ・メーカー
14.ラヴァーズ
15.HARU
16.愛の言葉
17.世界を回せ!!
18.スウィート・ドライブ
19.ノスタルジア

E1.この広い空の下で
E2.サンライト
E3.弱虫さん
E4.バイバイ
vol.1
vol.2