Interview

SILENT SIREN 最新アルバムは、女子の底力、バンドの底力を伝える、圧倒的なライブ感と勢いをパッケージ。18年3月からライブハウスツアーもスタート!

SILENT SIREN 最新アルバムは、女子の底力、バンドの底力を伝える、圧倒的なライブ感と勢いをパッケージ。18年3月からライブハウスツアーもスタート!

SILENT SIRENがEMI Records移籍後初となるフルアルバム「GIRLS POWER」をリリースした。メジャーデビューからの約5年間で培ってきた経験と、それによって手にしたスキルを惜しみなく注ぎ込んだ本作には、既発シングル「フジヤマディスコ」「AKANE」「ジャストミート」に、多彩な魅力を発揮する新曲群を加えた全12曲(初回盤のみボーナストラックを加えた全13曲)を収録。ツアーと並行して制作を続けていたというだけあって、それらすべてには圧倒的なライブ感とバンドとしての勢いが鮮烈にパッキングされている。最高傑作と呼ぶにふさわしいアルバムを作り上げた達成感を滲ませたメンバー4人に、その制作にかけた想い、そして来年3月から始まる全国ライブハウスツアーについての話をたっぷりと聞いた。

取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 大庭 元

ライブで手にした感触を音源に落とし込むことができたし、その逆もあったと思うんです(ひなんちゅ)

SILENT SIRENにとって約1年9ヵ月ぶり、レーベル移籍後初となるニューアルバム「GIRLS POWER」が完成しました。その仕上がりに関してどう感じていますか?

すぅ アルバム全体のテーマを最初から決めて作り始めたわけじゃなく、自分たちが今、みんなに聴いてもらいたい、自分たちの好きな曲を選んでいった感じだったので、必然的に1曲1曲のクオリティがすごく高いアルバムになったと思いますね。

ゆかるん うん、めっちゃいい仕上がりだと思います。12曲通して聴いたときに、「あれ、もう終わり?」みたいな感覚があって。最初から最後まですごく楽しく聴けるから、あっという間に1枚聴けちゃうんですよ。制作の過程では、「より良いものにしたい」っていう気持ちからいろいろな試行錯誤もしたし、回り道をしたこともあったけど、ほんとに最高のアルバムができて良かったなって思いますね。

回り道っていうのは?

ゆかるん 当初、アルバムに入れる予定だった曲を、全体のバランスを考えた結果、急遽別の曲に差し替えたりしたんですよ。そうやって細かい部分まで妥協することなく、徹底的にこだわって作ったので、スケジュール的にはけっこうギリギリになってしまったんですけど、だからこそ思い入れの強い作品になったと思うんですよね。

制作はいつごろからスタートしたんですか?

あいにゃん 「新世界ツアー」の始まった6月からレコーディングもスタートさせました。全工程が終了したのもツアーファイナルだった日本武道館でのライブが終わった直後だったので、約5ヵ月間、完全にツアーと並行して作業してる感じでしたね。

ひなんちゅ そういうスケジューリングは正直、けっこう大変なところもあったんですけど、ライブで手にした感触を音源に落とし込むことができたし、その逆もあったと思うんです。この5ヵ月はとにかくもうずっと楽器を触っている時間だったので、それはバンドとしてはすごく良かったと思うんですよね。

すぅ メンバーそれぞれが自分のフレーズを考えて、それを覚えてレコーディングに臨むっていうことをライブしながらやってましたからね。「みんなよく頑張った!」って思います。マジで1人1人に拍手したい(笑)。

このアルバムで女子の底力、サイサイの底力をみんなに見せつけたかったんです(すぅ)

「GIRLS POWER」というタイトルはどのタイミングで決まったんですか?

