LIVE SHUTTLE  vol. 225

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[Alexandros] 彼らの最新スタイルがどこまでもダイレクトに突き刺さってきたZeppツアーファイナル

[Alexandros] 彼らの最新スタイルがどこまでもダイレクトに突き刺さってきたZeppツアーファイナル

[Alexandros]-Tour 2017 “NO MEANING”-
2017年12月20日 Zepp Tokyo

特別な意味はなく、やりたいことをやりたいからやるだけ。[Alexandros]はこの日、きわめて純度の高いロックミュージックをダイレクトに響かせてみせた。図らずもそれは、このバンドの本質をリアルに体感できる、きわめて貴重なステージとなった。

東名阪のZeppをサーキットした全6公演の全国ツアー「[Alexandros] Tour 2017 “NO MEANING”」のファイナル、Zepp Tokyo公演。「LET’S GET FUCKED UP」(おかしくなりましょう!)と記された幕の前で彼らは、“意味なし”というツアータイトル通り、“いま響かせたい音”を奔放に放ちまくる圧巻のステージを繰り広げた。SE「Burger Queen」とともにステージに姿を現した川上洋平(Vo, G)、磯部寛之(B, Cho)、白井眞輝(G)、庄村聡泰(Dr)は、そのまま「Burger Queen」を演奏。さらにライブアンセム「can’t explain」「city」を続けざま放ち、会場のテンションは瞬時に頂点に達する。この日の公演はもちろんソールドアウト、フロアはびっしりと埋め尽くされていたのだが、最前列から最後列までがほとんど同じ興奮度。シレッと冷静に鑑賞している観客はまったく見受けられず、全員が[Alexandros]のステージに強く惹きつけられている。

「もっとイケんだろ、東京!」(磯部)というシャウトを挟み、バンドの全キャリアからセレクトされた楽曲が次々と披露される。庄村のドラムのイントロが始まった瞬間から凄まじい歓声が沸き上がった「Waitress, Waitress!」、川上のアコースティックギターを軸にしたアンサンブルが印象的だった「Wet Paint」、白井のエモーショナルなギターソロが炸裂した「Don’t Fuck with Yoohei Kawakami」そして、最新シングル「明日、また」のカップリング曲「I Don’t Believe In You」。卓越したセンスとテクニックに裏打ちされた演奏、意外性に満ち溢れたアレンジのアイデア(ゲストミュージシャン・ROSEの鍵盤も楽曲に彩りを与えていた)、ロックスター然とした佇まい。ロックシーンを超え、いまや日本のエンターテインメントのど真ん中にいる[Alexandros]の最新スタイルがどこまでもダイレクトに突き刺さってくる。「ツアーファイナル、思い切り楽しんでください」(川上)というシンプルな挨拶からも、“余計な言葉は要らない。とにかく自分たちのロックミュージックを楽しんでほしい”という意志が感じられた。

ディズニー映画「メリー・ポピンズ」の劇中歌「Supercalifragilisticexpialidocious」をカバーした後は、このバンドの幅広い音楽性を堪能できるセクションへ。しなやかなファンクネスを感じさせてくれる「Thunder」、洗練されたメロディが響き渡る[Alexandros]流のシティポップ「Kiss The Damage」。[Alexandros]のルーツとなっているバンドといえば、oasis、Arctic Monleys、KASABIANあたりが思い浮かぶが、彼らの音楽にはR&B、ヒップホップ、エレクトロ、ドラムンベースなどきわめて多彩な要素が含まれている。ありとあらゆる音楽にアンテナを張り、そこから得たヒントを創造性に満ちたバンドサウンドへと昇華する。これこそが[Alexandros]の基本的なスタイルであり、その予想不能のカッコ良さによって彼らは、現在のポジションへと上り詰めたのだ。その音楽性の高さは言うまでもなく、現在のシーンのなかでもはっきりと際立っている。

ここからライブは後半のクライマックスへと突っ込んでいく。凄まじいばかりのシンガロングが鳴り響いた「Starrrrrrr」、川上がアコギの弾き語りによる「12/26以降の年末ソング」を挟み(「あと2曲でこのライブもツアーも終わるけど〜」と歌詞を変えていました)、川上のメロディメイカーとしての才能を実感できる「Adventure」、そして最新シングル「明日、また」へ。ダイナミックなメロディライン、緻密なアレンジ、ロック的なダイナミズムが信じられないほど高いレベルで共存するステージングを目の当たりにした観客は、本能を振り切ったように盛り上がりまくる。こんな光景、久しぶりに見た。

