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2017年のゲーム業界を振り返る<前編>任天堂が攻めまくった1年

2017年のゲーム業界を振り返る<前編>任天堂が攻めまくった1年

2017年のゲーム業界を振り返る企画……ということで、自身の見聞といろいろなサイトをチェックしてこの1年を考えてみたのだが、今年は大きなトピックが2つある、という結論に達した。そのひとつは記事タイトルにもあるとおり、まずは“任天堂”だ。2017年3月に発売となった新ハード“Nintendo Switch™”を始め、とにかく全方位に攻め続けた結果、「今年のゲーム業界は任天堂に象徴される一年だった」と言っても過言ではないだろう。今回の企画前編は、任天堂を中心とした家庭用ゲーム機関連と、1月から6月までのおもなトピックを中心にまとめてみたいと思う。

文 / 松井ムネタツ


爆発的なヒットとなったNintendo Switch™

▲任天堂の公式ツイート

まずはこのNintendo Switch™フィーバーを振り返ってみよう。2016年10月20日にコンセプト映像が公開され、コードネーム”NX”と呼ばれていた新型ゲーム機がNintendo Switch™であること、そして発売日が2017年3月であることが発表となった。

▲First Look at Nintendo Switch

そして2017年1月13日に“Nintendo Switch プレゼンテーション2017”を開催し、サードパーティーの参入も続々と発表になった。

▲Nintendo Switch プレゼンテーション 2017

この催しで発売日が3月3日であること、価格が2万9980円(税別)であること、そしてゲームソフトでは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(以下、『ゼルダBotW』)などが本体と同時発売であることが発表されたのである。

▲ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド

この『ゼルダBotW』が、とてつもなく面白いゲームだった。10年に一度あるかないかの傑作と言っていいだろう。ゲーム業界ではオープンワールドという言葉がもてはやされてはや幾年といった感じだが、本作はこれまでのオープンワールドと比べても数段階上の仕上がりだった。

ちなみに、12月8日にアメリカで開催された“The Game Awards 2017(世界中のゲームメディアとユーザーが選ぶゲームアワード)”では、その大賞となる“Game of the Year”に『ゼルダBotW』が選ばれた。世界が認めた1本になったのである。

3月以降はNintendo Switch™人気が爆発した。コンスタントに人気タイトルがリリースされているのも絶好調な理由のひとつだ。『マリオカート8 デラックス』(4月)、『スプラトゥーン2』(7月)、『スーパーマリオ オデッセイ』(10月)、『ゼノブレイド2』(12月)と、Nintendo Switch™タイトルを遊んでいるだけで1年が終わってしまうほどである。

▲スプラトゥーン2

このNintendo Switch™フィーバーは本年末まで続いており、相変わらず品不足となっている。とくに都心部では店頭に並べば1日でなくなるし、ネット通販は数時間でなくなる。中古が本体定価より高い状態が続いており、まだしばらくこの人気は続きそうである。

任天堂の勢いは、Nintendo Switch™だけではない

さて、記事タイトルに“任天堂が攻めまくった1年”と書いたが、それはNintendo Switch™のことだけを言っているのではない。スマートデバイス向けタイトルも注目となったのである。『スーパーマリオ ラン』(2016年12月にiOS版、2017年3月にAndroid版)を皮切りに、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』(2月)、『どうぶつの森 ポケットキャンプ』(11月)をリリースしたのだが、これがいずれもヒット。

任天堂は2015年にDeNAと業務・資本提携をし、これらのタイトルはその協業タイトルとして作られたもの。現状は“成功”と言っていい状況だが、スマートデバイス向けに作っていると発表されていたタイトルはひととおりリリースされたので、新規タイトルも含めて任天堂のスマートデバイス展開は引き続き注目である。

▲どうぶつの森 ポケットキャンプ

さらに注目してほしいのは、10月に発売されたニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンだ。カセットは挿せないが、ソフトが21本収録されているのでそれだけで十分楽しめるアレである。本機の売りは何と言っても『スターフォックス2』の収録であろう。『スターフォックス』の続編としてスーパーファミコンで開発されていたものの、そのままお蔵入りとなってしまった幻のゲームだ。まさかそれが今の時代に遊べるようになるとは!

▲ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン

というわけで、今年の任天堂はNintendo Switch™でゲームファン全般を、スマートデバイス向けタイトルでイマドキの若者を、ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコンで当時夢中になっていたおじさん世代を……と、全方位で攻めてきた。2017年は日本人のほとんどが任天堂プロダクトの何らかを遊んだり買ったり、それがなくとも話題にはしたはずだ。

『ゼルダBotW』がGame of the Yearに輝いたとき、同時に追加コンテンツ第2弾『英傑たちの詩(バラッド)』の最新トレーラーが公開され、即配信となった。多くのファンは喜びつつも、そのときの気持ちをこうTwitterに綴った。 

「任天堂のゲームのせいで、任天堂のゲームをやる暇がない」 

まさに今年1年の任天堂を象徴するつぶやきと言っていいだろう。

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