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『ゼノブレイド2』ファンタジー×ボーイ・ミーツ・ガールが生み出したもの

『ゼノブレイド2』ファンタジー×ボーイ・ミーツ・ガールが生み出したもの

雲の海に覆われた世界。“巨神獣”(アルス)と呼ばれる超巨大生物の上に人々が国を築いて生活しているという、ロマン溢れるファンタジー世界でボーイ・ミーツ・ガールの物語を描くRPG『ゼノブレイド2』。魅力的な世界設定や物語展開だけでなく、独自のバトルシステムによる戦闘も楽しむことができる本作は、RPGの物語を中心に楽しむ人も、ゲームとしての遊びごたえを重視する人も満足できる作品となっている。

第1回となる本稿では、プレイヤーの好奇心と冒険心をくすぐる幻想的な設定、序盤から怒涛の展開を見せる物語といった『ゼノブレイド2』の世界が持つ魅力を追及していく。多くの要素を持ちながらも、各要素がテンポよく開放されるおかげでシンプルかつディープに楽しめるバトルシステムを中心としたシステム面については、第2回で触れていく予定だ。

文 / 村田征二朗(SPB15)


ファンタジー好きにはたまらない世界 

ゲームに限らず、架空の世界を描く作品ではその設定が重要である――そんなことはあえて言うまでもない事実ですが、ゲーム、とくにプレイヤーが作品の世界を歩き回り、そこに住む人々と会話をして物語を楽しむRPGというジャンルにおいて、その重要性はさらに大きくなります。

今回紹介する『ゼノブレイド2』は、世界設定という点だけでも非常に魅力的な作品です。本作の舞台となるのは、天空にそびえたつ“世界樹”を中心に雲海が広がる“アルスト”と呼ばれる世界。アルストでは“巨神獣”(アルス)という超巨大生物が生きる大陸とも言える存在になっており、人々や動物たちは巨神獣の上で生活をしているのです。

▲巨神獣の背中に国を築いていたり、巨神獣にぶら下げた船の上で暮らしていたりと、人々の暮らしかたもさまざまです

▲こちらの巨神獣はかなり小型ですが、それでも背中で人ひとりが暮らせるほどのサイズです

数え切れないほどの命を乗せた巨神獣ですが、超巨大とはいえ生き物である以上は寿命があり、その命が尽きれば巨神獣の上に暮らす人々や動物たちも雲海に沈むこととなってしまいます。避けられない結末に世界が混乱し始めるなか、主人公・レックスはかつて人々が神とともに暮らしていたとされる地、世界樹の上にある“楽園”を目指す旅に出ます。

▲雲海からさまざまな物資を引き上げるサルベージャーとして暮らす少年・レックス。素直で困っている人を放っておけないという王道の主人公らしさが心地いいです

雲の海が広がる世界で超巨大生物の上に人々が暮らしている、という設定だけでもすでにロマンに溢れており、ファンタジー好きにはたまりません。さらに、ネコのような耳をした少女や“ノポン族”と呼ばれる丸っこくかわいらしい不思議な種族なども存在しており、世界に暮らす人々(?)を見ているだけでもワクワクしてしまいます。

『ゼノブレイド2』はシリーズ作にあたる『ゼノブレイド』や『XenobladeX(ゼノブレイドクロス)』と、物語や世界設定における直接的なつながりはありませんが、ノポン族はどの作品にも登場しており、いわば『ゼノブレイド』シリーズのマスコット的な存在です。

▲語尾が「~も」となるのもキュートなノポン族。ぬいぐるみにしたら、ものすごく触り心地が良さそうです

▲ノポン族は外見のバリエーションも豊富。なお、こちらのノポン族・バーンは大塚明夫氏がボイスを担当しており、モフモフ感とダンディボイスとのギャップが強烈です

人やノポン族に加えて『ゼノブレイド2』の世界で重要なのが、“ブレイド”と呼ばれる亜種生命体です。ブレイドは素質のある人間が“コアクリスタル”という特殊な結晶に触れることで誕生します。ブレイドを生み出し、その力を行使できる人間は“ドライバー”と呼ばれ、ブレイドとドライバーはパートナーとして運命を共にしていくことになります。

▲ブレイドは人型が多めですが、トラのような外見をした存在もいます

壮大かつ幻想的な世界を舞台に、人と人ならざるものがともに暮らしているというシチュエーション。筆者としては、全力でファンタジーを体現しているこの世界のなかを冒険できるというだけで大興奮です。現実的な設定の作品も増えたこの時代に、ここまでどストレートにファンタジーな作品というのは、それだけで大きな価値があるというものです。

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