Interview

FIVE NEW OLD ジャンルレスにしてスタイリッシュなバンドグルーヴ、ポップな響きを備えたボーカル。注目の1stアルバムについて3人に訊く。

FIVE NEW OLD ジャンルレスにしてスタイリッシュなバンドグルーヴ、ポップな響きを備えたボーカル。注目の1stアルバムについて3人に訊く。

ネオソウル、オルタナR&B、80’sポップなどをナチュラルに取り入れたバンドグルーヴ、ポップな響きを備えたボーカルによって注目度を高めているFIVE NEW OLDがニューアルバム「Too Much Is Never Enough」をリリース。DATS/yahyelのMONJOEをサウンドプロデュースに迎えた「Gold Plate」、踊Foot Worksとのコラボ曲「Liberty feat.踊Foot Works」、タイのポップシーンで活躍するStampをフィーチャーした「Good Life feat.Stamp」などを含む本作は、“情報過多の社会のなかで、本当に大事なものを見つけてほしい”という意味を込めたタイトル通り、メンバー3人が心から欲している音楽のスタイルが提示されている。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志

いままではパソコンでベーシックのアレンジを作ることが多かったんですけど、今回のアルバムの曲に関しては、メンバー全員でスタジオに入って、一緒に組み上げたものがほとんどで(HIROSHI)

FIVE NEW OLDは2017年6月にEP「BY YOUR SIDE EP」でメジャーデビュー。知名度が上がってきた実感はありますか?

HIROSHI(V/G)「ライブに来たことはなくても、曲は聴いたことがある」という人が増えた感じはしますね。

HAYATO(Dr) 昔の友達から「いまラジオでFIVE NEW OLDの曲がかかってた。カッコイイ音楽やってるね」と連絡をもらったり。嬉しいですね。

そんな追い風状態のなか、1stフルアルバム「Too Much Is Never Enough」がリリースされます。ロック、R&B、ソウルミュージック、エレクトロなどを取り入れた音楽性をさらに進化させながら、昨年以降の新たなトライアルも反映されたアルバムだなと。

WATARU(G/Key) そうですね。チャレンジはかなり多いかもしれないです。

HIROSHI いままではパソコンでベーシックのアレンジを作ることが多かったんですけど、今回のアルバムの曲に関しては、メンバー全員でスタジオに入って、一緒に組み上げたものがほとんどで。自分たちの身体を動かして、フィジカルに生み出したものが作品に宿っているところが、いちばん大きな違いでしょうね。

生きたグルーヴをそのままレコーディングするというか。より強くバンド感が表れていると思います(WATARU)

肉体的なグルーヴをさらに強く取り込んだ、と。

HIROSHI はい。アナログテープを使うレコーディングエンジニアの方と一緒に作っていたので、「だったら、制作の段階からなるべくアナログにやったほうがいいな」と。プリプロのときから楽曲が身体に馴染むように意識していたし、本番のレコーディングも、みんなでひとつのブースに入って“ドン!”と録って。そういう手法を選ぶことで、自分たちの本質の部分が伝わるんじゃないかとも思ってました。

HAYATO ドラムに関しても、(スネア、ハイハット、シンバルなどを)バラバラに録るのではなくて、ライブと同じように叩いてますからね。

WATARU 生きたグルーヴをそのままレコーディングするというか。より強くバンド感が表れていると思います。

HIROSHI それぞれの楽器の知識も深まったし、ディレクターやエンジニアの方から「こういうアプローチはどうだろう?」と自分たちの引き出しにはない提案もしてもらって。表現の幅が広がったことで、これまでのベストを更新できた手応えがありますね。

特にアルバムの後半、9曲目の「Halfway Home」からはグッとライブ感が強まるような印象があって。FIVE NEW OLDはメロコアからスタートしたそうですが、その片鱗が見えるというか…。

HIROSHI 始まりはそこですからね。“あくまでもロックバンドでありたい”という意識はあるし、残しておきたい部分でもあって。何て言うか、ギャップを楽しんでほしいという気持ちもあるんですよ。音源は無駄がなくて洗練されているけど、ライブではよりアグレッシブに演奏しているので。ライブを観てもらえればバンドの印象が変わるだろうし、楽曲もさらに魅力的に伝わると思うんです。僕自身もそういうバンドが好きなんです。たとえばmaroon5なんて、ライブではドラムがすごく激しいんですよ。

