Interview

料理は愛情表現―料理家・SHIORIの最新刊『ゆるつま』は、大切な人との時間を彩る気張らない料理を提案してくれる。

料理は愛情表現―料理家・SHIORIの最新刊『ゆるつま』は、大切な人との時間を彩る気張らない料理を提案してくれる。

『作ってあげたい彼ごはん』でデビューしたのが22歳のとき。
これまでに出した料理本は累計発行部数400万部、料理スタジオで開催する教室も満員という人気の料理家・SHIORI。
デビューから10年。初めて旦那さんも登場する最新刊『ゆるつま』は、これまでとはひと味違う「がんばらなくてもウマイ!!」おつまみ85品のレシピに加え、ゆるやかであたたかい二人のライフスタイルがちりばめられた一冊になっている。
ラッキーガールかと思いきや、失意のどん底からやる気とド根性で這い上がった超・頑張り屋さん。
小さな頃の料理との出会いや『彼ごはん』誕生秘話など、たっぷり話してもらいました。

取材・文 / 村崎文香

そろそろ、頑張りすぎなくてもいいんじゃない?

『ゆるつま』というネーミングが素敵です。

編集者さんと話していたとき、私って、手を抜かない、頑張っているイメージがあると言われたんです。好きな人のためにいつも頑張ってごはんをつくっている優等生な感じだと。実際にはそんなことないんです。だから今回、よりリアルな面をさらけ出していってもいいんじゃないか、そんなところから企画がスタートしました。
これまでは、好きな人のためなら時間も手間ひまも惜しまずに料理をつくる。そうすると相手からもいい反応が返ってくる。それでまたがんばっておいしい料理をつくる。そんな、とてもポジティヴな循環を本にしていました。でも、私も結婚して7年目。そろそろ頑張りすぎなくてもいいんじゃない? もっとラフな料理も提案していけたら、と。
料理ができる人なら、分量とか正確に量らなくていいんです。材料も冷蔵庫にあるものでいい。ああ、これとこれを組み合わせればいいのか、こういう流れでつくればいいのか、とアイデアの参考にしてもらえれば。私も気軽に楽しみながらつくった本です。

本当に、食材の合わせ方のヒントを提案してくださっている感じです。簡単そうで、実は料理に慣れた人に向くレシピもある。
「つまみ」というネーミングそのまま、飲みながらチャッチャッとつくれそうなライブ感もいい。随所にちりばめられたコラム「今日のしーちゃん」なんかも素敵です。これまでの本もそうですが、「誰かのために」という想いが全編に溢れているのがいいです。

ありがとうございます。夫が今回初登場。全面的に協力してくれました。これまでも「いつでも出るよ」とスタンバイしていたんですが(笑)、私があえて声をかけてこなかった。それが今回、ノリノリで参加してくれました。

旦那さん、イラストが写真とおんなじですね。

きっとイラストにしやすい顔なんですね(笑)。

これが、おススメの3品!

全85品のレシピが紹介されていますが、「とくにオススメの3品」を選ぶとすれば?

どれもオススメなんですが、あえて選ぶとすれば、まず1品目は「クリチーの桜えびまみれ」。とってもシンプルなんですが、濃厚なクリームチーズに桜えびの香ばしさと旨味と塩気が好相性。見た目もピンク色で可愛いでしょう?
一瞬「なんだろう?」と思ってもらえるのも楽しい。クリームチーズはきれいに四角く切らなくてもいいんです。ちぎって丸めてまぶしても可愛いんです。

クリチーの桜えびまみれ 「SHIORIの2人で楽しむゆるつま」(講談社)より

「これ、な〜んだ?」で盛り上がる
クリチーの桜えびまみれ
【材料(2人分)】
クリームチーズ…50g
桜えび…大さじ2
【作り方】
①クリームチーズは1㎝角に切る。桜えびは電子レンジで1分ほど加熱して粗熱を取り、指先で粉状に粗く砕く。
②クリームチーズの全面に桜えびをまぶす。

2品目は、「しいたけゆずマヨ焼き」。ゆずこしょうは昔から好き。ここ10年くらいで多くのお宅の冷蔵庫に入っているくらい市民権を得た感じですが、それまではそうでもなくて。母の実家が佐賀県で、そちらでは普通によく食べるので、小さい頃から馴染みがありました。これが入るだけで味わいが変わる。「見た目の100倍うまい!!」という夫のコメント、嘘じゃないです(笑)。

しいたけゆずマヨ焼き 「SHIORIの2人で楽しむゆるつま」より(講談社)

ゆずこしょうが隠し味
しいたけゆずマヨ焼き
【材料(2人分)】
しいたけ…6枚
マヨネーズ…大さじ1(A)
ゆずこしょう…小さじ1/3(A)
ピザ用チーズ…適量
【作り方】
①しいたけは軸を取る。(A)を混ぜ、しいたけの裏側に塗り、チーズをのせる。
②オーブントースターか魚焼きグリルで焼き色がつくまで焼く。

3品目は?

3品目は、2つあって選べない(笑)。
まずは「ささ身の柿の種フライ」。ざくざくクリスピー感がたまらないです。揚げ物は時間が経つとしなっとなりがちですが、これはなんといっても柿の種、時間が経っても大丈夫!
ささ身はしっとり、柿の種の衣はざくざく。コントラストがたまらない。フィンガーフードでつまめるのもGOOD! からしマヨネーズともよく合います。
もう一つは「とろとろねぎ豚」。炊飯器で手軽につくります。鍋でコトコト煮なくていい。スイッチ一つ。夕方からセットしておいて、保温して味をなじませておくのもいいです。

ささ身の柿の種フライ 「SHIORIの2人で楽しむゆるつま」より(講談社)

いってみれば、味つきのパン粉!
ささ身の柿の種フライ
【材料(2人分)】
ささ身…3本
柿の種…2袋分(22g)
薄力粉(A)
水…各大さじ1+1/2(A)
塩、こしょう…各適量
サラダ油…大さじ3
マヨネーズ…大さじ1
練りがらし…小さじ1弱
パセリ…適宜
【作り方】
①ささ身は筋を取り、厚みを半分に切って軽く塩、こしょうをふる。柿の種はポリ袋に入れ、めん棒などで粗く砕く。(A)は混ぜ合わせる。
②ささ身に(A)をまんべんなくつけ、余分な衣を指で落とし、全体に柿の種をまぶす。フライパンにサラダ油を熱し、片面約2分ずつ揚げ焼きにする。
③②の油をきって器に盛り、あればパセリを添える。マヨネーズとからしを混ぜ、つけて食べる。

とろとろねぎ豚「SHIORIの2人で楽しむゆるつま」より(講談社)

ほったらかし調理でお肉がやわらか
とろとろねぎ豚
【材料(2人分)】
豚肩ロースかたまり肉…300g
長ねぎ…2本
にんにく…1かけ
しょうゆ、酒…各大さじ2(A)
砂糖…大さじ1(A)
オイスターソース…大さじ1/2(A)
豆板醬…小さじ1/3(A)
水…200ml(A)
【作り方】
①豚肉は1㎝幅に切る。長ねぎは5㎜幅の斜め切りにする。にんにくは包丁の腹で押しつぶす。
②炊飯器に①を入れ、(A)をよく混ぜて注ぎ、早炊きモードで加熱する。