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渋谷でバケモノの世界を体感!『バケモノの子展』

渋谷でバケモノの世界を体感!『バケモノの子展』

アニメの演出とはこういうことか! 原画に書き込まれた監督の修正コメントから読み取れる、キャラクターの演技、表情、動き。スタッフは絵描きではなく演者、監督は的確な演技指導でその演者からいい演技を引き出している!

興行収入20億円突破(7月22日時点)、世界配給も決定し、快進撃を続ける、今夏上映作品の台風の目、細田守監督作品「バケモノの子」をテーマとした展覧会『バケモノの子展〜時をかける少女、サマーウォーズ、おおかみこどもの雨と雪』が7月24日、渋谷ヒカリエで開幕した。

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エントランスに熊鉄と九太が。記念撮影OKだ! ©2015 B.B.F.P

細田守監督といえば、「時をかける少女」「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」と名作を送り出して続けているヒットメーカー。その細田監督の長編オリジナル作品第4弾となる「バケモノの子」は、渋谷と並行して存在するバケモノたちの世界、渋天街を舞台にバケモノ、熊鉄と人の子、九太の親子の絆を描いた新冒険活劇だ。

本展では「細田守監督作品をみる・しる・あそぶ!」をコンセプトに、「バケモノの子」をはじめ、これまでの作品の原画や絵コンテなど貴重な資料約300点を中心に、作品の世界観を表現したオブジェやセット、体感展示などで、映画での体験をさらに深くする、楽しめる展覧会となっている。

本展の見どころは大変多いが、何と言っても目玉は、細田監督直筆の絵コンテや、監督自ら修正点を書き込んだ原画や、手描きの背景美術など、ここでなければ見ることができない超貴重な資料の数々だろう。温厚な人柄が如実に現れた修正コメントには、スタッフのクリエイティビティを尊重しつつ、こまやかで的確な支持がなされていて、制作現場の空気がリアルに伝わってくる。これは必見。

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これが細田演出!「真琴の表情 悲しさより ガク然の感じでお願いします」とのコメントが読める。ここは撮影NG ©2006 TK/FP

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まさに名場面。鼻血の演出も。こちらも撮影NG ©2009 SW F.P.

見落としていけないのは「時をかける少女」のフィルム。フルデジタル上映となった昨今ではフィルムの存在自体が貴重だ。会場エントランスの渋天街の前に熊鉄と九太が立つスクリーンや各作品の絵コンテが天井からツリーのように吊り下げられたスペースなど、撮影OKの場所があちこちにあって太っ腹!

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ツリーのように絵コンテが展示されている

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キャラクターたちと撮影できる! ©2006 TK/FP

会場中程の「渋天街」を再現したセットは「三丁目の夕日」などの上條安里美術監督が監修しており、臨場感たっぷり。熊鉄の大太刀をモチーフにした日本刀も必見! 「ラストサムライ」(2003年)で刀鍛冶役として出演した経歴を持つ、刀匠、吉原國家(東京都無形文化財保持者)らの手によって拵えられたものだ。

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熊鉄、九太がグリーンダカラちゃんのしずくちゃん、ムギちゃんと記念のショット! ©2015 B.B.F.P

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本来なら一年かけるところを他の仕事を押してこの太刀をつくったとか ©2015 B.B.F.P

みる、しる、だけでなく、あそべるのも本展覧会の魅力だ。いまやメディア・アートの展覧会以外に引っ張りだこのチーム・ラボ、面白法人カヤックがコラボしたインタラクションを使った体感展示が楽しい。熊鉄の太刀の修行を受けて、スイカやツボを割っていく「熊鉄道場」(チームラボ)や、「よろしくお願いしまあああすっ!!」と叫んでenterキーを叩く「よろしくお願いしまあああすっ!!」ブース(カヤック)などなど。ファンならぜひ体験したい名シーンが体感できる展示ばかり。

映画を観た方も、これからという方も、おとなもこどもも楽しめる展覧会だ。

(取材・撮影:チバヒデトシ)

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OZの世界も再現 ©2006 SW F.P.

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チームラボとのコラボ。熊鉄の修行が体験できる