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『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』東方のローグライクゲームが面白すぎて止まらない理由

『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』東方のローグライクゲームが面白すぎて止まらない理由

テレビゲームを代表するジャンルのひとつにRPGがある。日本では『ドラゴンクエスト』シリーズや『ファイナルファンタジー』シリーズが代表とされ、「剣と魔法の世界を冒険!」、「魔物と戦いながら自身を成長(レベルアップ)させて世界を救う」なんていうのが定番だ。こうしたRPGの歴史を紐解くと、1980~1981年にRPGというジャンルの礎を築いたタイトルが、海外で3本誕生していた。ひとつは1981年に発売された『ウルティマ』。これは2Dフィールド型RPGを世に広めたシリーズ。そして同じく1981年発売の『ウィザードリィ』。こちらは3Dダンジョン型RPGで、いまでも熱心な固定ファンが多いジャンルだ。

そしてもうひとつ、1980年に生まれた『ローグ』。これは非常に個性的なシステムのRPGで、多くのフォロワータイトル、いわゆる”ローグライクゲーム”を生み出した。今回紹介する『不思議の幻想郷TOD -RELOADED-』(以下、『不思議の幻想郷』)も、”ローグライクダンジョン探索RPG”というジャンル名がついているとおり、1980年に登場した『ローグ』の血を脈々と受け継いでいる。そんな本作の魅力をじっくりと検証してみよう。

文 / 松井ムネタツ


そもそもローグライクゲームって? 

まずは『ローグ』のようなタイプのゲーム”ローグライクゲーム”がどのようなRPGなのかを説明しておきたい。真上から見るトップビュー型の画面で、ダンジョンの地下層へとどんどん潜っていく。その冒険内容によってスコアがはじき出され、1回の冒険でどれだけ高いスコアを叩き出せるかを競う、というものだ。

▲1980年に登場した『ローグ』はだいたいこんな感じの画面(筆者作成)。「@」がプレイキャラで、「H」は敵モンスター。四角く括られたところがダンジョン内にある部屋で、「#」は部屋をつなぐ通路を意味している

最初は地下1階で、フロア内がいくつかの部屋に分かれている。実際に自分が歩かないとどんな部屋があるかわからないので、各部屋をひとつずつチェックしていく。下り階段を見つけたら、さらなる地下層へと進んでいく……。これが繰り返される仕組みとなっている。

ここまで読んで、ローグライクゲームを知らない読者のみんなは「なんだ、要するにダンジョンに潜って敵を倒していくゲームなのね」と思ったに違いない。そのとおりなのだが、想像とはぜんぜん違うゲームなのである。その特徴をひとつずつチェックしていこう。

①ダンジョンは毎回自動生成される

ダンジョンは潜るたびに違う形をしている。これはすべてゲーム側のプログラムがダンジョンを作成し、勇者である我々を待ち構えているのである。地形はもちろん、アイテムや敵配置もランダムだ。自動生成ゆえに、さまざまなドラマが生まれたりもする。

たとえば地下2階に降りて、そこから隣の部屋に行ったらすぐ地下3階へ行く階段があったとする。ここでプレイヤーは悩む。その階段ですぐ下のフロアへ行くべきか、あるいはこのフロア内でまだチェックしてない場所をくまなく歩いてから下に降りるべきか。「やっぱり他の部屋も覗いておこう。いいアイテムがあるかもしれないし!」なんて思ったときに限って、強いモンスターに挟まれて終了、なんてことはローグライクゲームの“あるある”だ。

▲『不思議の幻想郷』のダンジョンもプレイするたびに生成される

②自分が動かなければ敵も動かない

ダンジョンのフロアはマス目状になっており、プレイヤーが1歩(1マス)動くのと同時に、敵モンスターも行動を1回行う。逆に言うと行動を起こさない限りゲーム内の時間は永遠に止まっている。将棋のようにターン制で交互に、というのではなく“同時に”というのがポイントだ。じっくり考えられるぶん、その一手が命取りになったりもする。

▲一気に進むコマンド(操作)もあって、それを使ったほうがゲーム進行は楽なのだが、ときには1歩ずつ慎重に!

③やられたら何もかも失う。またレベル1からスタート

ローグライクゲームもRPGなので、レベルアップはするし、ダンジョンで拾ったアイテムでどんどん装備を強化していくことになる。だが、途中でやられてしまうと何もかも初期に戻ってしまう。レベルは1に戻り、持ち物もすべてなくなってしまうのである。また最初から、ということになるのだ。

▲どんなに体力があっても、その一歩を間違えるとゲームオーバーになる危険性も……!?

「RPGなのに、やられたらイチからやり直しなの?」という部分に関しては、遊んだことがない人はちょっとビックリするかもしれない。だがローグライクゲームは、不思議なことに1回目のプレイでは地下1~3階くらいでやられてしまったのが、回数を重ねるごとにどんどん奥まで潜れるようになるのだ。遊んでいるプレイヤー自身がレベルアップしていくゲームなのである。

日本において、このローグライクゲームというジャンルが知れ渡るキッカケとなったゲームがある。1993年、スーパーファミコンで発売された『トルネコの大冒険 不思議のダンジョン』だ。「1000回遊べるRPG」というキャッチで売り出され、以降『風来のシレン』、『チョコボの不思議なダンジョン』、『ポケモン不思議のダンジョン』などが登場し、次々とローグライクゲームが家庭用ゲームで売り出されていくことになった。

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