あいにゃん 制作の後半でしたね。タイトルが決まったことで全体のバランスをあらためて考えて、それによってアレンジに手を加えたところもありました。

すぅ そうだね。曲順とかも、タイトルにひっかけて少女から女性になっていく流れをイメージして並べたところもあったし。要は、このアルバムで女子の底力、サイサイの底力をみんなに見せつけたかったんですよ。で、それを聴いてくれた人……男子も女子もみんなが元気になってくれたらいいなって。あらためて眺めてみても、今回はそういうパワーを持った楽曲ばかりだなって思いますね。

今回も様々なタイプの楽曲が目白押しなので、アルバム曲をピックアップしてお話を聞いていきましょう。まず「merry-go-round」はガーリーなサイサイの表情が堪能できる仕上がりで。

ひなんちゅ この曲はけっこう前からあって、すぅがずっと推してたんですよ。今までに何度もリリースする候補には上がるけどなかなか音源化には至らなくって。今回ようやくCDにすることができた感じですね。

すぅ この曲の推しポイントはサイサイっぽさ全開ってところですね。サビのノリやすさもうちらっぽいなって思うし。イメージ的には以前出した「milk boy」とか「吉田さん」みたいな立ち位置の曲だと思うんですよ。アルバム曲ではあるけど、ライブの定番曲になっていくような魅力がある。歌詞に関して言うと、ワンコーラス目は何年か前に書いたものなんだけど、後半は最近の私、いくつか歳を重ねた私が書いているので、そのミックス感もおもしろいんじゃないかなって思います。

ゆかるん この曲のシンセのレコーディングは朝までかかりました(笑)。同じフレーズの繰り返しではなく、メロディを弾くというか、歌う感じのシンセになっているので、演奏もすごく楽しいですね。歌詞の世界観も含め、大好きな曲です。

ひなんちゅ ゆかるんはサイサイの曲で嫌いなものはないからね、基本的に(笑)。

すぅ 基本、全部推しだからね(笑)。

ゆかるん そう、箱推しなんで(笑)。この曲はDメロもめっちゃ好きだなぁ。

すぅ あ、Dメロに関してはクボくん(サウンド・プロデューサー:クボナオキ)にどうにかエモーショナルにしてほしいってお願いしたんですよ。ポップさのある曲だけど、一ヵ所だけエモいみたいなのが私は好きなんで。昔の「→」もそのパターンでしたね。

今回は思い切って書いちゃいました。自分にとっての新しいチャレンジだったかもしれないです(あいにゃん)

続いての「KNiFE」はエッジィなサウンドの上にあいにゃんさんの歌詞が乗っていますが、ちょっとフラストレーション系の内容だったのでビックリしました。

あいにゃん 確かにそうですよね。私はだいたいミドルテンポの曲にハッピーな歌詞を書きがちなので。この曲のデモを聴いたときにちょっとドロッとした感情が見えたところがあったので、それを素直に書いてみたんです。言葉選びに関してはけっこう苦戦しましたけど。

ゆかるん 人には絶対二面性があると思うので、普段はハッピーなことを書いているあいにゃんからこういう歌詞が出てくるのは全然納得ができるし、そこにおもしろさもあると思うんですよ。

すぅ うん。私はこの歌詞を見たときに意外だとは思わなかったし。

あいにゃん そうそう。私にもね、街中でちょっと嫌なことがあって聞こえないくらいな感じで舌打ちすることもありますから(笑)。ムカついたときは暴言吐きたくなることもあるし。そういう感情を歌詞にすることに対して躊躇する気持ちもあったんですけど、今回は思い切って書いちゃいました。自分にとっての新しいチャレンジだったかもしれないです。

9曲目の「さくら咲く青い春」もあいにゃんさんが作詞、さらには作曲も手掛けています。歌詞だけ見ると同じ人が書いたとは思えないテイストですよね。

あいにゃん 確かにそうですよね。情緒が危うい(笑)。今回のアルバムには元々、桜ソングを入れることは決めていたんですけど、当初予定していた楽曲を別のタイミングまで取っておくことに決めたので、じゃあ私がその代わりになる曲を作ろうかなと。クボくんと一緒に作っていった感じではあるんですけど。

現役の高校生はもちろん、大人になった人たちにも響く卒業ソングだと思います。

あいにゃん 最初は学生時代のことをイメージしていただけだったんですけど、書いているうちに時が流れていることを伝えるような表現になっていって。だからきっと卒業を経験したことのある人ならみんな何かしら感じ取ってくれるものがあるんじゃないかなって思いますね。大人の人にはこの曲をきっかけに高校時代を懐かしく思い出してみて欲しいです。

リズムパターンも今までのサイサイにはなかったタイプだし、歌詞もめっちゃいい(ゆかるん)

