ハンサムクリエイター・中道慶謙が『Last Standard』に仕掛けた野望  vol. 1

Interview

『Last Standard』とサイコダイブシステムを作った若き天才の壮大な思惑とは!?

『Last Standard』とサイコダイブシステムを作った若き天才の壮大な思惑とは!?

「サイコダイブシステムはこれから技術が進んでいくと、誰もが絶対に通らなくてはいけない道なんです」

ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、SME)のインディーゲームレーベル“UNTIES”(アンティーズ)からリリースが予定されている『Last Standard』。このゲームには、SNSと連携してプレイヤーの人格を解析し、武器やキャラクターへと反映させる“サイコダイブシステム”が搭載されており、現在のインディーゲーム界を賑わせている注目作のひとつとなっている。斬新な作品がインディーゲームから出てきたとなれば、気になるのがそれを手がけるクリエイターの人物像。

エンタメステーションでは『Last Standard』の製作者、中道慶謙氏にインタビューを敢行。本作を世に送り出そうとする若き天才の素顔に迫る……というのが、本来予定していたインタビュー内容。しかし実際に話してみると、中道氏は「今現在見てもらっているのは『Last Standard』のひとつの形態に過ぎない。『Last Standard』は恋愛シミュレーションの形を取ることもあり得る」、「サイコダイブシステム利用のひとつの手段としてゲームを選んだ」など、驚きの衝撃発言を連発。インタビュー時間は当初の予定の3倍に及び、これまでほかのメディアでは取り上げられることのなかった『Last Standard』やサイコダイブシステムの本質、これを端緒に広がっていく中道氏の壮大な展望にまで話題が踏み込むこととなった。

そのため記事も大幅に予定を変更し、全3回でこのインタビューのすべてをお届けすることにした。第1回となる本稿は、中道氏という天才クリエイターを作り上げたその半生と、ゲーム制作の世界へ飛び込むに至ったきっかけを追う。

インタビュー取材・文 / 高城暁・大工廻朝薫(SPB15)


少年はいかにして『Last Standard』への道を選んだか

インタビュー当日、我々の目の前に現れたのは、人なつっこい笑顔と関西弁が印象的な甘いマスクのハンサム。およそゲームクリエイターらしからぬこの青年こそ、京都大学在学中に『Last Standard』を作り、株式会社I From Japanを設立した若き天才、中道慶謙氏その人である。

まだ開発中のインディーゲームとしては異例とも言えるほどに、各種メディアから大きな注目を集めている『Last Standard』。それをを手がける中道氏とは、いったいどのような人物なのか。それを知るために、まずは幼少期から時系列を追って中道氏の半生に触れていくこととなった。

中道さんの幼少期について教えてください。中道さんはどのような子どもでしたか?

中道 ずっと陸上の短距離走をやっていました。100mをずっと走っていて、高専(※)のときには近畿大会にも出ました。中学には陸上部がなくてバスケ部に所属していたんですけど、小学校と高専では陸上部でしたね。

:高等専門学校の略。工業系の学科を中心としており、5年間の一貫教育で専門的な知識を身につけることができる。

陸上を選んだきっかけは何かあったんでしょうか?

中道 僕は腕白小僧で、小学校では学校で一番足が速かったんですよ。勝てるとやっぱり楽しいじゃないですか。それだけでやってましたね。でもしんどいのは嫌なので100m(笑)。

運動以外でハマっていたことは何かありますか?

中道 小学1年生のころから藤原学園という、実験ばかりやる塾に通っていたんですよ。そこではフナや鶏の解剖をやったり、硫酸で雑巾を溶かして炭化していく様子を観察したり、なんでもやらせてもらえました。それがすごく楽しくて、そこから理系の道に進みましたね。

「小学校の妹の絵の展示会です。よく、妹の行事についていってたみたいです」

「藤原学園でペットボトルロケットを作っています。横で空気を入れているのにかなり至近距離にいますね。危ない(笑)」

クリエイターとしての基礎になる部分は、そこで醸成された形でしょうか?

中道 それはありますね。もともと百科事典が好きな子どもだったんですが、そこに通わせてもらってますます好きになった感じですね。今でも仲が良くて、教室に遊びに行ったりしてます。

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