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セックスレス状態の夫婦が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。今、読んでほしいマンガ『1122』から見える夫婦の形。

セックスレス状態の夫婦が選択したのは「婚外恋愛許可制(公認不倫)」。今、読んでほしいマンガ『1122』から見える夫婦の形。

読んでほしいマンガ『1122』

著名人の不倫が激しくバッシングされる一方で、日本の夫婦の過半数はセックスレス状態にあり、3組に1組が離婚すると言われる時代。とてもじゃないが「結婚=幸せ」というイメージが抱けない…という人は少なくないだろう。

そんな今、読んでほしいマンガが『1122』。交際9年・同棲5年目、仲良しだけれど結婚になかなか踏み切れない三十路直前カップルの姿をリアルに描いた『にこたま』で、大きな反響を巻き起こした渡辺ペコが、今度は三十代のある夫婦の姿を通して「結婚・夫婦とは?」という人生の命題をあぶりだす問題作だ。

フリーのwebデザイナーの「いちこ」こと相原一子と、夫の「おとやん」こと相原二也は結婚7年目の子なし夫婦。かなりの仲良しだが、長らくセックスレス状態にある彼らが家庭内の平穏を保つため選択したのは、なんと「婚外恋愛許可制(公認不倫)」だったーー!

 

近年、ドラマ化もされた『逃げるは恥だが役に立つ』や『あなたのことはそれほど』など、結婚の在り方や夫婦の関係性について多面的にフューチャーした作品が大きな話題を集めているが、本作はその系譜にありながらも「セックスレス」という現代夫婦の最重要問題(!?)に真っ向から斬り込んでいる点が画期的であり、興味深い。

「夫で家族でズッ友で相棒で理解者でいちばん信頼してるひと なんでも話しあえるひと」だから、セックスも別にしなくてもいいし、恋愛も家に持ち込まなければOKと思っていたのに…。恋に浮かれる夫を見て、正体不明のモヤモヤを募らせるいちこの姿には、理屈では割り切れない感情や「セックス=愛」じゃないからこその男女関係の難しさを突きつけられる思いで、身につまされずにいられない!

©渡辺ペコ/講談社

今年11月22日(いい夫婦の日!)に発売された第2巻では、ざわめく心身をもてあまし、自らも婚外セックスに踏み切ろうとするいちこの様子に、初めておとやが動揺。また妻公認不倫の事実を知ったおとやの不倫相手が初めておとやの家庭に嫉妬するなど、これまで微妙なバランスを保っていた彼らの関係性が今後、大きく揺らいでゆきそうな予感。
夫婦とひとくちにいえど、そのルールやカタチは夫婦の数だけあるわけで。「不倫はダメ」といった正論も違うし、じゃあ何でもアリかといえば、じゃあ、そもそも結婚する必要なんてある? となるわけでーー。

©渡辺ペコ/講談社

「わたしたちが夫婦でいるのは何のため?」という、いちこの疑問に果たして答えはあるのか? がぜん目が離せない!

文 / 井口啓子

©渡辺ペコ/講談社

原作コミック

1122 1巻
渡辺ペコ(著)
モーニング・ツー
講談社