LIVE SHUTTLE  vol. 222

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access25周年のメモリアルライブ。感謝と祝福、 そして感動に満ち溢れた舞浜の夜をリポート。

access25周年のメモリアルライブ。感謝と祝福、 そして感動に満ち溢れた舞浜の夜をリポート。

access 25th Anniversary double decades+half Special SYNC LIVE 1125/1126
2017年11月26日 舞浜アンフィシアター

浅倉大介は言った。「accessはメビウスの輪みたいだね。1+1=∞の∞はメビウスの輪にも見えるよね」。

ここに一本の長方形の帯があるとする。片面がアナログ、片面がデジタルとしたら、お互いが交わることはない。パラレルワールド。ところが、片方の端を180度ひねり、もう一方の端と貼り合わせたら……。アナログとデジタルの境がなくなり、お互いを行き来できるようになる。片面が浅倉、片面が貴水博之としても同じだ。

だから、僕らは、accessという名のメビウスの輪を走っているのかもしれない。ただし、アルバムやライブ、シングルやイベント、その都度、乗り物が変わる。ときに『スター・ウォーズ』のタイファイターのようであり、ときにガンダムのモビルスーツのようであり、ときに映画『トロン』のライトサイクルのようでもあるメカに搭乗する。このめくるめくエクスペリエンスがaccessだ。

2017年。デビュー25周年を迎えたaccess。舞浜アンフィシアターにて“access 25th Anniversary double decades+half Special SYNC LIVE 1125/1126”が行われた。浅倉は、その両日をこう振り返った。「accessには大切なメモリアルデーが2日あって。デビュー前日に原宿ルイードで初ライブをやった日とデビュー日と。その大切な日に、25年経っても、大切な人たちと時間と思い出を共有できたのがなによりうれしかったです」。

ライブ2日目の11月26日。デビュー記念日のメモリアルデー。ステージのLEDにライブシーンが映し出された。過去から現在へと、怒涛の回想。と思ったら、「LOOK-A-HEAD」に乗り、回想がリワインド。時空の壁か、あるいはパラレルワールドの境界か、薄く透明な何かが割れる音が響き、光の中、二人がせりあがる。「SWEET SILENCE」。エイジレスというべきか、サイバネティックスの領域に踏み込んだというべきか、あの頃、少年の面影を残していた浅倉は、電脳妖精となり降臨。あの頃、貴公子だった貴水は、キングの風格を漂わせつつステージに立った。

「VIRGIN EMOTION」では、王冠をかたどったライトペンが会場を染める。宇宙空間で瞬く星光だ。円形のステージに向かって放たれた一つひとつの光が大きなかたまりになって浅倉と貴水を染める。その二人の背後には、息を潜め、呼び覚まされるときを待つ5段積みのモーグ・モジュラー・シンセサイザー。ダースベーダーにも勝るとも劣らない存在感。

短い挨拶を挟み、「CATCH THE RAINBOW」へ。シンセブースがステージ中央に滑り出し、ステージ前方にマイクスタンド。いつものコンサートホールとは違う、特殊な形のステージでも、1mmの不安も感じさせない貴水。七色のライトが彼らをサポートした。20周年を飾った「Beyond the Second-D.」は、何度聴いても、どのタイミングで聴いても、胸が熱くなる1曲。その熱くなった胸に去来した思いは、あの頃が最高だったと思わせない25周年だから素晴らしい、ということ。何年経っても、今がベストなのがaccessだ。

胸にかざした腕を斜め上に掲げるシンプルなアクションだが、もうそれなしでは曲が物足りないかもと思ってしまうほど、音楽とアクションが一心同体になっている「Let me go」。貴水がモンローウォークみたいに腰をくねらせ、ステージを歩き回る。コミカルだけどセクシー。セクシーだけど湿っていない。これもHIRO STYLE。

妖しいイントロが流れる。「SILVER HEART」。シンセブースがステージ後方へ退き、浅倉と貴水がステージ中央へ。シンクアクション。が、これにも裏話があった。終演後のステージ裏での会話によると……。

浅倉「あのフォーメーションは、コリオグラファーの方にお願いしたんだけど、やっぱりHIROはすごい。ユニットを組んだ相手がHIROで良かったと、また再確認しました。というのは、僕の様子を見てくれていて。ここはもうこれでいいんじゃないですかと、コリオグラファーの方にアドバイスしてくれて」

