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2017年のゲーム業界を振り返る<後編>ドン勝『PUBG』大ブーム到来

2017年のゲーム業界を振り返る<後編>ドン勝『PUBG』大ブーム到来

前編で「今年は大きなトピックが2つある」とし、そのひとつが「任天堂である」と書いた。2017年のNintendo Switch™フィーバーは誰もが認めるところだろう。そして今回お届けする、2017年を代表するもうひとつのトピックは、『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』、略して『PUBG』(“パブジー”と読む)だ。このゲームはどの機種で遊べるのかというと、じつはそこそこ高スペックなPCなのである。普通の人ではちょっと手が出ない『PUBG』がなぜそこまで話題になったのか。エンタメステーションでも2017年10月に『PUBG』の記事を公開しているが、あらためて『PUBG』ブームを検証してみたいと思う。また、この後編ではスマートフォンゲームやVRなどの1年も振り返りつつ、前編の続きとなる2017年のゲーム業界7月~12月編もお届けしたい。

文 / 松井ムネタツ


2017年のゲーム業界を振り返る<前編>はこちら
2017年のゲーム業界を振り返る<前編>任天堂が攻めまくった1年

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2017.12.30

最初はゲーム実況から流行した 

『PUBG』は2017年3月、アーリーアクセス(開発途中バージョン)でSteamより配信が始まった。開発はBluehole INC.( 現在はPUBG専門の子会社であるPUBG Corp.が開発を担当している)という韓国のゲーム会社で、これまでは『TERA』というPC向けMMORPGなどを手がけていた。

▲PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS

このゲームは100人のプレイヤーが島に送り込まれ、最後のひとりになるまで戦い抜くというバトルロイヤルFPS/TPSだ。話題が話題を呼び、1週間で全世界100万本セールスを突破、5月には200万本となり、9月に1000万本、11月に2000万本と倍々な勢いで販売本数を伸ばしている。同時接続者数も300万人と尋常ではない数字だ。

これが韓国や欧米で流行っている、というのはわかる。やっぱりFPSとか盛んな本場ならそれは盛り上がるだろう。ところが、これが日本でも大流行したというから、ちょっと驚きだ。パソコンでしか発売されていないゲーム(12月にようやくXbox One版が発売)で、しかもFPS系のゲームが日本でここまで流行ったケースは今まで一度もなかった。

▲東京ゲームショウ2017では、あちこちで『PUBG』大会が開かれていた(写真はDMM GAMESブース)

なぜこうも流行ったのか? その大きな要因となったのがゲーム実況配信者、ストリーマーの影響だ。人気ストリーマーがこぞって『PUBG』を始めて、どの配信も大人気となったのである。最後にひとり生き残った人が勝利、なんていうわかりやすいゲーム性が、とにかく”実況映え”した。遊んでいるほうも楽しく、見ているほうも面白い。じつに実況向きのゲームだったのである。 

そして配信を見ていたファンが、今度は「自分も遊んでみたい!」となる。この時点では家庭用ゲーム機版は出ておらず、遊ぼうと思ったらPC版しかない。ところがこのゲーム、高性能なゲーミングパソコンでないと快適には遊べず、ビジネス用途のパソコンではまず動かない。快適に遊びたいとなると、最低でも15万円以上のパソコンは必要となるので、ちょっとハードルが高いのだ。それでも人気ストリーマーの影響は大きく、新たにゲーミングパソコンを購入してプレイする人が急増した。ゲーミングパソコンの売上が前年比で50%以上伸びているというデータもあり、これはまさに『PUBG』効果であろう。

▲2017年9月からはDMM GAMESからも配信がスタートした(写真はDMM版『PUBG』公式サイト)

DMM GAMESが9月から日本版配信を始めたことも大きい。それまではSteamだけで配信されていたのだが、「Steamは何だか難しそう」という印象を持つ人が少なからずいる。それがDMM GAMESで配信されることになったおかげで、越えるべき敷居が下がった。

東京ゲームショウではDMM GAMESブースで大規模な『PUBG』の告知が行われたが、他にもeスポーツステージなど各所で『PUBG』大会が催され、国内におけるブーム到来をさらに印象づけるものとなった。

さらに12月13日、DMM GAMESはPUBG JAPAN SERIESの開催を発表、将来的に国内における『PUBG』プロリーグ設立を目指すこととなった。これは2018年もさらなる盛り上がりが期待できそうだ。

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