HAYATO シンバルの位置も高いし、(ドラムを叩くときの)振りも大きいからね。でも、音楽性はすごく“今”じゃないですか。そういう2面性を見せたいんですよね、自分たちも。

WATARU 今回のアルバムの楽曲も、ライブで演奏していくなかで変化していくと思います。ツアーは2月からだから、どうなるかはまだわかりませんが(笑)。

あてもなく旅をしているような気分だったんです。曲に導かれるように進んで、気付いたらぜんぜん想像していなかったゴールに辿り着いたり(HIROSHI)

収録曲のアベレージが高いことにも驚かされたし、音楽性の幅もさらに広がってますよね。それも意図していたんですか?

HIROSHI 結果的にこうなった、という感じが強いですね。自分たちから湧き出てきたものを素直に形にしようと思っていたんです、今回は。たとえば「ロックな曲にしよう」と思って作り始めても、「パンク的なアレンジにしたほうが、曲の良さが活きる」と感じたら、そっちに進んでいって。ヘンな言い方ですけど、あてもなく旅をしているような気分だったんです。曲に導かれるように進んで、気付いたらぜんぜん想像していなかったゴールに辿り着いたり。

曲の意志を優先させるというか。

HIROSHI メンバー以外のミュージシャンと一緒に作った曲もけっこうあるんですけど、それもおもしろかったですね。「Ghost In My Place(Album ver.)」にはSANABAGUN.の谷本大河くん(Sax)が参加してくれたんですが、ジャジーなアレンジが加わったことで、曲の印象がかなり変わって。「Good Life feat.Stamp」もそう。タイのStampさんがタイ語で歌ってくれて、ワールドミュージック感が出たというか。参加してくれた人は自分たちの思いと重なるアーティストばかりだし、すごく良かったですね。

音楽に対するスタンスを共有できる人たち、ということですか?

HIROSHI そうですね。それはアルバムのタイトル(「Too Much Is Never Enough」)にもつながっているんですが、いま自分たちは情報過多の社会で生きていて、音楽というコンテンツの選択肢もものすごく幅広いじゃないですか。ストリーミングが普及していろいろな音楽を聴ける機会が増えてるけど、そのなかで何を選び取るのかが大事になってくるというか。回答は人によって違うけど、その人にとって本当に大切なものを見つけてほしいと思うんです。今回のアルバムには“一緒にそれを探しにいこう”という気持ちも込めているんですよね。そんなに肩肘張った感じではなくて、楽しみながら進んでいこうっていう。

メンバー同士でも、思い描いている映像が違っている可能性もあって。その違いがいろいろなアプローチにつながっているし、曲の幅を広げることになると思うんです(HAYATO)

FIVE NEW OLDにとって“本当に大切な音楽”の基準みたいなものってありますか?

HIROSHI そうですね…。個人的には、映像が浮かんでこないと、なかなか良い曲にはならないんですよ。「海辺をドライブしている感じ」でも「朝、コーヒーを淹れて、これから出勤」でも何でもいいんですが、映像がイメージできることが大事なので。それが湧いてこないときは、あまりやりたいって思わないかも。

WATARU 映像が浮かんでくれば、それが曲の表情になっていきますからね。それがストンと降りてくるときは、確かにやりやすいかもしれないです。まあ、それも直感的なことなんですけど。結局は自分たちの感覚を信じて作るしかないので。

HAYATO メンバー同士でも、思い描いている映像が違っている可能性もあって。その違いがいろいろなアプローチにつながっているし、曲の幅を広げることになると思うんです。そういう楽曲が集まっていると思います、今回のアルバムは。たとえば「Dance with Misery」もそうなんですよ。このアルバムのなかでは最初のほうに出来た曲なんですけど、ライブでやっているなかでかなり変化して。

HIROSHI うん。「Dance with Misery」は明確なゴールも決めず、全員でアイデアを出し合いながらアレンジしていって。コードの構成なども変わったんですが、そのことによってさらにメロディを引き立てることができた。「みんなで一緒にやると、ここまでクオリティが上がるんだ」と思えたし、メンバーに対する信頼感もさらに上がりました。

アルバムの最後に収録されている「Gateway」も素晴らしいですね。

HAYATO デモの段階から「これは絶対、アルバムのラストにしたい」と思っていて。途中で「最後じゃなくて10曲目くらいにしようか」という意見もあったけど、必死でみんなを説得して最後にしてもらいました(笑)。

