LIVE SHUTTLE  vol. 233

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UVERworld〈TYCOON TOUR〉総括ミニリポート──TAKUYA∞が呈した“可能性”と“新しい未来”

UVERworld〈TYCOON TOUR〉総括ミニリポート──TAKUYA∞が呈した“可能性”と“新しい未来”

UVERworldに関する可能性を何ひとつ諦められない

「諦め切れないんだよ、UVERworldに関する可能性を何ひとつ諦められない。まだまだチャレンジしたいって思っちゃうんだ。今でもすごく幸せだし、“これでいい”“このあたりでいい”って思おうと思えば十分な場所だけど、でも、たくさんの人の想いを感じるし、俺たちが話し合う言葉のひとつひとつもそう、やっぱり何ひとつ諦めちゃいないんだよ」

12月31日、マリンメッセ福岡公演2日目。2017年も残すところ数時間、そして9都市17公演のアリーナを回った〈UVERworld TYCOON TOUR〉が幕を閉じるまであと一曲と迫ったステージでTAKUYA∞は力強くオーディエンスに訴え、さらに「今まで作ってきた俺たちの歴史は忘れずに、そのもとでUVERworldの新しい未来を作っていこうと思うのでどうか楽しみにしていてください」と呼びかけた。“新しい未来”、それこそは『TYCOON』の先に彼らが見たものであり、確信と革新に満ちた次のUVERworldに違いない。そう思った。

昨年8月、3年ぶりとなる待望のリリースが大きな話題を呼んだUVERworldの9thアルバム『TYCOON』。そう、改めて振り返るまでもなくUVERworldの2017年は『TYCOON』に明け暮れた一年だった。全18曲収録、トータルタイム78分59秒とCD一枚の容量限界をフルに使い切った規格外のスケール感もさることながら、ロックの枠組に留まることなく貪欲に多彩なジャンルに触手を伸ばしてはハードコアからメロウなスイートポップ、魂揺さぶるメッセージナンバーまで縦横無尽に駆け抜け、強靭にして唯一無二の音楽性を堂々呈示してみせた今作は、“名は体を表わす”の慣用句そのまま、この国の音楽シーンに投じられた巨大な一石だったと言っていい。

この超大作を以て彼らは何を成そうとしているのか、どこへ向かっていくのか──その答えを言葉ではなく実感として手渡すべく彼らが臨んだのがステージだ。『TYCOON』を巡って2017年、UVERworldはなんと3本のツアーを敢行した。リリースに先駆けて、また、来たるホールツアーのウォーミングアップも兼ねて行なわれたライヴハウスツアー〈GROVEST GIG~toward IDEAL REALITY~〉、8月から2ヵ月に渡って全国各地のホールを回った〈UVERworld IDEAL REALITY TOUR〉、そしてその集大成かつ満を持してアルバムタイトルを冠したアリーナツアー〈UVERworld TYCOON TOUR〉。アルバム制作に費やした3年分の熱と想いを引っ提げ、“『TYCOON』に明け暮れた一年”の実に半分をこれらのツアーに充てたのだから、6人の意気がどれほど並々ならないものであったかは想像に難くないだろう。

なおこの3本のツアーだけで全49公演、夏フェスや対バンライヴ、生誕祭など一年を通じて数えれば2017年のライヴ本数は72本にも及ぶ。単純計算で5日に1本、全身全霊のパフォーマンスを繰り広げてきたことになるわけだ。

さて昨年10月、当サイトにて掲載された〈UVERworld IDEAL REALITY TOUR〉最終日の日本武道館公演レポート上で、筆者はこの2本目のホールツアーを総じて「やはり“過程”なのだと思えた」と書いた。シングルなどの既発曲と新曲とが同じ比重で混在するアルバム『TYCOON』を「既知と未知とがグラデーションを描いて共存する巨大な“過程”のアルバム」とし、『TYCOON』インタビュー時のメンバーの発言を引用したうえで、結果、ホールツアーでありながらそのファイナルにアリーナクラスの会場、しかも彼らにとっては13回目の単独公演となる日本武道館を選んだことについて「ここまで(の過程)に蓄積してきた熱量をそのまま次の(アリーナ)ツアーに引き継ぎたいからこそではないだろうか」と勝手な推測もさせていただいた。そうして追いかけた〈UVERworld TYCOON TOUR〉だった。