「パパヤパヤパ」は、先日の日本武道館公演2日目で披露されていた超強力なポップチューンです。

ゆかるん 初披露だったライブでもすごく盛り上がってましたし、この曲はもう聴いているだけで無条件で楽しくなってくると思うんですよ。リズムパターンも今までのサイサイにはなかったタイプだし、歌詞もめっちゃいい。サビの“PonとモットNice”っていうフレーズはつい口に出しちゃう気持ちよさがありますよね。どうやったら思いつくんだろうっていう。

すぅ いやもう“PonとモットNice”しか浮かばない譜割りだったのよ(笑)。最初はいちおう“(仮)”にしといたんだけど、結局それ以外出てこなかったっていう。

ひなんちゅ いやほんとその発想はすごいわ。この曲は演奏してても楽しいから私も大好き。ライブではタオルを回すので、どんな場所でやっても絶対盛り上がる曲になるだろうなって思いますね。

タイトルのフレーズは歌詞には出てこないじゃないですか。でも曲の中で非常に重要なパートになっているところもおもしろいですよね。

すぅ 案外、歌詞にないそういうフレーズがライブだと盛り上がるみたいなところってあるじゃないですか。うちらの楽曲で言えば、「ビーサン」の“オッオッオオッオッオー”とか。なのでライブではぜひみんな一緒に“パパヤパヤパ”って歌ってほしいですね。

バッチリ演奏が決まったらめっちゃかっこいいと思う。ここから練習練習だね(笑)。(ゆかるん)

「ODOREmotion」は聴き手のテンションをぶち上げる高速ロックチューン。個人的には本作で一番のお気に入りです。めちゃくちゃかっこいい。

あいにゃん BPM速すぎですよね(笑)。これでも少し落としたんですけど、それでも181あるっていう。最初、ひなと2人でプリプロ入ってデモを聴いたとき、「これ早送りしてる?」って思いましたから(笑)。

すぅ どこを切ってもかっこいい、いろんな要素が詰め込まれた仕上がりになったっていう。演奏するのはめっちゃ大変だけど(笑)。

各楽器がめちゃくちゃ暴れてますもんね。これまでのキャリアの中で手にしてきたスキルを思い切り注ぎ込んでいる感じで。

ひなんちゅ そうですね。間奏なんかは特に思いっきり暴れましたね。ライブでやるのが怖いんですけど(笑)。

あいにゃん 楽器同士の掛け合いみたいなところもあるし、各々が戦い合ってるみたいな感じだからね、ライブ映えはしそうだけど。

ゆかるん うん、バッチリ演奏が決まったらめっちゃかっこいいと思う。ここから練習練習だね(笑)。

そしてアルバムラストには「さよなら日比谷」という楽曲が。シティポップ的フレイバーを感じさせる、サイサイとしてはかなり新しい雰囲気の曲ですよね。

すぅ この曲、実は7年くらい前からあったんですよ。こういうマイナーだけどポップさもあるっていうサウンド感は、今のサイサイとしてはちょっと新しい雰囲気ではあるけど、当時は案外珍しい感じではなかったんですよね。「チラナイハナ」とか「サイレン」とかもあったから。

昔からある曲だけど、今しかできないスキルをぶつけることが大事ですからね。(あいにゃん)

あーなるほど。確かにそう言われればそうですね。

すぅ ただ、メジャーデビュー曲が「Sweet Pop!」っていうめっちゃポップな曲だったから、この曲を出すタイミングがなくなっちゃったんですよ。うちらとしても気に入ってた曲だからいいところで出したかったし。で、レーベル移籍を機に、今回だったらアルバムに入れてもいいんじゃないかなっていう話になって。「merry-go-round」と同じく、ようやく音源化できた曲シリーズですね。

あいにゃん アレンジの大枠は当時から変わってないんですけど、例えばイントロのベースラインなんかは若干変更してます。より今っぽく、耳に残るようなものにしようっていうイメージで。昔からある曲だけど、今しかできないスキルをぶつけることが大事ですからね。

ひなんちゅ 足したり引いたり、細かくこだわってアレンジは詰めたよね。リズムは4つ打ちとか8ビートではないんで、最近のサイサイしか知らない人には新鮮に感じてもらえるとは思いますね。

上京したてで迷子になって良かったよね、こういう曲が作れたわけだから(笑)。(すぅ)

歌詞はすぅさんが書かれていますが、これはなぜ“日比谷”なんですか?

