Interview

魅惑の乙女ノベル鼎談――“極上ヒーロー”と“濃厚エロス”の創り方

魅惑の乙女ノベル鼎談――“極上ヒーロー”と“濃厚エロス”の創り方

「乙女ノベル」をご存じですか? 乙女ノベルとは女性向けの恋愛ライトノベルのこと。西洋風ファンタジーのほか、平安時代や現代を舞台にした作品もあり、ヒーロー(男主人公)とヒロイン(女主人公)のハッピーエンド・ラブストーリーを描いています。普通の恋愛小説のように思われるかもしれませんが、もちろんそれだけではありません。濃厚なHシーンが、それも何回も登場しつつ、甘いささやきに満ちたロマンティックな物語なのです。そして、エロティックなシーンの濃厚さもさることながら、とにかく登場するヒーローがイケメンで行動的! どうしたらこんなに素敵なヒーローが誕生するのか──。乙女ノベルを代表するヴァニラ文庫の編集部のみなさんにお話を聞きました。

取材・文 / 吉田桐子

少女向けのラノベのように見えて、中身は極上のロマンス+官能シーンがたっぷり。

まず、みなさんの乙女ノベル初体験をお聞かせください。初めて読んだとき、どんな印象をもたれましたか?

編集S 最初は“お仕事として”でしたが、「こういうジャンルもあったのか~」という感じでした。

編集N 同じくです。「こんなすごいものが世の中にはあるんだ!」って。

編集Y 私はもともと少女ノベルが好きだったんですが、キスどまりか、ちょっとエッチなシーンに入っても朝チュン展開に肩すかし…。「その先が読みたいの! 二人がどんなふうに愛するのかを読みたいの!!」という不満をもっていました。

これからがいいところ!みたいな(笑)。

編集Y はい(笑)。その後、乙女ノベルが次々創刊され、縁あってヴァニラ文庫の編集に関わるようになったのですが、カバーの雰囲気は一見すると少女向けのラノベのように見えて、中身は極上のロマンス+官能シーンがたっぷり。「求めていたのはコレだ!」と震えました(笑)。

編集N これぞ、女性が好むエロティックなザ・ヒーロー! 妄想が広がりますよね。

編集Y 官能シーンもヒーローの独りよがりでなく、ヒロインが「愛されている」と実感できるような展開なので、正直うらやましいです(笑)

編集S 確かに(笑)。乙女ノベルは一般的な官能小説とは違った見せ方で、それがまたこのジャンル最大の特徴といえると思います。

さきほどヒーローという言葉が出てきましたが、乙女ノベルの魅力といえば心身ともにイケメンな“極上ヒーロー”ですよね。ヒーローのキャラクターづくりへのこだわりを教えてください。

編集Y 地位があって、お金持ちで、美形は当然ですよね(笑)。

編集S そう、カッコいいことはもう大前提。プラスαとして作家さんやその作品ならではのヒーローの魅力を肉づけすることを意識していますね。さらに、ヒーローが恋愛に悩む様子や、周りの状況から受ける影響にどう反応するのかを中心に見ていることが多いです。

編集N 私もヒーローが「どう変わるのか」に注目しています。その変わり方も「ヒロインに対してだけ」というのがポイントです。

編集Y そして、ヒロインのためにちゃんと行動できるヒーローであることでしょうか。受け身のヒーローはNGです。

すべての読者に満足してもらえるヒーローをつくるのは難しそうです。

編集N 普遍的に受け入れられるヒーロー像としては、「スーパー戦隊シリーズ」ものにあるような“5つの個性”のバリエーションかな?と個人的には思ったりもします。

編集S 時代や読む人の世代が変わっても、創作物に登場するカッコいい男性へ求める絶対条件はあまり大きな変化がないかもしれません。だからこそ、乙女ノベルならではの「憧れずにはいられないようなヒーロー」を読者に提示していきたいですね。

1月の新刊『黒曜のシークと黄金の姫君~星降る砂丘で拾った花嫁~』の一場面。

ヒーローのヒロインに向ける胸キュン行動も欠かせませんね。セリフやシーンづくりでは、作家さんとどのようなやり取りをされているのですか?

