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「ハイステ」「メサイア」……泣いた笑った心が震えた! ライター・横川良明が選ぶ2017年珠玉の公演5選

「ハイステ」「メサイア」……泣いた笑った心が震えた! ライター・横川良明が選ぶ2017年珠玉の公演5選

いよいよ1年も終わり。この季節になると、カレンダーを見返しながら、今年1年もいろんな舞台にふれたなあ、としみじみ回想します。ということで、2.5次元を中心とした若手俳優系舞台の中から2017年、横川良明の心を震わせた作品をセレクト。この場を借りて、ありあまる愛をたっぷり語り尽くします。

文 / 横川良明

ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』

正直に言うとこれに関しては当初甘く見ていました。言うたかて、こちとらオッサンです。いくら可愛い男の子に弱いと言ったって、今更アイドルにキャーキャー言うわけない。言うわけないと思ってたんですよ。

が、言った。もう超キャーキャー言ってた。心の中のペンライトを千手観音かなって勢いで振り乱してた。もうね、何て言うか、破壊力がスゴい。観ながら、ちょっとずつ自分の知能指数が崩壊していく感じがわかるんですよ。何ならあるはずのない母性が脳からダダ漏れしていく気さえした。トリップ感ってこのことか、と。確実に僕の中で新しい扉が開いた1本です。

個人的な推しを挙げるなら、エリィ。エリィはね、目の輝きが違うんです。もしかして、これが伝説の海賊王がこの世のどこかに置いてきたっていう秘宝なんじゃねえの、と。それくらいキラキラしている。揺れる銀髪。凜々しい眼差し。ヤンチャなんだけど、品の良さを感じさせる口元。もう最高。

観終わった後の、ちょっと脳が溶ける感じは『アンプラ』ならでは。がっつりお話に没入できる舞台が基本的には好みなんですが、こんなふうに何も考えずに楽しめて、気持ち良く帰ることのできる舞台もまた素晴らしい。そんなエンタメの面白さを再確認させてくれた作品でした。

ミュージカライブ『アンプラネット―ボクの名は―』

2017年6月8日(木)~6月18日(日)紀伊國屋ホール

作・脚本・演出:亀田真二郎
作詞:三ツ矢雄二/うえのけいこ
音楽:大石憲一郎
出演:福島海太 赤澤遼太郎 井阪郁巳 松田将希/HERO 星乃勇太/加藤真央 永松文太 花塚廉太郎 Ibu /尾関 陸/鳥羽 潤
日替わりゲスト:三浦宏規 劉 高志 Kimeru 三ツ矢雄二
オフィシャルサイト

舞台『メサイア -悠久乃刻-』

2010年から続く『メサイア』シリーズの最新作。この舞台に関しては、以前、レポでもふれたので、ここでは改めて『メサイア』シリーズに通底する魅力についてお話しさせてください。

この『メサイア』に出てくるサクラ候補生は、複雑な過去を持った者たちばかり。大切な人を喪った者。癒えない傷を負った者。愛や喜びを知らない者。たとえ表面的には明るい笑顔を見せていても、その心には誰にも踏み込めない領域がある。そんな孤独な男たちが、激しい戦いを重ねながら、徐々に魂を近づけていく。その絆を、高潔な純度で描くから、観る側の魂まで共鳴の声を上げてしまうのです。

俳優たちも時には自分のメンタルを痛めつけるような真摯さで役と向き合います。「命を削って」という表現がありますが、まさにその言葉がしっくり来る舞台。作品にすべてを捧げ、全身全霊をこめて舞台に立つ。その俳優たちの姿がまた美しくて、心を持っていかれてしまう。終演後、しばらく作品世界から帰ってこられない度200%。ある意味、どんな強烈なアルコールよりも人を酔わせる美酒だと言えるかも。

『メサイア ―悠久乃刻―』

東京公演:2017年8月31日(木)~9月10日(日)天王洲 銀河劇場
大阪公演:2017年9月22日(金)~9月24日(日)サンケイホールブリーゼ

原作・ストーリー構成: 高殿円(「MESSIAH - 警備局特別公安五係」(講談社文庫))
脚本:毛利亘宏(少年社中)
演出:西森英行(Innocent Sphere)
出演:井澤勇貴、杉江大志、長江崚行、山沖勇輝、橋本真一、山本一慶、大塚公祐、小谷嘉一
山田ジェームス武、宮城紘大、荒木健太朗、西野龍太、豊嶋杏輔、村田充/中原裕也/ほか
オフィシャルサイト

©MESSIAH PROJECT ©2017舞台メサイア悠久乃刻製作委員会

舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』Episode4

個人的に、2.5次元の中でもスポーツ系の作品と相性がいいのですが、この『プリステ』も毎回私の涙腺を決壊させた屈指の名作。実際に劇場全体を使って演者が駆け回るダイナミックなレースシーンはもちろんのこと、最大の魅力はやはりそのストーリー性。「ストライド」が街のあらゆる障害物を乗り越え、ゴールを目指す競技であるように、「ストライド」に取り組む高校生たちも、それぞれ自分の壁を必死になって突破していきます。

個人的に何度も泣かされたのが、2年生の門脇歩(白石康介)。もともとは将棋同好会で運動も得意なわけではない。自分が足を引っ張っていることを知りながら、それでも一生懸命食らいついてきた門脇。そんな彼を襲った目を覆うようなアクシデント。入院、戦線離脱、そしてかつての仲間の復帰。この一連の流れは泣くなと言う方が無理な話。たとえ自分が走れなくても、心は一緒に走っている。そんな門脇をどれだけ抱きしめてやりたいと思ったか……!

このEpisode4は、そんな紆余曲折を経ての決勝戦。『プリステ』は、こうしたシリーズものにしては珍しく、1年間で4本もの公演を連続上演。おかげでEpisode1から熱を下げることなく、クライマックスまで来られたのも大きかったと思います。決勝レースを走る方南学園の部員たちの姿を見ながら、次々と今までの名場面が甦ってくる…! 終演後は、毎回、夜の街を全力疾走したくなりました。

舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』Episode4

東京公演:2017年8月14日 (月) ~8月20日 (日) THEATRE1010
大阪公演:2017年8月26日(土)~8月27日(日)豊中市立文化芸術センター大ホール

企画・原作・デザインワークス:曽我部修司(FiFS)/キャラクターデザイン:ののかなこ(FiFS)/
ロゴデザイン:内古閑智之(CHProduction)/原作プロデュース: 電撃Girl’sStyle /
演出:松崎史也/脚本:葛木英/パルクール指導・演出:HAYATE/プロデューサー: 辻圭介(トライフルエンターテインメント)
出演:伊崎龍次郎、蒼木陣、桃瀬美咲、熊谷魁人、岸本卓也、白石康介、鮎川太陽、新井裕介、水越朝弓/
小早川俊輔、小林涼、松本ひなた、仲田博喜、田中尚輝、三原大樹/
北村健人、校條拳太朗、原野正章、塩口量平、丸山直之、大橋典之、増田裕生/林修司
オフィシャルサイト

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