Interview

三浦海里・白柏寿大の師弟愛がきらめく舞台、「極上文學」シリーズ第12弾『風の又三郎・よだかの星』インタビュー

三浦海里・白柏寿大の師弟愛がきらめく舞台、「極上文學」シリーズ第12弾『風の又三郎・よだかの星』インタビュー

極上文學シリーズとは、日本文學の上質な世界観を“読み師”と“具現師”がビジュアルと音楽で魅せながら、朗読と芝居を織り交ぜて表現するスタイルの舞台。マルチキャスティング制で俳優の組合せは日替わりとなる公演は好評を博しており、第12弾の上演が決定した。今作は、幻想的な童話の世界を描くことで有名な宮沢賢治の『風の又三郎』『よだかの星』を舞台化。キービジュアルは、宮沢賢治作品の漫画やアニメなどには欠かせない「ますむらひろし」が手がける。また、今回は新たな試みとして、6人の声優陣からなる“語り師”も加わり、さらに期待値が上がっている。歴史ある作品の新たな一歩に期待が膨らむ中、今作で「よだか」を演じる三浦海里、「一郎」と「鷹」を演じる白柏寿大にインタビューを行った。彼らの言葉から溢れ出る師弟愛を感じてほしい。

取材・文 / 竹下力 撮影 / 増田慶


さらによくなったよと褒められたい

極上文學シリーズは、今作の『風の又三郎・よだかの星』で12作目を迎えます。歴史あるシリーズ作品に出演されるお気持ちを聞かせてください。

三浦海里 数々の先輩が11の作品を繋いでくれたからこそ僕らはここにいます。これまでの作品に負けないぐらい素敵な舞台にしたいです。

白柏寿大 僕らの世代で極上文學を途切れさせたくないから、海里が言ったように素敵な舞台にしたいよね。このシリーズは初めて出演させていただきます。名前は知っていましたが、不思議と由緒ある作品に出演するプレッシャーはなくて、楽しみしかないです。極上文學のクオリティをレベルアップさせながら、さらによくなったよとお客様から褒められるように心がけたいです。

ご自身の役どころを教えてください。

三浦 僕は「よだか」という醜い鳥を演じます。「よだか」は傷つきやすく感受性が豊かで、自分はどうして生まれてきたのだろうと考える内向的なキャラクター。僕とは正反対の性格だと思ったので、どれだけ「よだか」になれるのか、自分の演技の幅を広げるチャンスだと思います。Wキャストで藤原祐規さんも演じられるので、尊敬する先輩から刺激をもらいつつ、だからといって同じ演技にならないようにしたいですね。

白柏 大丈夫! 海里とは全然タイプが違う。

三浦 ビジュアル写真で藤原さんはとてもかっこいいけど、僕は可愛い感じだから、ニュアンスが違うので、それを芝居に活かせたらいいですね。

白柏 僕が演じる「一郎」は、小学校の6年生のとあるクラスの学級員で、みんなのお兄ちゃん的な存在。ただ、お兄ちゃんといっても小学6年生ですから、僕の年齢に近い大人を演じるのではなくて、下級生の時に感じていた大人の6年生の持った雰囲気を醸し出したいです。一方の「鷹」は周りをひれ伏せさせるオーラを纏った鳥。海里の「よだか」とぶつかり合う関係です。高圧的になればなるほど、いじめればいじめるほど「よだか」が引き立つと思います。そうすることで、お客さんが感情移入できるスペースが生まれる。作品へのイメージがさらに膨らむと思うので、舞台を傍若無人にぐちゃぐちゃにかき回したいです(笑)。

ゼロから1を作り出す快感

読み師や具現師など個性的な役所が出演するユニークな舞台だと思います。どのように役作りをされますか。

三浦 原作を読み込むのはもちろん、人間観察をしたいですね。僕の性格の引き出しの中に「よだか」に共通する部分があまりないからこそ、普段歩いている時や、お茶をしている時に、たくさんの人を観察して「よだか」に似ているニュアンスを取り入れたいです。

白柏 ゼロから1を作り出す快感あるよね。

三浦 ゼロから1を作り出しますよ。

白柏 いやいや、それ僕のセリフだから取るなって(笑)。僕は二役ですが、稽古が始まれば、自ずと役が出来上がっていく作品だと思います。なので、稽古では演出の流れに身を任せて、相手を観察しながら、役作りをしていきたいですね。朗読劇ですがお芝居もあります。お芝居は一人で作るものではないので、あえて“こうしよう”というプランは今はないです。

極上文學は作品ごとに印象的なイラストレーターの方がイラストを担当されます。今作は、ますむらひろしさんです。宮沢賢治の作品をビジュアルにするならますむらさんという、宮沢賢治ファンにとっても嬉しいビジュアルになっていますね。

白柏 イラストを一目見たときから又三郎はこれだ! という説得力を感じました。

三浦 驚きです。完全に又三郎だもん。

白柏 テンションが上がりますね。極上文學の入り口を示してくれるイメージをいただけて、お客様も舞台の世界に入りやすいと思います。

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