11月2日の神戸ワールド記念ホールをスタートに、冒頭に記した12月31日のマリンメッセ福岡まで、要所要所を追いかけ、つぶさに見つめていくなかで、最初は朧げに、時を重ねるにつれて徐々にはっきりと立ち現われてきたのはTAKUYA∞が口にした“可能性”であり“新しい未来”そのものではなかっただろうか。今のUVERworldの間に流れる自由な空気の循環と、変わらぬどころかより強固に結ばれた絆がそれらを裏打ちする。実は今ツアーで恒例となった「SHOUT LOVE」のファン垂涎企画、すなわち客席から2〜3人ほどをステージに招き、メンバーが至近で歌と演奏を聴かせるコーナーなど、ツアー初日の神戸でのリハーサル中にふと思いついたアイデアを急遽取り入れたところから始まったものだが、それこそ自由な空気と強固な絆をなくして実現することはまずなかっただろう。メンバー同士はもちろん、スタッフに対しても会場に訪れる全オーディエンスに対しても全幅の信頼を寄せていたからこそ叶った企画であることは間違いない。

この礼に限らず、何事も諦めない、簡単に“無理”と決めつけてしまわない姿勢、「PRAYING RUN」の歌詞にもある“全部やって確かめりゃいいだろう”の精神を今ツアーの折々で目の当たりにした。そして、回を重ねるごとに彼らがより一層大きく成長してゆく様も。結成17年、デビュー12年にして今なおアップデートを繰り返して強靭であり続けるなどなかなか容易ではないはずなのに、彼らはつねに鮮やかにその壁を飛び越えていく。

そうしたUVERworldのリアルな日々のありようを本書ではできるだけつまびらかに書き綴ったつもりだ。前述の思いつきから企画が実現する過程やハプニングも初日らしく続出した神戸ワールド記念ホールを始め、TAKUYA∞の生誕祭としてスペシャルな空間が生まれた横浜アリーナ、記念すべき10回目のクリスマス武道館など、メンバーの会場入りから終演までバックステージに密着したツアードキュメントブック『UVERworld TYCOON TOUR 2017 THE DOCUMENT』、満載の秘話から垣間見えるその素顔と、彼らの揚々たる未来にぜひ思いを馳せてほしい。

取材・文 / 本間夕子 写真 / 田中和子(CAPS)

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約3年ぶりにリリースしたオリジナルアルバム『TYCOON』を引っ提げ、2017年11月2日の神戸ワールド記念ホールからスタートしたアリーナツアーにドキュメントブック編集部が密着。1年の締め括りでもあるツアーファイナル、12月31日・マリンメッセ福岡までの約2ヵ月を徹底取材。圧倒的なライヴパフォーマンスはもちろん、リハーサルやバックステージまで、6人のON & OFFに迫る一冊。さらに、ツアー終了後にはメンバーソロ&集合インタビューも取材予定。また、前回好評だったLIVE MC & Back Stageの風景をまとめた映像もDVDに収録。『TYCOON』ツアーの“リアル”がここで明らかになる!
なお、1月25日(木)までに予約された方には早期予約特典としてオリジナルクリアファイルをプレゼント。

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UVERworld(ウーバーワールド)

TAKUYA∞(vocal,programming)、克哉(guitar)、信人(bass)、誠果(sax,manipulator)、彰(guitar)、真太郎(drums)。
滋賀県出身。バンド名は“自分たちの世界を超えて広がる”というドイツ語を変形させたUVERとworldから名付けられた。2005年にアニメ『BLEACH』主題歌「D-tecnoLife」でデビュー。2008年に発表された12thシングル「儚くも永久のカナシ」で、初のシングルウィークリーランキング1位を獲得。 さらに同年末には日本武道館、大阪城ホールでの単独公演、2010年には初の東京ドームライブを実現。2012年からはアリーナツアーも敢行。2014年3月、サポートメンバーだった誠果がメンバーとして加入し6人編成に。2017年8月2日に約3年ぶりとなる9thアルバム『TYCOON』をリリース。昨年2月に23,000人の動員を記録した、日本最大規模の男性限定ライブ『UVERworld KING’S PARADE 2017 Saitama Super Arena』の映像作品が3月14日にリリースとなる。

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