編集Y 極力、自分の好みを押しつけないように気をつけていますが、「眼鏡はかけたままで!」といったリクエストはしています(笑)

編集N 「このヒーローだったらこのシチュエーションで、こんなセリフ言ってもらいたいですね!」と作家さんと盛り上がりながら決めることもあります。

編集S 「無難なイケメン」になってしまっているときは、「もっと個性を尖らせて」とお伝えすることはあります。でも、ヒーローのキャラクターが作品の個性に繋がりやすいので、基本的には作家さんの“萌え”を存分に発揮してもらいたいと考えています。

編集N そして読者のみなさんにぜひ“萌え死”してもらいたいと思って頑張っています!

ヒーローをより魅力的に見せるために、イラスト制作の際にはどんなところに気を使っていますか?

編集N キャラクター設定に合っているかどうかが重要ですが、イラストレーターさんにはファーストインプレッションを大事にしてもらっています。前情報が何もない、まっさらな状態で原稿を読むのはイラストレーターさんだけなので、ぜひその印象を大事にしてもらいたくて。

編集Y カバーではヒーローとヒロインの“抱擁&密着”が大前提ですよね。

編集N 文庫のサイズでは絵を見せられる面積が広くないので、キャラクターは極力密着(笑)。それ以外は、“いちゃいちゃ系”なのか“エロ濃いめ”なのか、こちらが見せたいイメージをお伝えしています。

編集Y あとは、ヒーローの強い眼差しを読者に向けてもらいます。

編集N 目力とキメ顔のバランスが大事です(笑)

とにかく濃厚だけれど下品にならないように。

帯にあるキャッチコピーやヒーローのセリフも印象的です。

編集S キャッチーで読者へのアピール力を発揮しそうなセリフを選んでいることが多いです。あとは、ヒーローの属性やストーリー設定が垣間見えるものにしています。

編集Y 原稿の確認をしながらキュンときたセリフを抜き出しておいて、設定とあわせて選ぶことが多いですね。


『黒曜のシークと黄金の姫君~星降る砂丘で拾った花嫁~』

『人嫌い公爵は若き新妻に恋をする』
発売中の新刊帯のテーマは“拒めないロマンス”。


乙女ノベルといえば、複数回出てくる官能シーンに触れないわけにはいきません。ヴァニラ文庫でのベッドシーンへのこだわりを教えてください。

編集N 「ヒーローとヒロインの関係性の変化にあわせている」のがポイントといえるでしょうか。気持ちが通じたときとすれ違っているときとでは、盛り上がり方も変わるので。

編集S そうですね。勢い任せなのか、それとも両想いの温かい雰囲気なのか、そういう部分にこだわりたいと思っています。物語がどう流れていて、二人がどういう感情を抱えているかが、ベッドシーンの入りから行為中の言動や表現にも影響してきます。盛り上がりがわかりやすいシーンなので勢いは大事にしつつも、ただ「ヤっている」だけに見えないようにと考えていますね。

編集N とにかく濃厚だけれど下品にならないように。

編集Y そうそう。大事なのは愛のある展開、つまりロマンスだと思うので、ただヤっているだけのような展開にならないようにしています。

編集S そのためには、とにもかくにも登場人物たちの感情表現が重要だと思います。肉体のみの関係や行為だけでは乙女ノベルは成り立たないので。

それでは最後に、“極上ヒーロー”と“濃厚エロス”の出てくるおすすめのヴァニラ文庫の作品を教えてください。

編集Y もちろん全作品です!

編集S ヴァニラ文庫作品は「極上男子、極上エロス」のみです!

編集N 各種好みを揃えております!! 

編集S (笑)。萌えツボやこだわりのポイントは読者のみなさんそれぞれにあると思います。ヴァニラ文庫には新刊既刊含め多数の作品があるので、気になったものから読んでみていただくと、必ずお好みの作品やキャラクターが見つかると思います。

編集N これからも作家さんとともに“極上ヒーロー”と“濃厚エロス”を追及していきますので、ヴァニラ文庫をどうぞよろしくお願いいたします!

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