『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』大人でも楽しめる魅力の追究  vol. 3

Review

『ポケモン US・UM』少年少女の冒険が大人の心になぜ響く?

『ポケモン US・UM』少年少女の冒険が大人の心になぜ響く?

『ポケットモンスター』(以下、『ポケモン』)シリーズは、シンプルさを根底に持ちつつも進化を続けるゲームシステム、バトルのパートナーとしてだけでなく不思議な生き物として興味深いポケモンたちなど、魅力的な要素に溢れている。『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』(以下『ポケモン US・UM』)では、描かれる物語がさらなる魅力として追加されている。

本稿では、大いにボリュームを増した『ポケモン US・UM』のストーリーや、ストーリ-以外で出会う各地の人々などから本作の面白さを追求していく。シリーズ恒例とも言える、かわいらしい女性トレーナーたちのビジュアルは、3D化した『ポケモン』シリーズに触れていなかった人も要注目だ。

文 / 村田征二朗(SPB15)


壮大な物語と少年少女の成長

『ポケモン US・UM』はタイトルからもわかる通り、2016年に発売された『ポケットモンスター サン・ムーン』(以下、『ポケモン サン・ムーン』)にさまざまな要素を追加した作品です。新たなマップやシステム、ポケモンが追加されただけではなく、ストーリー面においても追加や変更が加えられ、『ポケモン サン・ムーン』とは違った物語を楽しむことができるようになっています。

ストーリーに加わった変更のなかでも特徴的な要素のひとつと言えるのが、奇妙な衣装に身を包み、青白い肌をした、見るからに只者ではない“ウルトラ調査隊”の面々です。

▲目元を隠す仮面のせいで怪しさ満点のウルトラ調査隊。『ポケモン US・UM』のバージョンによって、中心的に登場するメンバーも変化します

ウルトラ調査隊はゲームの最序盤から登場し、その後も定期的に顔を出すうえに、ゲーム後半では物語の内容にもかなり大きく関わってくるのです。主人公に危害を加えるでもなく、とくに手助けをするでもなく、付かず離れずの距離感で登場する彼らは島々で島めぐりの試練に挑む主人公の前に現れては意味深な言葉を残していきます。見た目だけでなく、その存在感もほかのキャラクターたちとは一線を画しています。

▲島めぐりで主人公が手にする“Zワザ”の輝きに興味を示すウルトラ調査隊。その理由はゲームを進めていくうちに明かされていきます

『ポケモン』シリーズでは宇宙を創造したりするような、すさまじい“伝説のポケモン”たちが登場していますが、本作で登場する伝説のポケモン・ネクロズマもとんでもない存在となっています。これまでに登場した伝説のポケモンは非常にスケールの大きいものとして描かれていましたが、バトルでの圧倒的な戦闘力も含めてネクロズマの存在感は強烈なものとなっており、並みいる伝説のポケモンを上回るのではないかと思えるほどです。

▲公式サイトではネクロズマが未知なる姿“ウルトラネクロズマ”となって伝説のポケモンたちと相対するイラストも公開されています。まばゆく光り輝く姿が神々しい……!

そんなネクロズマも関わり、本作の舞台となるアローラ地方全体に影響を与えるような事件にも関わっていくことになるのですが、島めぐりでは『ポケモン』らしい少年少女の冒険もしっかりと描かれます。 “ほしぐもちゃん”と名付けた不思議なポケモンを連れた少女・リーリエや、主人公とともに島めぐりに挑戦する天真爛漫な少年・ハウなど、ポケモンとともに冒険を進めることで成長していく子供たちの姿には、大人であるほど心洗われるものがあります。

▲ポケモンが傷つくことを好まず、バトルにはあまり関わらないリーリエ。少々おっちょこちょいなところもあり、いい感じにヒロインしています

▲常に明るさ満点のハウですが、ゲームを進めていくと意外な一面を見せることも……?

各地でポケモンとともに困難を切り抜け、敵となる組織や驚異的なポケモンに立ち向かっていくという本作のストーリーは、『ポケモン』シリーズを久しぶりに遊ぶ人にとっても“『ポケモン』らしさ”を感じさせてくれるものとなっています。本作は、子供のころに遊んで以来『ポケモン』に触れていなかった人にとって、改めて『ポケモン』を始めるうえではこれ以上なく適した作品なのです。

1 2 3 >
vol.2
vol.3
vol.4