Interview

【インタビュー】IDOLiSH7とTRIGGER。ファンの想像を膨らませ『アイドリッシュセブン』のストーリーを盛り上げる作詞術とは?

【インタビュー】IDOLiSH7とTRIGGER。ファンの想像を膨らませ『アイドリッシュセブン』のストーリーを盛り上げる作詞術とは?

現在放映中の『アイドリッシュセブン』は、個性的な7人が結成した男性アイドル「IDOLiSH7」がトップアイドルをめざして成長する姿を紡ぐ、音楽とストーリーが融合したドラマティックなアニメーションだ。2015年にドラマチックリズムアクションゲームとして誕生した本作は、ファン待望のアニメ化を果たしてさらなるファンを増加させている。IDOLiSH7がメインとなる物語ではあるが、ストーリーを盛り上げるもうひとつの軸となるのが、IDOLiSH7のライバルとして君臨するトップアイドルの3人組グループ「TRIGGER」の存在だ。そのTRIGGERが歌うアニメエンディング主題歌「Heavenly Visitor」がいよいよリリース。魅力的な楽曲たちも人気の一角を担う『アイドリッシュセブン』で、TRIGGERナンバーをメインに作詞を手がけるアーティスト・結城アイラと、IDOLiSH7楽曲の作詞をメインに活躍する真崎エリカが、女性向けコンテンツならではの作品作りと作詞術、TRIGGERを軸にしたアーティストとしての魅力を語ってくれた。

取材・文 / 阿部美香 構成 / エンタメステーション編集部

TRIGGERは、女の子が聞いて恋をしたくなるようなアイドル像を意識(結城)

TRIGGER楽曲の作詞は結城さんが担当されていますが、いつも意識されていることは何ですか?

結城アイラ それは、TRIGGERの作詞を初めて手がけた、彼らの出会いのエピソードから派生させて作詞した恋の曲「SECRET NIGHT」が象徴的ですね。TRIGGERの3人はクラブで出会ってグループを結成し、絆を深めていく背景があるので、それが曲調にも表れていますし、IDOLiSH7はこれからデビューするグループでしたが、TRIGGERは登場時、すでにトップアイドルなので、楽曲も”こなれた感”、「俺たちはトップアイドルなんだ」という自信や貫禄を見せることを意識しています。また彼らの持ち味はセクシーな雰囲気でもあるので、女の子が聞いて恋をしたくなるようなアイドル像を意識しました。

真崎エリカ 確かにTRIGGERにとって、セクシーさは大事な要素ですよね。

結城 なので「SECRET NIGHT」は、歌唱でもイントロから吐息をたくさん入れていただいて、妖艶さを意識しました。

前回のお話にもありましたが、白やレインボーがテーマカラーのIDOLiSH7と、ブラックカラーが基調のTRIGGERが好対照だからこそ、両方が女性の目に魅力的に映りますよね。

結城 そうなんですよ。グループのイメージ的に言うと、IDOLiSH7は陽で、TRIGGERは陰というか。女子って、どこか陰のある男性には一層惹かれるところがありますよね(笑)。

真崎 そういう棲み分けも、この作品はよく考えられていると思います。

新曲「Heavenly Visitor」にかっこいいTRIGGERの魅力を詰め込んだ(結城)

タイトルや歌詞の雰囲気がクールなのもTRIGGERの特徴かと思いますが、新曲の「Heavenly Visitor」もスタイリッシュですよね。

結城 TRIGGERはセクシーでカッコいいグループという前提がありますから、楽曲もタイトルからカッコよくしなきゃ! という思いが毎回あって。「Heavenly Visitor」も、使われていそうで、あまり使われていない言い回しを意識していますね。

真崎 ハリウッド映画のタイトルのようですよね。

結城 意味としては「天国の訪問者」。いつもストイックなTRIGGERの「生き方」をテーマに作詞させていただきました。「Visitor」というのは、ファンの皆さんのイメージでもあるのですが、TRIGGERのライブに来たら、天国にいるような幸せな気持ちになるよ、そのライブの最初の目撃者になってほしいというメッセージを込めています。曲調もこれまでよりロック色が強くて、攻めた感じです。歌詞のオーダーにも「男っぽさを出して欲しい」とあったので、野性的なフレーズを強調して、よりカッコよさを重視しました。ただ、今までのTRIGGERとテイストが違っていたので、ちょっと悩みましたね……。

どこが悩みどころでしたか?

