Interview

パノラマパナマタウンが今の時代に突き刺すメッセージとは?『PANORAMADDICTION』に見る、彼ら4人の熱いコミュニケーション

パノラマパナマタウンが今の時代に突き刺すメッセージとは?『PANORAMADDICTION』に見る、彼ら4人の熱いコミュニケーション

時代を変えたい、自分を変えたい。上辺じゃなくて、もっと生身の人と向き合いたい

「ラプチャー」はとてもいい曲だね。

岩渕 この曲に関しては迷いがなかったです。シンプルだし。アニメ(『十二大戦』)のお話をいただいてから原作を読んで、その空気感とかストーリーを理解したうえで作りました。なので、アニメのために作った曲ですね。

田野明彦(bass)

それでも自分たちのことが投影されていると思うけど、その割合は?

岩渕 結構、自分に寄せて書いています。アニメの主人公が生きるか死ぬかもがく……負けたら死んでしまうという闘いのなかで、なんとか生き残ろうともがいてるというお話で。この話をいただいた頃は、自分らもものすごくもがいていて。生きるか死ぬかまではいかないけど、東京に来て知り合いもいなくて、4人とスタッフしか仲間がいないという状況のなかで、バンドとしてどうしようという話をめちゃめちゃしていた時期だったので。バンドをやりたくて上京してきたんだから、バンドで一生やっていきたいし、バンドを続けたかった。じゃあ、この先どうしていこうと、その自分たちがもがいている感じと、アニメの物語が重なったという感じなので、どっちが何割というより、角度を変えたら同じ話っていうことですね。

僕は「ラプチャー」を新宿LOFTのライヴで初めて聴いたんだけど、「生きたまま 死ぬんじゃねえぞ」という歌詞がすごく印象的だった。

岩渕 “生きたまま死ぬ”というのは怖いなと思って書いた歌詞ですね。誰かの言うとおりに生きていたら、生きていても死んでるのと一緒だなと思って。

この詞が岩渕くんから出てきたとき、みんなはどう思ったの?

浪越 すごくいいものが出来たなと思いました。詞に関しては僕らも口を出したりするんですけど、想像を超えてきたというか、僕がこうして欲しかったと思っていたものよりもすごいものが出てきた。めっちゃ言葉が刺さるし、それでいて説明くさくなく、ファンタジックなところがいいなと、僕は思ってます。

田村夢希(drums)

「街のあかり」は岩渕くんの子供の頃の景色だと思ったんだけど、この曲はどのように?

岩渕 歌詞は、ほんとに僕の話ですね。

地元の北九州の風景?

岩渕 はい。メンバーみんなで僕の地元に泊まったりもしているし、僕がイヤっていうほど地元の話をしているので、そういう気持ちは共有していたし、同じ風景を見ながら作った曲だなと思ってます。

田村 僕は、あまりにも岩渕から地元の話を聞いていたので、歌詞を見たら、「はいはい、そういうことね」ってわかったんですよね(笑)。

岩渕 何だろう、その言い方、うざい(笑)。

田村 あはは(笑)。だから、レコーディングのときも、北九州を思い出しながらやったりしてました。

浪越 最初に「街のあかり」のデモが送られてきたときは一番のAメロとサビだけみたいな感じだったんですけど、そのあと岩渕から「こういう曲にしたい」という話をされたので、「だったら、一曲ちゃんと弾き語りで歌詞付きで持ってきて欲しい」と言って突き返したんですよ。

そうしないとイントロや展開が考えられないと?

浪越 はい。そうじゃないと、岩渕の歌にならないなと思ったんです。ほかの曲は僕が断片的にフレーズを差し込むことによって曲を繋げていったりもするんですけど、この曲に関しては、岩渕の気持ちを丸々一曲歌ったところにアレンジを加えたいと思ったし、そうしないと、岩渕が言う「こういう曲」にならないと思ったので。そこで岩渕から、初めてコードと歌だけというものが送られてきて。

詞と曲が岩渕くんだけで成り立っている?

岩渕 あー、僕ひとりで完結してる曲って意外に……ないか?

田村 うん。ないかもね。

岩渕 浪越も僕がどういう世界を描きたいのかということを聞いてきたし、わかろうとしてくれてるのが伝わったんで、僕もその世界がどういうものなのかイメージを伝える努力をしましたし、歌詞も全力で書きました。だから、イメージの共有という意味では、今まででいちばんできた曲かもしれないですね。

メンバーそれぞれ、『PANORAMADDICTION』に思うことは?

