Interview

【インタビュー】今後10年経っても“節目の曲は「全力☆Summer!」と答えると思う” angela、アルバム『Beyond』と新しい世界観のスタートを語る

【インタビュー】今後10年経っても“節目の曲は「全力☆Summer!」と答えると思う” angela、アルバム『Beyond』と新しい世界観のスタートを語る

『蒼穹のファフナー』と『K』
共に歩んできた2作品の新作へのイメージソング

今、話題に出ました『蒼穹のファフナー THE BEYOND』、『K SEVEN STORIES』はまだファンの間で全貌が明らかになっていないなかでのイメージソングです。これらはどのように作られていったのでしょうか?

atsuko 『K』は2018年に順次劇場公開され、ストーリーはすでに小説や漫画化されているものなので、そこを楽しみに待ってくれているファンの方に一足早く新曲をお届けするという感じです。今回の劇場アニメを統括したものをイメージソングとして最初に聴いてもらうので、抽象的な部分はかなり多いのですが、歌詞の断片を切り取っても想像力が豊かなファンの方は「ここはきっと誰かの子供の頃のイメージだろう」と思ってもらえるような曲にしたいなと思いました。『K』はスタイリッシュな男性達が美しく戦う絆の物語で、その部分は今まで書いてきたロックとスピード感とせつなさを意識して曲作りをしましたね。

KATSU TVシリーズ2期(『K RETURN OF KINGS』)の最終回で「KIZUNA」という曲がエンディングで流れた時の反応がスゴかったんです。中でも面白かったのが、「angelaは『K』を見捨ててなかった」みたいに書かれてて(笑)。見捨てるわけないし!(笑)。共に歩んでいるものだと思っていますよ。それに僕らも2期で終わりだと当初は聞いていて、その後の展開が続いているのは本当にファンの熱意によるものなんです。それにも感動したので、この『SEVEN STORIES』はファンの方に対して、遠回しではあるんですけれども、angelaからの感謝として序章の曲を1曲捧げたいなと申し出て作ったイメージソングなんですよ。そしてこれはまだ序章です。

『ファフナー』のイメージソングの「Prologue-君の向こう側-」はいかがでしょうか?

atsuko なんと言えばいいんでしょう……。『ファフナー』は私たちangelaがangelaである原点みたいな作品です。これも後でプロデューサーから聞いたんですけれども、私たちがファフナーのイメージソングを書いたと発表したときに『ファフナー』のファンは「angelaは『K』で忙しいと思っていたけれど、『ファフナー』のことを忘れていなかった」と。忘れるわけないでしょ(笑)。

『ファフナー』はこれまで何度もこれで最後だと思って作って、それでも終わらなかったので(笑)、心の片隅に絶対次の「ファフナー」の曲を作らなきゃというのはずっとありました。もう腹はくくっています(笑)。そしてangelaのアルバムにイメージソングを入れると言っただけでファンの方がこんなに喜んでくれるということには嬉しさとともにプレッシャーも感じています。

この曲を書いたときには『蒼穹のファフナー THE BEYOND』については私たちも全貌をまだ知らなくて、内容的には抽象的だし不安な言葉がたくさん入っているんですよ。それはプロデューサーからそういう内容だと聞いたので、その言葉遣いをしたのですが、ファンの方の想像がそれを上回っていることもこれまで度々あって、私たち自身もそれを読むことで気付かされることもあります。本当に不思議な存在ですね。冲方丁さんら作品を作っている方たちからは、私たちが綴った歌詞やメロディーから刺激を受けているというお言葉をいただいたこともあり、それはうれしさとともに制作者たちと同じ方向を見て歩けているんだなとも思いました。

KATSU 今回アルバムのタイトルが『Beyond』になったのも、『蒼穹のファフナー THE BEYOND』だからなんですね。アルバムの中でいちばん気を遣う曲だし、今atsukoさんが言ったように、作った曲が作品のストーリーを左右する可能性があるという点で他のアニソンと違います。第1作の主題歌の「Shangri-La」を作った時も、原作と実際にオンエアされたものは結構違っていて、そこはangelaの曲によって左右された部分があると伺いました。僕らは作品からインスパイアされて曲を作って、制作スタッフさんは曲から受けてと、お互いにそういう関係になれるのはアニメならではだなと思いますしプレッシャーです。

この曲は『ファフナー』のファンに向けた曲ですが、その人たちが聴いたらドキッとしてしまうような歌詞をここで一瞬表現しています。『K』と同じく『蒼穹のファフナー THE BEYOND』を纏おうとするイメージソングですね。ファンの人においては心して聴いて欲しいと思います。そういう意味でこの曲は今回のアルバムの中で僕の中でいちばん大変だった。

時間がかかりますか。

KATSU めっちゃ時間がかかりますね。ファフナーは他の曲に比べると。神経質になりますね。

atsuko KATSUさんがアレンジを2パターン出してきて「どっちがいい?」と聞いてくるのですが、「ん? 一緒じゃない?」というくらい目立たない音が入っていて、それは作った本人じゃないとわからないくらい。でも同じ曲を別のアレンジャーさんにお願いしても絶対にこうはならないと思うんですよ。そういう意味でこのこだわりがKATSUさんでありangelaを作っていくのかなと思います。

ボカロ曲のカバーから得た
俯瞰的に歌う表現方法の意味

atsukoさんは今回の曲を歌うときはどういう心の持って行き方をされましたか?

atsuko 今回は割と俯瞰の目線ですね。ちょっと輪の外からという部分もあったので、この曲の場合感情を入れすぎない部分も大事なのかなと思います。以前、仕事でボーカロイドの曲のカバーをすることがあったんです。息継ぎするところがないとか、すごく高い音を歌うのは大変だったのですが、何度も聴いているうちになぜボーカロイドがここまで支持され、文化を作っていったのかに気付きました。つまり感情がない機械の声で淡々とうたうことで、今日は良い気分だとか、今日は落ち込んでいるとか、その日の自分を投影して自分色で聴こえるんです。私はどちらかと言うと感情を入れて歌うタイプの歌手ではあるのですが、曲によってはそれを入れすぎないということも大事なんだなと思いました。その意味でこの「Prologue-君の向こう側-」は俯瞰して一歩引いたところから歌うようにしてレコーディングに臨みました。

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