貴水「大ちゃんは、ライブのアレンジとかもあるし、アルバムのレコーディングも佳境を迎えていたから、これ以上やると、いっぱいいっぱいになるなと、見ていてわかったから(笑)」

浅倉「それでも家で半身浴しながら、一人で復習したよ(笑)。イメージトレーニングって大事だね。ひたすら体を動かせばいいってもんじゃないんだね」

貴水「そうそう。頭で整理してからじゃないとね」

しかも、回転式の舞台も、意外と難易度が高いらしい。

貴水「スモークが出て、回転していると、一瞬自分がどっちを向いているのか見失うことがあるんですよ。だから、どこから見られてもいいようには心がけていました」

その心がけが、この日の貴水のキング感の正体だったのかもしれない。

ニューアルバム『Heart Mining』収録曲「Discover Borderless」で序盤を締めたあとは、原宿ルイードでのライブを含むお宝映像満載の〈access Channel〉。

続いて、浅倉のピアノと貴水のボーカルをサポートする、20周年のときにも参加したバイオリンの雨宮麻未子が登場。「LOVING YOU」から「Shadow over the world」へと、ストリングスの役割が大きくなっていく。ピアノとボーカルを包むストリングスアレンジは彼女の手によるものらしい。

MCになると、浅倉に笑いの神が降臨。椅子から立ち上がろうとしたとき、衣装が椅子に引っかかり、またペタンと椅子に座ってしまった。タキシード風衣装で、ストリングスを従え、格好つけてもいい場面だったのに……。ああ、神様って気まぐれ。

access唯一のミニアルバムに収録されている冬バラード「Bright Sight」から、完全に意表を突かれた「愛の鐘 ~ラ・カンパネラより~」へつなぐ。TVアニメ『クラシカロイド』挿入歌だ。かねてより同番組の音楽に携わっている浅倉がボーカルを貴水に依頼。二人がそろえばaccessのはずが、accessとはどこか違う質感。歌い終わった貴水が言った。「25周年にもなると、こういう表現もあるんだね」。

クリスマスバラード「I SING EVERY SHINE FOR YOU」も、ストリングスと共演。この日の雨宮のツイッターにはこう書いてある。『貴水さんの呼吸や浅倉さんの指の先、全身から発する気を逃さない様にアンテナ張りまくりで演奏中「行くぜ!」「おっけー!行くぜ!」という見えないけど導かれるものがぴったり寄り添った時は弾きながら泣けました』。そして、「1000年の誓い」は、貴水と客席のデュエット。歌と演奏が終わると、観客は二人へ、二人は観客ひとりひとりへ拍手を送った。

15分間の休憩を挟み、ついにモーグ・モジュラー・シンセサイザーが覚醒。ライブ初日の前夜も、浅倉がわざわざ具合を確かめに舞浜まで出向いたモンスターの登場だ。

90年代にaccessが残した大作を一気に披露。「SEQUENCE MEDITATION Ⅰ」「DRASTIC MERMAID」「SCANDALOUS BLUE」「SEQUENCE MEDITATION Ⅱ」「TEAR’S LIBERATION」「SEQUENCE MEDITATION Ⅲ」。これは94年の“SYNC-ACROSS JAPAN TOUR ’94 DELICATE PLANET ARENA STYLE”の再現。しかし、単なる再現ではない。

当時、アナログシンセサイザーを持っていなかった浅倉がデジタルを駆使してアナログシンセサイザーサウンドを作ったのが組曲「SEQUENCE MEDITATION」。90年代のテクノロジーで70年の音を蘇らせたわけだ。それから20余年の時が経ち、浅倉はモジュラー・シンセサイザーを手に入れる。あの頃、やりたくてもできなかった演奏がここで実現。再現だが初演。過去のようでもある現在、未来のようでもある現在、未来のようでもあった過去、過去のようでもあった未来……。浅倉は言った。「まさか「SEQUENCE MEDITATIONをモーグで弾ける日が来るとは……。それこそ25年前は思ってなかったから。過去と現在と未来がメビウスの輪でつながりました」。

