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おそ松girlsで大盛況!?
生誕80周年 赤塚不二夫の故郷・新潟で「おそ松くんを探せ!!」~後編

おそ松girlsで大盛況!?<br>生誕80周年 赤塚不二夫の故郷・新潟で「おそ松くんを探せ!!」~後編

2015年10月にスタートするやいなや、世間を騒がせつづけている赤塚不二夫生誕80周年記念アニメ『おそ松さん』。

赤塚不二夫の故郷である新潟市では、放送開始直後から謎解きイベント「おそ松くんを探せ!!」を開催(12月27日まで)。現在も、たくさんのおそ松girlsたちが聖地巡礼に訪れているという。前編でご紹介した「新潟市マンガの家」につづいて、新潟市万代の「新潟市マンガ・アニメ情報館」から、聖地のようすをお届けします!

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「新潟市マンガ・アニメ情報館」は2013年に開館。吹き出しや効果線を多用したマンガ愛あふれる館内は、翌年の空間デザイン優秀賞を受賞し話題に。いまや国内外からの新潟観光の定番スポットとして、欠かせないものになりつつある。

ここでも真っ先目につくのは赤塚不二夫のキャラクター、ウナギイヌだ。

そばには『おそ松くん』や『天才バカボン』のキャラクターが登場するアトラクション「とばしてワンワン! あててワンワン!」が。原稿用紙の上を動くキャラクターたちに涙や音符などのマンガの記号をあてると、

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キャラクターが記号にあわせて変身するという、かわいくてマンガ的にためになるゲーム。六つ子やイヤミはもちろん、ある記号をキャラにあてると聖澤庄之助に変身するオプションも!

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家宝にすっぺ~! 謎解きイベントは年内で一旦終了だが、『おそ松さん』ファンならテンションアップ間違いなしだ。

その隣は、これまたかわいいラムちゃん(高橋留美子『うる星やつら』)とのフォトスポット。アトラクション「ラムちゃんと鬼ごっこ」では、自分自身が『うる星やつら』の世界に入って、ラムちゃんやガンちゃんと遊ぶことができる。(初心者コースでもけっこう難しいので注意!)

しかし、ただ遊べて楽しいだけではなく「マンガを描いてみたい!」「アニメを作ってみたい!」という気持ちを高めてくれるのが、この情報館のすごいところ。引きつづき、小池利春副館長にお話を伺った。

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「新潟はたくさんのクリエイターのふるさとであることから、『にいがたマンガ大賞』や『にいがたアニメ・マンガフェスティバル(がたふぇす)』を通して古くから“マンガ・アニメのまち”に取り組んできました。情報発信の場ができたのはここ数年ですが、それ以前から、クリエイター育成に力を注いできたのが特徴。そこで情報館でも、『描きたくなる、作りたくなる』という新潟らしさを大切にしているのです」

こちらは、新潟ゆかりのマンガ・アニメのクリエイターを紹介するピックアップ!コーナー。

 

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「高野文子先生の『黄色い本』の一コマを背景に、タッチパネルで詳細を見ることができます。たとえば、スタジオジブリの名作『耳をすませば』の近藤喜文監督。『赤毛のアン』の原画もしっかり掲載しています」(小池副館長)

そう、新潟が誇るのはマンガだけではない。早世した近藤喜文をはじめ、現在も優秀なアニメクリエーターが数多く活躍しているのだ。

『新世紀エヴァンゲリオン』を擁し、アニメ界のトップをひた走る制作会社「ガイナックス」の山賀博之社長や、同社を経て活躍をつづけるアニメ監督の鶴巻和哉も新潟出身。情報館では、鶴巻監督の代表作『トップをねらえ!』などでアフレコ体験もできる。

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ノノ(CV坂本真綾)のお手本を聴いてから、自分の声を入れて視聴するのだが、これがかなり難しい。初心者にも手加減がないので、何度も挑戦して上達していく子どもたちが多いのだとか!うらやましい!

現在は、『あの日見た花の名前を僕らはまだ知らない』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の監督・長井龍雪も、熱い注目を浴びているという。

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新潟には、人気作『攻殻機動隊』『PSYCHO-PASS サイコパス』『黒子のバスケ』などで知られる「プロダクションIG」のスタジオがあることも有名だ。

この「新潟スタジオ(アイジー新潟)」も、情報館の展示に協力。マンガと違って、なかなか体感できないアニメ制作の現場を、クリエイターのインタビューを交えた映像で臨場感たっぷり教えてくれる。

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アイジー新潟は1991年、新潟市への帰郷のため退職を申し出たアニメーターの小村方宏治を、その優秀さゆえ社長が引きとめたことで設立されたのだという。

「優秀なクリエイターが、その故郷に新しい産業を創出する。このエピソードは、理想の形ですよね。私は専門学校でも教えていますが、教え子たちが続々とアイジー新潟に入社し、『黒子のバスケ』や『ハイキュー!!』を作っているのを誇りに思っています」(小池副館長)

ということで、昨冬は新潟オリジナル企画展「『ハイキュー!!』アニメ原画展~冬の新潟遠征~」を開催。全国各地から遠征してくるファンの熱い要望で、東京などへも巡回している。

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さまざまな作品の世界観を再現した企画展を実施する、展示スペース。照明や音響、香りにまで及ぶこだわりに、新潟人のオタク気質が反映されているようだ。

じつは私自身、新潟に生まれ育ってたくさんのマンガとアニメを愛してきたので、今回お話を伺いながら「自分が10代のころにこんな取り組みがあったら、人生が変わっていたかもしれないな」と感動してしまった。

たんなる町おこしではなく、産業の創出を――熱く燃える故郷の同志たちのために、どうか新潟でも『おそ松さん』を地上波放映してほしい。そうして赤塚イズムをもつ新潟出身のギャグマンガ家が、これからもたくさん生まれますように。

以上、新潟からお伝えしました!

取材・文/高野麻衣

新潟市マンガ・アニメ情報館

新潟市中央区八千代2-5-7 万代シティBP2 1階

開館時間:午前11時~午後7時(土日祝は10時~)
休館日:1月1日(展示変えによる臨時休館あり)

オフィシャルサイト http://museum.nmam.jp/