結城 この曲は1番と2番でメロディーが変わるので、サビをいかに盛り上げるかががキモなんです。サビ頭の「キミが最初の目撃者になる」や「キミが最初の証言者になる」など、聴いてハッとするようなフレーズは、出てくるまでに時間がかかりました。Dメロでは、この局のテーマでもある生きるとは何か? を問いかけるような言葉で、アーティスト性の高さをうかがわせたり、フルサイズではセリフが聞けたりと、TRIGGERの魅力を一曲にギュッと詰め込みましたね。

真崎 セリフの部分は、アニメでは聴けないパートなので、フルサイズで聴いてキャー! となってもらえたら嬉しいですね(笑)。

結城 ストイックでプロフェッショナルなTRIGGERらしさにときめいていただけたら(笑)。また、シングルのカップリングとして収録される「DIAMOND FUSION」はTRIGGERのデビュー曲想定で作詞した楽曲となってるのでこちらもぜひ。「SECRET NIGHT」は3人の出会いから派生させた世界観ですが、「DIAMOND FUSION」はまさに3人の出会いのことを書いた楽曲になっています。

ファンの方々が歌詞から想像を膨らませてくれることを意識(結城)

そういえば、真崎さんのIDOLiSH7の歌詞作りでも、表のテーマと登場人物の背景に寄り添った裏テーマを盛り込んで、ダブルミーニング的な書き方をされるというお話がありましたね。

結城 私もそうですね。『アイドリッシュセブン』ファンの皆さんは、とても歌詞を熟読してくださる。私たちの書いた歌詞からさらに想像を膨らませて、ストーリーを展開させてくださるので、そこは意識しています。

真崎 なので、アイドルの歌い分けを提案させていただくときも、メッセージ性の強い曲は、どのフレーズを誰に歌わせたいかをより考えますね。この言葉は、このアイドルが歌わないと意味がないな、とか。

そういったこだわりは、女性向けならではな気がしますね。男性向けの2次元アイドル楽曲は、言葉をストレートに放つイメージがあります。

真崎 私もアイラさんも女性アイドルものの作詞もやらせていただいていますが、まさにおっしゃる通りで。歌詞を一言一句、その裏に込めた意味まで読み込んでくださるのは、やはり女性。男性は、その瞬間の感情の高まりをダイレクトに感じてくださる気がします。

歌詞に使うワードにも違いが出ますか?

真崎 はい、ありますね。女性向けコンテンツの曲は、比喩表現が増えます。男性向けは「好き」とか「頑張る」とか、もっとストレートな言葉が多くなる。女子は「愛してる」と言われても、ストレートに信じられないんですよ(笑)。そんな疑いの気持ちを解きほぐすために、どう言ってあげたらちゃんと伝わるのかを、すごく考えますね。

その違いは、そもそもの人物造形にも表れている気がします。とくにアイドルものの場合、男性向け作品の女性キャラは、バックボーンも明快で性格もあまりひねくれていないことが多い。でも『アイドリッシュセブン』のアイドル達は、重い過去を背負っている人が多いですよね。アイドルを目指した理由を聞かれて「復讐」と答えたIDOLiSH7の二階堂大和には、ちょっと驚きました。

結城 そう、大和は象徴的ですね。私が歌詞を書かせていただいたIDOLiSH7の「GOOD NIGHT AWESOME」は、内容も大和自身に寄せていて。明るく爽やかな曲が多いIDOLiSH7の曲としては、かなり異質なんですよ。

真崎 陰の部分が滲み出ていますよね。

結城 表のテーマは、タイトル通り「最高の眠りを」なんですが、裏テーマは、彼の大切な人に向けた「愛しい人よさようなら」という意味を込めたんです。そういう部分も、女性ファンはちゃんと読み取ってくれますね。

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