「MOONSHINE DANCE」からはラストスパート。インフォメーションなしに放たれた新曲「Tragedy」では、シンセブースが再びステージ中央へ。スタンドに設置してあったシンセを高々と持ち上げたかと思ったら、さらに高く投げ上げる浅倉。フロントマンとして、あるいはキングとして、常にステージセンターを意識している貴水。叙情的な歌詞とセンチメンタルなメロディーだが、リズムは凶暴だ。重低音がドカンドカン鳴り響く。

20周年のとき、同じ舞浜アンフィシアターで観客のコーラスをレコーディングした「We’ll」。貴水が客席に呼びかける。「皆さんの美しい歌声を聴かせてください」。♪We are the only one…。コーラス、ボーカル、シンセサイザーの三位一体。そう、このWeはaccessと観客のこと。全員でひとつだ。まさにOnly one。本編の締めは、最新シングル曲「Knock beautiful smile」。紙吹雪が舞う。その一片一片が輝き、色を放ち、光になる。歌詞にある♪繋ぐyoヒカリと重なる。

3時間の本編に続き、アンコールに突入。25年前の原宿ルイードの映像を見ながら、浅倉と貴水が25年前の自分たちに突っ込んだり、あの頃を解説したり……。「おい、大事なのは、どれだけ腰が振れるかじゃないだろ! もっと歌に集中しろ!」と、25年前の自分を叱ったのは貴水(笑)。

締めは、やはり「LOOK-A-HEAD」。客席は笑顔満開。ステージを駆け回る二人も笑顔満開。浅倉の笑顔には、あの頃の少年の面影が宿り、貴水の笑顔は貴公子のように輝いていた。

このステージを振り返り、貴水が言った。「あの2日間の、あの場所の空気は澄んでいました。みんなのおかげです。だから、メモリアルデーがさらに思い出深い日になりました」。

まだまだaccessという名のメビウスの輪を走り続けたい。まだまだ走り足りない。すでに次の乗り物はスタンバイされている。それが『Heart Mining』。26年目もぶっ飛ばしたい! そう思った4時間だった。

取材・文 / 藤井徹貫 撮影 / 田中和子(CAPS)

access 25th Anniversary double decades+half Special SYNC LIVE 1125/1126
2017年11月26日 舞浜アンフィシアター

SET LIST

01. SWEET SILENCE
02. VIRGIN EMOTION
03. CATCH THE RAINBOW
04. Beyond the Second-D.
05. Let me go
06. SILVER HEART
07. Discover Borderless
08. LOVING YOU
09. Shadow over the world
10. Bright Sight
11. La Campanella
12. I SING EVERY SHINE FOR YOU
13. 1000年の誓い
14. SEQUENCE MEDITAION Ⅰ
15. DRASTIC MERMAID
16. SCANDALOUS BLUE
17. SEQUENCE MEDITAION Ⅱ
18. TEAR’S LIBRATION
19. SEQUENCE MEDITAION Ⅲ
20. MOONSHINE DANCE
21. Tragedy
22. We’ll
23. Knock beautiful smile
ENCORE
01. LOOK-A-HEAD

ライブ情報

access 25th Anniversary Christmas in Naeba
double decades+half Christmas Special Live

12月23日(土) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム
12月24日(日) 苗場プリンスホテル ブリザーディウム

access

浅倉大介(プロデューサー)/貴水博之(ボーカル)からなるユニット。1992年11月26日、「VIRGIN EMOTION」でデビュー以来、「MOONSHINE DANCE」「夢を見たいから」などヒット曲を連発。1994年には、3rdアルバム『DELICATE PLANET』でオリコン初登場1位を獲得し、その年の『NHK 紅白歌合戦』にも出場する。1995年、一旦活動休止をするが、2002年、access再始動。以来、毎年全国ツアーを実施、シングルやアルバムもコンスタントにリリースし、精力的に活動している。デビュー25周年のアニバーサリーイヤーとなる今年も、9月13日にベストアルバムをリリース後にホールツアーを開催。12月20日には約5年ぶりとなるオリジナル・フルアルバム『Heart Mining』をリリースする。

オフィシャルサイトhttp://www.access-web.jp


【ニュース!】
ニューアルバムインタビューも12月20日(水)に掲載予定。さらに、25周年記念特集「時空を巡る旅」EXTRAバージョンを12月29日(金)に掲載予定。お楽しみに。


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