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“長いけど大丈夫!今からでも観たくなるロングランドラマはコレだ!”1

“長いけど大丈夫!今からでも観たくなるロングランドラマはコレだ!”1

パーソン・オブ・インタレスト

© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

「海外ドラマ、アレもコレも見たいけどタイトルが沢山ありすぎてどれを見ればいいのか悩ましい・・・」

そんなあなたのために、海外ドラマ評論家の3人(今祥枝さん、池田敏さん、 幕田千宏さん)が、テーマにそったイチオシ海外ドラマ作品をセレクト。第三回のテーマは“長いけど大丈夫!今からでも観たくなるロングランドラマはコレだ!”を、お送りします。

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斬新な設定と王道の犯罪ドラマが両立!

 斬新な設定、それでいながら中身は骨太でミステリアスな犯罪捜査ドラマ。この難しいテーマを両立させてしまったのが、今祥枝さん(映画・海外ドラマライター)がイチオシし、全米でも大ヒットしている『パーソン・オブ・インタレスト』だ。

これから起こる犯罪を予知することができる「マシン」。このシステムを開発、操作する天才技術者のフィンチと、元CIAのエージェントで戦闘能力の高いリースがコンビを組み、ニューヨークで起こる犯罪や、さらに巨大な悪に迫っていく……。

世間には出られないけど、街を守っている」というアメコミ的な設定と、本格的な犯罪捜査ドラマが合わさった本作の原案・脚本を担当しているのが、ジョナサン・ノーラン。映画監督クリストファー・ノーランの弟であり、『ダークナイト』『ダークナイト・ライジング』、『インターステラー』などの脚本を手がけている才人だ。そして、製作総指揮には『エイリアス』『LOST』でテレビドラマ界に革命を起こし、映画でも『M:i:III』』『スター・トレック』、そしてついに『スター・ウォーズ』の新作『フォースの覚醒』までをも手がけているJ・J・エイブラムス。二人の豪華タッグが本作で実現した。

ジョン・リースは戦闘のスペシャリスト。数々の実践で培われたカンと、その場にあるものを駆使して生き抜くサバイバル術に長けており、犯罪者を追いつめていく。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

ジョン・リースは戦闘のスペシャリスト。数々の実践で培われたカンと、その場にあるものを駆使して生き抜くサバイバル術に長けており、犯罪者を追いつめていく。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

キャストでは、主演のジョン・リース役に『パッション』でイエス・キリストを演じ、『トランジット』ではキレのあるアクションをみせているジム・カヴィーゼル。そして天才ハッカーのフィンチ役に『LOST』で印象的なキャラクターを演じたマイケル・エマーソンが扮している。

本作は、犯罪捜査ドラマの王道でもある1話完結型なので、どこから見ても楽しめるし、一気に観なくても話についていける。そうした犯罪ドラマをベースに、バディものの面白さ、謎が謎を呼ぶミステリー性、そして誰も知らないところで犯罪撲滅のために奔走するヒーローの悲哀……。

誰もが楽しめる要素を贅沢に詰め込み、そのすべてが有機的に繋がったストーリー構成は、もはや発明といいたくなるほどの完成度。ドラマ好きなら誰もが楽しめること間違いなし。極上の娯楽作だ。

予知された犯罪を未然に防げ!

 「我々は見られている。政府の極秘のシステム『マシン』によって常に監視されている。開発したのはこの私だ……」。

数々の会社を経営する実業家であり、天才的なコンピュータ技術者であるフィンチは、政府からの依頼で、監視カメラや携帯電話など、国内のあらゆる監視装置から収集した情報を分析して将来のテロ攻撃を予測するシステム「マシン」を開発した。「マシン」は、テロ犯罪だけでなく、日常的に起こる犯罪の関係者を事前に予知することも可能なのだが、政府はこの情報は無用と判断する。

億万長者であり、天才的なコンピュータ技術者であるフィンチ。プライベートや過去については、リースにもほとんど明かさず、秘密主義を貫いている。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