WATARU HAYATOがそこまで言うなら、みたいな(笑)。

HAYATO (笑)歌詞もそうなんですけど、この曲から光を感じたんです。“終わりは始まり”という言葉ぴったり当てはまる曲だなと。

そのときにやりたかったことを形にしてみたら、聴いてくれた人から「新しい」という反応があって(WATARU)

この先のFIVE NEW OLDの方向性を予感させるようなところもあって。

WATARU そういうつもりで作った曲ではないんですけど、意図していなかったのが逆に良かったのかもしれないですね。新しいことを無理にやろうとしたのではなく、そのときにやりたかったことを形にしてみたら、聴いてくれた人から「新しい」という反応があって。自分たちが当たり前と思っているもののなかに、みなさんが知らないFIVE NEW OLDがあるのかもしれないです、もしかしたら。

2月からスタートするアルバムツアーも楽しみです。また新しい変化が感じられそうですね。

HIROSHI アルバムの楽曲をより濃くしていきたいですね。まずは音楽的に楽しんでほしいし、アルバムを聴き込んでくれた人に対しては、いい意味で予想を裏切りたいとも思っていて。期待以上のものを届けたいし、そのなかでアルバムのテーマを一緒に考えられたらいいですよね。

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ライブ情報

Too Much Is Never Enough Tour

2月4日 (日) 新代田 LIVE HOUSE FEVER 
+ GUESTS:STAMP(from Thailand), 踊Foot Works

2月9日 (金) 奈良 NEVER LAND
+ GUEST:ONIGAWARA

2月10日 (土) 京都MUSE
+ GUEST:ONIGAWAR

2月12日 (月・祝) 松本 Sound Hall a.C
+ GUEST:DATS

2月17日 (土) 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd
ONEMAN SHOW

2月18日 (日) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
+ GUEST : Survive said the prohet

2月24日 (土) 新潟 CLUB RIVERST
+ GUEST : avengers in sci-fi

2月25日 (日) 水戸 LIGHT HOUSE
+ GUEST : avengers in sci-fi

3月3日 (土) 札幌 SOUND CRUE
ONEMAN SHOW

3月8日 (木) 高崎 club FLEEZ
+GUEST:ONIGAWARA

3月21日 (水・祝) 岡山 CRAZY MAMA 2nd Room
+GUEST:RAMMELLS

3月24日 (土) 福岡 Queblick
ONEMAN SHOW

3月25日 (日) 広島 Cave-Be
+ GUEST:avengers in sci-fi

4月1日 (日) 名古屋 APOLLO BASE
ONEMAN SHOW

4月7日 (土) 心斎橋 Music Club JANUS
ONEMAN SHOW

4月14日 (土) 渋谷 WWW
ONEMAN SHOW

ツアーの詳細、そのほかのライブ・イベント情報は
https://fivenewold.com/contents/live

FIVE NEW OLD

HIROSHI (Vo., Gt.)、WATARU (Gt., Key., Cho.)、HAYATO (Dr., Cho.)。
2010年神戸にて結成。R&B、ブラックミュージック、80’sなどの要素を昇華させたオルタナティブなロックサウンドに、英語で歌われる爽やかなメロディーとコーラスラインはスタイリッシュな洋楽ポップスさながらで、アーバンかつソウルフルな楽曲が心地よくノれると、幅広い世代からの支持を受ける。これまでに邦楽・洋楽の垣根を超え、さらにジャンルレスな顔ぶれのアーティストとの対バンを重ね、ライブバンドとしてのキャリアを確実に積んでいる。
1st ALBUM「LISLE’S NEON」(2015年6月)以降、「GHOST IN MY PLACE EP」(2016年6月) 、「WIDE AWAKE EP」(2017年 1月)とリリースを経るごとに進化を遂げ、2017年6月21日「BY YOUR SIDE EP」でメジャーデビュー。 同年「BY YOUR SIDE TOUR」にて東京・新代田LIVE HOUSE FEVER、大阪・梅田Shangri-Laでの自身初のワンマンライブをソールドアウトさせる。2017年8月、これからの活躍が期待されるアーティストをサポートするYouTube主催の企画「YouTube Music Sessions」に参加。
2018年1月、メジャー1stアルバム「Too Much Is Never Enough」をリリース。

オフィシャルサイトhttps://fivenewold.com