Interview

【インタビュー】TVアニメ『バジリスク』と13年ぶりの邂逅。陰陽座リーダー・瞬火が語る、「桜花忍法帖」に込められた儚さ、美しさの理由

【インタビュー】TVアニメ『バジリスク』と13年ぶりの邂逅。陰陽座リーダー・瞬火が語る、「桜花忍法帖」に込められた儚さ、美しさの理由

2005年放送のTVアニメ『バジリスク ~甲賀忍法帖~』、その続編となるTVアニメ『バジリスク~桜花忍法帖~』が放送中だ。そのOPテーマ「桜花忍法帖」を前作に引き続き手がけたヘヴィメタル・バンド、陰陽座。約13年ぶりのTVアニメ楽曲へのこだわりから、『バジリスク』シリーズ原作となる山田風太郎への想いなど、山田風太郎フリークとしても知られる瞬火(またたび/ベース・ボーカル)に話を聞いた。

取材 / 前田 久 構成 / リスアニ!編集部


原作を読んだときから、アニメ化するならOPテーマはやりたいと思っていたんです

TVアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』OPテーマとなるニュー・シングル「桜花忍法帖」ですが、どういったコンセプトを立てられたのでしょうか?

瞬火 今回、『バジリスク ~桜花忍法帖~』のOPテーマを、というオファーをいただいたんですけど、アニメが企画されるよりも前に、原作として山田正紀さんがお出しになられた小説が出たときに、「これは読まずにはいられない」ということで、すぐに出た小説を上下巻ともに読んで、「なるほど、こういう物語か」ということを全部自分の中で飲み込んで、「これがマンガになったり、アニメ化されたりするのかな」と。もしするのだったら、アニメのOPテーマはやりたいな、と思っていたんですよね。

なるほど。

瞬火 誰か別の方がやっていたら、多分悔しいだろうなと思っていたら、それはもう「待ってました!」という形でオファーをいただいたので。原作をいち早く読んで準備ができていたので取りかかるのも早かったですし、原作の小説と登場人物やストーリーは完全に一緒だと思いますけど、演出の仕方がコミカライズもアニメもそれぞれちょっと違うんですよ。それが普通に考えると原作を改変しているということになるんですけど、おそらく今回は小説で読ませるならこう、マンガに落とし込むならこうしたほうが、こう見せた方がマンガとしては面白い。で、それをアニメ化するならば、せっかく動いて音が出るならこういうシーンから始めたいとか、メディアによって最適な見せ方とか演出にどんどん良くしていくという意図で脚色されているんだなと感じて。

なので、アニメーションのオープニングだからといって、アニメの表面的な演出だけをなぞった曲にすると、原作小説を読んだ人からすると、「何か違う話っぽいね」ということにもなりそうだったので、もっと深い、『桜花忍法帖』というストーリーに流れているテーマとか、深い主題をしっかりと書くことで、どのメディアでこの『桜花忍法帖』という話を体験した人でも、この曲はあの話を歌っていると繋がるように、そういうところを心がけましたね。それをどのメディアの方にも感じてもらえたら、もちろんアニメを観た方が「これはぴったりのOPテーマだね」と思ってもらえたら、成功しているかなと思います。

散るとわかっていても咲く、だから彼らは「桜花」なのだ、と

メディアをまたいだ『桜花忍法帖』のコアを表現されたと。そのコアの部分とは、どんなことだと捉えられたんですか?

瞬火 いくつかあるんですけど、いちばん見たままあらわれているのは、『「甲賀」忍法帖』のあとに『「桜花」忍法帖』というタイトル。原作小説の中でも触れられていたんですけど、桜花……桜の花はある時期にものすごく美しく咲き誇って、すぐに散りますよね。咲く時期が限定的で、すぐ散るからこそ、それを観ようということで花見文化があるのではと思うんですけど、それに例えて、桜の花が咲いて散っていくシーンに、昔から日本人というのは、命の儚さであるとか、一瞬のきらめきを見せる生命と死の美しさであるとかをなぞらえてきたと思うんですよね。

はい。

瞬火 今回のこのお話というのは主人公である八郎と響という男女の悲恋、という部分も重要な要素ですけど、「桜花」が象徴しているのは、絶対に敵わないと思えそうな強大な敵に、桜の花びらたる忍者たちが、勝てないと分かっているけど散る覚悟で立ち向かうというところがこの物語の主題……であり、「桜花」の指し示すところかなと僕はとったんですね。散るとわかっていても咲く、だから彼らは桜花なのだという意味かなと。

前作の『甲賀忍法帖』の場合だと、ほぼ同等の力をもった忍者十人同士が血で血を洗う戦いをする。どっちが勝ってもおかしくない戦いだったわけなんですけど、今回はもう、普通に考えたら絶対に勝てない敵に挑むというまったく違うシチュエーションで、そこの儚さとか、立ち向かうことの美しさをとにかく描かないといけない。散っていく運命にあるかもしれない桜のひとりである、ヒロインの響の視点でこの物語の中で彼女がどういう面持ちであったかとか、どういう心情であったかを歌にしようと。そういう感じですかね。

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