すぅ 待ち合わせ場所を間違えて日比谷に行ってしまったって曲なんですよ。だから、待ち合わせ時間に間に合わなかったっていう。時間通り行ってたら今頃は会って、思ってることも伝えられたのになぁっていう。だからはやく今来た道を戻らなきゃっていう曲なんですよね。ある意味、女子の日記みたいな内容(笑)。

でも、サウンドと相まってものすごくせつない情景が浮かんでくる素敵な歌詞になっていますよね。

ゆかるん そうやって些細なことを、ひとつの物語として描けるのってすごいですよね。ほんとすごいと思う!

すぅ そうだね。上京したてで迷子になって良かったよね、こういう曲が作れたわけだから(笑)。日常の中には歌詞にできるいろんな出来事が落ちてるものだと思うので、常にアンテナを張ってなきゃいけないなってあらためて思いますね。

今回のツアーは全箇所ライブハウスなので、バンドとしての初心に帰る意味もあると思うんです(ひなんちゅ)

本作のリリースを経て、来年3月からは全国ツアー「SILENT SIREN LIVE TOUR 2018~“Girls will be Bears”TOUR~」がスタートします。最後にそこに向けた意気込みを聞かせてください。

あいにゃん 今回のアルバムはライブ映えする曲しかないので、ツアーが本当に楽しみですね。演奏的にはけっこう難しいことをしている曲も多いので、リハをバッチリ頑張って万全の体制で挑みたいと思います。

ひなんちゅ 今回のツアーは全箇所ライブハウスなので、バンドとしての初心に帰る意味もあると思うんですよ。だから1本1本を大事に回っていきたい。私は来年の1月に、ドラム好きな女子がもっと増えるようにドラムセミナーみたいなことをやらせてもらうことになっていて。そういった活動を通して、サイサイの認知度をもっと高められたらいいなっていう思いもありますね。その結果、ツアーの全会場をソールドアウトさせることができたらいいなって思ってます。

すぅ 個人的に2018年は最高の年になるだろうなと思っているので、ツアーも間違いなく最高のものになると思います。1本1本を純粋に楽しみながら、ライブ映えする楽曲でお客さん1人1人にぶつかっていきたいです。で、このツアーでしっかり力をつけた後は、夏フェスでも大暴れしたいと思います!

ゆかるん 2017年はレーベル移籍があったりとか、ある意味でリスタートの年だったと思うんですよ。そこでは技術面も精神面もたっぷり鍛えられたと思うし、それを注いだアルバムも作れたわけなので、そのままの勢いで2018年も走っていきたいと思ってます。今回のツアーは初めて行く場所もいくつかあるので、サイサイのライブをまだ観たことない人にはぜひ参加して欲しいです! 女子エリアもあるし、初めての学割も導入しているので、興味ある人はぜひ遊びにきてください。絶対に楽しいライブをしますので!


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ライブ情報

SILENT SIREN LIVE TOUR 2018
〜”Girls will be Bears”TOUR〜

2018年3月18日(日) 横浜BAY HALLを皮切りに、全国32公演。
詳細スケジュールは、ツアー特設サイトへhttp://ss-gwbb-tour.com

SILENT SIREN

すぅ(吉田菫/vo,g)、ひなんちゅ(梅村妃奈子/ds)、あいにゃん(山内あいな/b)、ゆかるん(黒坂優香子)の4名からなるガールズバンド。2012年11月、シングル「Sweet Pop!」でメジャーデビュー。 全員が読者モデル出身。通称“サイサイ”として親しまれ、原宿を中心に女子中高生に人気が広がり、LINEの公式アカウントの登録数は53万人を超える。 2015年1月17日、ガールズバンド史上デビュー後最短で日本武道館でのワンマンライブを開催した。2016年3月には4thアルバム「S」を発表し、そのリリースツアーの最終公演として7月に神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブを成功させた。その後、ロスやサンフランシスコ、台湾など5ヵ国6都市を周った「S WORLD TOUR 2016」を敢行した。2017年3月1日に、レーベル移籍第一弾「フジヤマディスコをリリース。“5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017『新世界』も11月13日、14日の日本武道館公演2daysをもって終了。2018年3月からは、早くも全国ツアー「Girls will be Bears Tour」がスタートする。

オフィシャルサイトhttp://silent-siren.com/

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