億万長者であり、天才的なコンピュータ技術者であるフィンチ。プライベートや過去については、リースにもほとんど明かさず、秘密主義を貫いている。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

しかし、阻止できる犯罪に対して見て見ぬ振りはできないと決意したフィンチは、元CIA捜査官のリースに接触し、犯罪を未然に防ぐ活動を開始する。「マシン」から得られる情報は、これから起こる犯罪に関与する人物の社会保障番号だけ。その人物が、加害者なのか、被害者なのかはわからない。リースとフィッチは、たったふたりだけで誰にも知られることなく、自警活動を続けて行く。

やがてNY市警の殺人課刑事カーターや、悪徳警官のファスコなどの協力者も現れるが、その背後にギャングと悪徳警官による組織「HR」の存在が明らかになっていく……。

現代的でリアルな『ダークナイト』

 警察すらも頼りにならない状況で、人知れず犯罪者に立ち向かう……。この「街の守護神」ともいうべき設定は、幕田千宏さん(映画・海外ドラマライター)が「コスチュームを着てないバットマン」と表現するとおり、近年のアメコミ映画などでもよく取り上げられるテーマ。

本作の原案・脚本のジョナサン・ノーランは『ダークナイト』シリーズを手がけていることもあり、このモチーフはまさに『バットマン』と通じるものがある。さらに、街中に張り巡らされた監視情報から犯罪の可能性を予知する「マシン」の設定は、『ダークナイト』でジョーカーの居場所を探すために登場した盗聴システムが原型だろう。つまり、本作は『バットマン』を現代的に解釈しなおした、もう一つの『ダークナイト』なのだ。

舞台となるのは、大都会ニューヨーク。様々な犯罪者が暗躍し、警察すらも信用ができないという世界観は、まさに現実にある「ゴッサムシティ」といえる。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

舞台となるのは、大都会ニューヨーク。様々な犯罪者が暗躍し、警察すらも信用ができないという世界観は、まさに現実にある「ゴッサムシティ」といえる。© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

その斬新な設定に加えて、連続ドラマならではの様々な仕掛けも施されている。『パーソン・オブ・インタレスト』を直訳すると「重要な人物」。つまり、「マシン」が割り出した人物が、犯罪にどんな関わりをするのかまではわからない。このミステリー要素の強い犯罪捜査ドラマをベースに置きながら、徐々により大きな組織の謎も明らかになっていく。

さらにアクション担当のリースと、頭脳担当のフィッチという役割分担も、ときにはその立場が逆になったり、関係性が変化したりと飽きさせない。そしてシーズンが進んでいくと「マシン」が生まれた背景や、その隠された機能も明らかになっていき、「マシン」を超える新たなシステムが登場するなどスケールもどんどんアップしていく。ロングランドラマではあるが、是非シーズン1から観始めて欲しい1作だ。


海外ドラマ評論家の3人が、テーマにそったイチオシ海外ドラマ作品を、ゲストのミッツ・マングローブさんにプレゼンテーションする動画番組「イチオシアター」を、PlayStation VIDEOにて無料でご覧いただけます。

『イチオシアター』配信スケジュール

7月28日(火)~配信中 Presentation 3 : 「長いけど大丈夫!今からでも観たくなるロングランドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

7月14日(火)~配信中 Presentation 1 : 「イマ見ておくべき旬の海外ドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

7月21日(火)~配信中 Presentation 2 : 「映画スターを堪能できるドラマはコレだ!」

YouTube版はこちら。

海外ドラマ『パーソン・オブ・インタレスト』

パーソン・オブ・インタレスト

©2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

ジャンル:クライム・サスペンス
制作国/制作年:アメリカ/2011年~
制作会社: バッド・ロボット・プロダクションズ

主要キャスト・スタッフ
出演:ジム・カヴィーゼル、マイケル・エマーソン、タラジ・P・ヘンソン、ケヴィン・チャップマン
製作:ジョナサン・ノーラン  製作総指揮:J・J・エイブラムス