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『ファイアーエムブレム無双』における『無双』らしさとは?

『ファイアーエムブレム無双』における『無双』らしさとは?

前回の記事に引き続いて、『ファイアーエムブレム無双』(以下、『FE無双』)についてアレコレと語っていきたいと思う。前回は『FE無双』における『ファイアーエムブレム』(以下、『FE』)らしさについてアレコレ語ってみたわけだが、今回はもうひとつのほう……そう、本作について語るのであれば、”『無双』シリーズらしさ”についても記しておかなければならない。コーエーテクモゲームスの看板タイトルのひとつとして君臨する『無双』シリーズを紐解いていくと、『FE』とのコラボは必然だったのかもしれないと思えてくるから不思議だ。

2017年12月21日から2018年3月にかけて、ダウンロードコンテンツで新キャラクターなどさまざまな要素が追加される『FE無双』を、いま一度チェックしてみたいと思う。

文 / 松井ムネタツ


画面上にたくさんのキャラを出せるゲーム機の登場

いきなりで恐縮だが、たまに「テレビゲームの面白さは、ゲーム機のハード性能とは関係ない」なんていう意見を耳にする。これは昔のゲームのほうがよかった的な意見の際によく出てくるものだ。テレビゲームはアイディアが命であり、そのアイディアを表現できるならグラフィックとか関係ない、というものだ。もちろんそういうアイディアのゲームもある。「ゲーム機のハード性能とは一切関係なく、このゲームアイディアこそ普遍的でいつまでも面白い!」というのもあるだろう。

だがちょっと考えてほしい。”テレビゲーム”なんだよ? と。機械で動かすゲームなんだから、ハードウェアの性能のいいほうが表現力が高まり、面白いゲームが生まれる可能性が格段に上がるではないか。「こんなにグラフィックがキレイになっちゃうと、これ以上はもう必要ないよねー」なんて意見も、ハードが進化するたびに言われたが、新しいハードに触れてしまうともう後戻りはできない。そのくらい圧倒的な差がある。

▲こうしたイベントシーンは、ゲーム機のハード性能のアップとともに実現できるようになった

たとえば、「一度にたくさんのキャラを出したい!」というゲームを考えたとしよう。画面を埋め尽くすほどのキャラが、わらわらとプレイヤーを狙ってくるようなものだったとして、これはファミコンでできるかというと、やはり難しい。ファミコンの場合、16×16ドットのキャラが1画面内に16個まで、水平(横)方向には4個までという制限がある。‘80年代にこのアイディアを実現したいと思っても、ハードウェア的に実現困難だった。

▲携帯性も兼ね備えたNintendo Switch™だが、それでもグラフィックの表現力はかなり高い

さて、ここで『無双』シリーズの話に戻そう。『真』が付かない元祖『三國無双』は対戦格闘ゲームだったというのは有名な話だ。『三國無双』が登場した1997年ごろと言えば、『バーチャファイター3』(セガ)、『鉄拳3』(ナムコ [現バンダイナムコエンターテインメント])、『デッド オア アライブ』(テクモ [現コーエーテクモゲームス])、『スターグラディエータ―』(カプコン)、『ファイターズインパクト』(タイトー)など、どのメーカーも3D対戦格闘ゲームを発売していた。ここで、当時のコーエー(現コーエーテクモゲームス)は、それまでの”歴史シミュレーションゲームメーカー”というイメージから、転換期を迎えることとなった。

▲剣と斧と槍の3すくみな関係は、『FE無双』ならではだ

2000年に発売されたPlayStation® 2で飛躍的に表現力が高まったことで、『三國無双』は『真・三國無双』とその姿を大きく変えることになる。それまでのゲーム機では不可能だった”たくさんのポリゴン人物キャラを同時に表示させる”ことが可能となり、一騎当千が味わえるタクティカルアクションゲームとなったのだ。得意のシミュレーション的な要素に『三國無双』で培った格闘アクションを組み合わせ、「こんなゲームがあったらいいよな」とみんなが思っていたゲームを作り出してしまったのである。

今までの『無双』どおりに遊べる気持ちよさズババーン!

というわけで前置きが長くなってしまった。『FE無双』における『無双』らしさに話を戻そう。本作が登場するまでに、すでにいくつかのコラボレーションによる『無双』はあった。しかも、『ゼルダ無双』もあったうえでの『FE無双』だったので、そこはもう安心印といったところだろう。

▲強敵と戦う場面ではダブル状態にすると心強い。デュアルアタックやデュアルガードを使いこなしたい

まずは何と言っても爽快感だ。おなじみの弱攻撃×n→強攻撃→無双奥義のコンボだけでズババーンと敵をなぎ払える。吹っ飛ばして一掃できる気持ちよさは『無双』ならではだろう。これは『FE無双』でも何ら変わりはない。仮に『FE』のことがよくわからなかったとしても、「何コンボまでつながるんだー」っていう、このズババーンな気持ちよさだけでもプレイする価値は十分にあると言い切っていい。コンボがつながりやすいので、キャラクター交代でさらにコンボをつなげる『無双OROCHI』のような立ち回りができるのも魅力だ。

▲無双奥義を決めると、敵を一気に倒していく。出し惜しみはもったいない!

つまりは「『無双』バンザイ、『FE』バンザイ、『FE無双』バンザーイ!」と叫んだところで、今回の記事は筆を置いてしまってもいいのだが、せっかくなのでもうちょっと書いておきたいと思う。

ズババーンの気持ちよさをより一層引き立ててくれているのが、さまざまな成長要素だ。敵を倒すことでレベルアップしていくのはもちろん、キャラクター性能を上げる紋章屋、武器をパワーアップさせる錬成屋がある。

紋章屋は、自キャラに攻撃の種類を増やしたり、ゲージが溜まりやすくしたりとキャラクターを強化することができる。どこからどうパワーアップさせていくかはプレイヤーの好みしだいだ。とにかく攻撃に特化したいなら”攻撃の紋章”からセットしていく、といった具合だ。筆者は、攻撃こそ最大の防御なり、が信条なので何はともあれ攻撃から強化してみた。

▲紋章屋では素材とお金を使ってキャラクターを強化していく

錬成屋の武器パワーアップも『無双』らしさと言える要素だ。ズババーンもそうだが、「自分好みに武器を強化していくのがたまらなく楽しい!」なんて人も多いはず。筆者の友人もそうで、「武器のカスタマイズなんかも『無双』っぽくてすごくいい。好きなスキルを付け替えて、自分に合った武器を作ったりとか、攻撃力アップとか、ゲージ回復特化武器とか、同じ武器でもいろいろなタイプのものを作れるから、章によって持ち替えたりするのも楽しかった!」と鼻息荒く答えてくれた。

▲錬成屋で武器を強化。スロットが空いていれば、他の武器の特性を付けることができる

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