黒選!メディアコンテンツ研究家・黒川文雄がテーマで選ぶ 3+1  vol. 27

Column

モンスターハンター:ワールド 歴代モンハンの進化に見る大ヒットの真相

モンスターハンター:ワールド 歴代モンハンの進化に見る大ヒットの真相

再びゲームを多人数でプレイする時代になった

私の考える「ビデオゲームの始祖」たるものと言えばATARI社の『PONG(ポン)』でしょう。
ボールを狙って相手に打ち返す。この当たり前の動作から始まったビデオゲームですが、その人気の秘密は対戦相手が存在したというインタラクティブ性ではないでしょうか。
最初から一人で黙々と遊ぶだけだったら、今日のようにビデオゲーム産業は大きくなることは無かったか、もっと成長が遅れていたかもしれません。

次に、「狙って撃つ」というキーワードで世間を巻き込んだのは、『スペースインベーダー』です。
『スペースインベーダー』のヒットにより、その後、各ゲーム会社の努力によって数多くの衝撃的なシューティングゲームが発売されました。ヒットするとスコアの記録を更新する猛者が現れたり、変わった攻略法が都市伝説のように語り継がれたりしました。

シューティングゲームのヒットから、さまざまなタイプのゲームが発売され、アクション、RPG、SLGと、時代と共にゲームの需要は変化していきました。今日の人気ゲームは、特定のジャンルに固定されていない、もしくは様々な要素を複合したものになっています。

そんな歴史の中、従来のゲーム概念から突然変異のように現れたゲームと言えば、2004年3月11日にPlayStation®2向けタイトルとして発売された『モンスターハンター』でしょう。
アクションでありながら、その本質は「狩り」(コレクション)にあります。クエストを受注して、狩りに赴き、倒したモンスターから素材を集め、自らの装備を充実させていくのです。
これまでの「戦う」→「倒す」→「経験値+お金」という単純な構造では無くなったわけです。
しかも、オンラインによって多人数でプレイすることが可能になり、みんなで協力して「ひと狩り行こうぜ!」が合言葉になりました。

『モンスターハンター』 © CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

その後も口コミで人気が広がり、シリーズ化され、『モンスターハンター』のゲームシステムはさらに洗練されていきました。
今回はその、進化し続ける人気シリーズ『モンスターハンター』をご紹介します。

ではどうぞ!


後のシリーズまで続く、シリーズの基礎となった作品

2006年2月16日にPlayStation®2向けタイトルとして発売された『モンスターハンター2(ドス)』。

昼夜、季節、時間制限などの概念が登場し、世界観を見事に表現することに成功しています。

初代『モンスターハンター』(2004年)、そして続編の『モンスターハンターG』(2005年)、この2作品を経て、ついに一つの完成形に至ったように思います。

初期2作品では、オンライン・オフラインそれぞれに問題や不満はあったものの、熱心なユーザーからアンケートなどで得た情報をもとに開発陣が改善を繰り返した結果、その集大成と呼べる作品に仕上がりました。

加えて2004年からPlayStation®2本体が薄型SCPH-70000系に変わり、低価格でイーサネット端子が標準装備されました。この時期は、一般家庭でADSL・光回線などブロードバンド環境が整い始め、オンラインプレイをするユーザーが少しずつ増えていった時期でもあります。

そんな中で、古参のモンハンユーザーは初心者に優しく、クエストの支援も快く一緒に参加してくれるので、脱落者も少なく、シリーズを通してずっと続く良きプレイスタイルとして定着していきます。

しかし、モンスターハンターが本当に古参ユーザーと新規ユーザーの両方を受け止めるには、もう少し時間が必要でした。それはブロードバント接続の次の壁、有線接続の限界だったのです。
当時、まだ無線ルーターが普及しておらず、無線の速度が遅い、価格も高い、などいくつも課題がありました。また、有線ルーターであってもLANケーブルを自室まで引き込むには工事費がかかり、接続や設定も分かりにくいなど、多少混乱のあった時期です。
ある程度の費用がかかることもあり、学生にはやや敷居の高い環境でした。しかし、モンスターハンターの人気は中高生が主体、といった感じでした。

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