アンコールはけたまましいサイレン音とともにスタート。MCは一切なく(前日の公演ではかなり長めのトークが繰り広げられたらしいが、この日は真逆の展開。このあたりもとことん自由だ)、「アンコールは激しい曲しかやりません!」(川上)という言葉どおり、「Girl A」「Kick&Spin」とヘビィかつアグレッシブなナンバーを連発。最後に向かうにつれてメンバーのパフォーマンスも激しさを増していく。ラストは狂乱のアッパーチューン「kaiju」。それでもオーディエンスのコールは止まず、川上、庄村がギター、ドラムによる超攻撃的なセッションを繰り広げ、ライブはエンディングを迎えた。

アルバムのリリースツアーでもなければ、2017年の締めくくりでもない。あらゆる“意味”を排除して、最新型のロック・ミュージックをただ楽しく、気持ち良く、激しくプレイした[Alexandros]。いまやお茶の間レベルの知名度を持ち、アリーナクラスの集客力を持つ彼らがスタンディングのライブハウスで“いま”やりたいことをやりまくる。本能的・衝動的な色合いに満ちた今回の「[Alexandros] Tour 2017 “NO MEANING”」は、逆説的ではあるが、“意味がないからこそ、意義深い”ツアーだった。これぞロックバンドのアティチュード。だからこそ彼らは、多くのロックファンから信頼されているのだと思う。

文 / 森朋之 撮影 / 河本悠貴

[Alexandros]-Tour 2017 “NO MEANING”-
2017年12月20日 Zepp Tokyo

<12.20セットリスト>
1. Burger Queen
2. can’t explain
3. city 
4. Droshky!
5. Dracula La
6. Nawe, Nawe  
7. She’s Very
8. Waitress, Waitress!
9. Wet Paint
10. Don’t Fuck with Yoohei Kawakami
11. I Don’t Believe In You
12. Supercalifragilisticexpialidocious
13. Thunder
14. Kiss The Damage
15. Kids
16. Last Minute(仮)
17. NEW WALL
18. ムーンソング
19. Starrrrrrr
20. Adventure
21. 明日、また
Encore
1. Girl A
2. 新曲
3. Kick&Spin
4. Kaiju

[Alexandros]

[Alexandros]は、2007年本格始動。2015年よりユニバーサルミュージックとグローバル契約を結び、3月に10th Single「ワタリドリ/Dracula La」をリリースし、オリコンウィークリーシングルランキング初登場5位を記録。6月には約2年ぶりとなる5枚目のフルアルバム「ALXD」をリリース、オリコンウィークリーアルバムランキング初登場3位を獲得。12月に11th Single「Girl A」をリリース、オリコンウィークリーシングル初登場3位を獲得。7月には2度目の日本武道館単独公演を成功させ、全国各地の音楽フェスに数多く出演しヘッドライナーも務める。またMUSE・PRIMAL SCREAM・KASABIAN等の海外アーティスト来日公演のサポートアクトや、アメリカの“SXSW”、イギリスの“THE GREAT ESCAPE”への出演、台湾でのワンマンライブを行っており、オーストラリアSBSラジオのレギュラー番組を担当するなど、海外を視野に入れた活動を続けている。2016年3月30日LIVE DVD&Blu-ray「[Alexandros]live at Makuhari Messe “大変美味しゅうございました”」発売。4月には2016年第一弾となるDouble A Side Single「NEW WALL / I want u to love me」発売。8月に発売したシングル「Swan」はドラマ・映画・CMのトリプルタイアップが付いたシングルとなり、スマッシュヒットを飛ばした。11月には6枚目のフルアルバムとなる「EXIST!」をリリースし、オリコンウィークリーチャートで初登場1位を獲得。2017年2月にはCMタイアップで話題となった14th Single「SNOW SOUND/今まで君が泣いた分取り戻そう」をリリースし話題となる。7月にはLive Blu-ray&DVD『We Come In Peace Tour & Documentary』を発売し、オリコン総合ミュージックDVD・BDランキングでアルバム「EXIST!」に続き1位を獲得した。

オフィシャルサイトhttps://alexandros.jp

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