田村 全曲違っていて、いいなと思います。ドラマーとしては「パノラマパナマタウンのテーマ」とか「街のあかり」、「ロールプレイング」を聴いて欲しいなと思う。一方で「フカンショウ」とか「マジカルケミカル」といったJ-POPに寄せた曲を作れたのは成長でもあるし、僕たちの新しい面でもあるし。このアルバムを入り口として、僕らの世界にどんどん入ってきて欲しいですし、引き込んでいきたいです。

岩渕 このアルバムを作るときに「自分が歌えることって何だろう」「人に届けたいメッセージって何だろう」ってめっちゃ考えて、今までは自分が思う怒りとか憤りとか、ちょっと思う違和感とか疑問を歌うことはしてきたけど、人に何か伝えるということをあんまり意識したことがなかったんです。だから、これを聴いて人生について考え方が変わったって言われたいです。

浪越 僕はすごい個人的なことですけど、「君はブルースが好きなんだね」って言われたいし(笑)、ブルースが好きなのをわかってもらえたらって思います。このアルバムはロックンロールが好きってことが、ちゃんと伝わるアルバムになっているのが、僕はすごく嬉しいなって思います。

田野 メジャーで出すので関わる人がより増えましたけど、今まで以上に4人の作品だなと思えるのがいいなと思っています。曲作りのときも、メンバーのパーソナルな部分を突っ込んでほじくって、ケンカしたりもして作ったので、そういう意味では全員納得のいくものが作れたし、より曲が自分たちの血となり肉となっていると感じています。

『PANORAMADDICTION』=パノラマディクションというアルバムのタイトルについては?

岩渕 僕が付けました。“パノラマ中毒”っていう意味です。アルバム制作当初から今の時代に刺さるものを作りたいという気持ち、ちゃんと届くものをという想いも強く持っていたので、アルバムタイトルは時代を皮肉ったものにしたいという考えもあったなかで、それでもちゃんと刺さるものにできたらという気持ちがありました。自分自身が上辺でコミュニケーションをとってしまうクセがあって……例えば映画とか音楽を本質を見ようとしないで上辺だけで語っちゃうところがあったり、上辺だけの言葉を信用してしまいがちになる。それでいて、自分の音楽について何て言われてるんだろうとかを必要以上に気にするし、不安になるんですよね。それは思いきりインターネットで育った世代だからだなと思っていて。SNSが日常にあって、否が応でも情報が入ってきてしまうし、自分の気持ちを軽く発信できちゃう。上辺だけで何でも語れるし、知らない人とも簡単に繋がれる。べつに相手への想いとか本質的なことを考えずともコミュニケーションが取れる。そういう時代を変えたいと思ったし、いちばん大きいのは自分を変えたいと思ったことで。上辺じゃなくて、もっと生身の人と向き合いたい……「マジカルケミカル」で歌ってもいるんですけど、嘘とかおべっかとかいっさい抜きで人と話したい。そういうコミュニケーションを取りたいと思っているんです。だから『PANORAMADDICTION』っていうタイトルに込めたのは、「パノラマディクションの時代です」と言ったうえで、その時代を変えたいということですね。

ありがとうございました。

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全国対バンツアー『HEAT ADDICTION TOUR』

2月04日(日)神戸・music zoo KOBE 太陽と虎
2月12日(祝・月)広島・BACK BEAT
2月14日(水)福岡・LIVE HOUSE Queblick
2月15日(木)香川・高松DIME
3月10日(土)千葉・千葉LOOK
3月21日(祝・水)石川・vanvanV4
3月24日(土)新潟・CLUB RIVERST
3月30日(金)宮城・仙台enn3rd
4月01日(日)北海道・札幌SOUND CRUE
4月21日(土)大阪・梅田Shangri-La
4月22日(日)名古屋・ell.FITS ALL
4月26日(木)東京・渋谷WWW

パノラマパナマタウン

岩渕想太(vocal, guitar)、浪越康平(guitar)、田野明彦(bass)、田村夢希(drums)。2013年、神戸大学の軽音楽部で集まり、結成。2015年に、〈RO69JACK〉、〈MASH FIGHT〉でグランプリを獲得。2016年3月に初の全国流通盤となる『SHINKAICHI』をリリース。2017年には2月にAge Factory、PELICAN FANCLUBとの同世代全国ツアー〈GREAT TRIANGLE TOUR 2017〉、4月にはメンバー全員の大学卒業を機に上京、活動の拠点を神戸から東京へと移し、初のワンマンツアー〈リバティー vs. リバティー〉を開催。6月に3rdミニアルバム『Hello Chaos!!!!』を発表し、キャリア最大規模のワンマンツアーを開催。「ラプチャー」がテレビアニメ『十二大戦』オープニングテーマ曲に抜擢される。本作『PANORAMADDICTION』にてメジャーデビュー。

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