Interview

ましのみ リアルとファンタジーが混ざり合う創造性。刺激的な作品を生む現役女子大生のキャラクターを探る

ましのみ リアルとファンタジーが混ざり合う創造性。刺激的な作品を生む現役女子大生のキャラクターを探る

独自の視点から生み出される、リアルとファンタジーが混ざり合った歌。エレクトロ、バンドサウンド、ピアノ弾き語りなどを行き来するサウンド。エンターテインメント性に溢れたライブパフォーマンス。“SSW系エンターテイナー”ましのみ(20才の現役大学生女性シンガーソングライター)がメジャーデビューアルバム「ぺっとぼとリテラシー」をリリースする。(配信限定で先行リリースされた)「プチョヘンザしちゃだめ」や「ストイックにデトックス」(TVアニメ「たくのみ。」EDテーマ)を含む本作には、既存のシンガーソングライター像に収まらない、カラフルな創造性に溢れた楽曲がラインナップされている。
エンタメステーション初登場となる今回のインタビューでは、アルバム「ぺっとぼとリテラシー」の制作をフックにしながら、ましのみの個性的なアーティスト性に迫った。

取材・文 / 森朋之 撮影 / 荻原大志

ワクワクする感じ、刺激的なことを届けられる存在でいたいし、最終的に“楽しかった!”と思ってもらえたら万々歳です

メジャーデビューアルバム「ぺっとぼとリテラシー」が完成しました! ボーナストラックとして「チャイニーズ再履修」という楽曲が収録されてますが、大学の英語と中国語、本当に再試験を受けたんですよね?

そうなんですよ(笑)。ふたつとも上手くいったので、良かったです。ダメだったら来年も再々履修しなくちゃいけないので。

春から大学4年生ということは、友達は就活?

はい。みんな髪を黒染めしてるから、この髪色だと浮いちゃいますね。

では、アルバムのことについてじっくり聴かせてください。サウンド、歌詞を含めて本当に幅広い楽曲が収められていますね。

そうですね。去年の4月から制作をはじめて完成したのが12月なんですけど、しっかり時間をかけて作れたし、いろいろな面を見せられるアルバムになったと思います。曲の幅を無理に広げたわけではなくて、もともと私の作る曲はいろんなタイプがあって。それを絞る必要もないし、いろんなところから入って来てもらえるアルバムにしたかったんですよね。

音楽活動を始めたのは高校3年生のときだそうですが、当初から方向性は明確だったんですか?

いまもそうなんですが、「絶対にこういうアーティストになりたい」という固定したものはなくて、私にしかできないことをやろうと思ってました。そうじゃないと私がやる意味がないし、そもそも興味も持ってもらえないので。それをわかりやすく伝えることも、最低限、私がやらなくちゃいけないことだと思ってます。自分にしかできないことが見つかっているわけでもなくて、ずっと探してる感じなんですけどね。いろいろなものに興味があるタイプだし、ひとつ曲を作ったり、“次はこういう感じ””今度はこういう感じ“ってどんどん手札が増えていって。”広く浅く“ではダメだから、がんばって”広く深く“にしていきたいです。

アルバムを聴いていても「ソングライターが4人くらいいる?」と思うようなカラフルさですからね。

なるほど(笑)。曲のタイプはいろいろだけど、価値観はすべて私なんですよ。“すべて私が経験したことです”ではなくて、自分の考え方、モノの見方に落とし込みながら歌にしているというか。人はひとつの面だけで生きてるわけじゃないし、それが曲にも出ているんだと思います。ただ、聴いてくれる方に(自分の考えや価値観を)押し付けるつもりはまったくないんです。“私はこう思うけど、どう?”という感じだし、極論、歌詞を知らなくてもノリだけで楽しんでもらっても全然いいので。全体的にそんな感じです、曲もライブも。

こだわりはあるけど、自由に受け取ってほしいと。

そうですね。ひとつあるとしたら“楽しんでほしい!”ということですね。ワクワクする感じ、刺激的なことを届けられる存在でいたいし、最終的に“楽しかった!”と思ってもらえたら万々歳です。

全部が現実に起きたことではなくて、空想と組み合わせることが多いんですけどね

「プチャヘンザしちゃだめ」「エゴサーチで幸あれエブリデイ」など、曲名から“なんだろう?”というワクワク感があって。この発想、どこから生まれるんですか?

「プチャヘンザしちゃだめ」は、あるライブに行ったとき、バラードでも何でもずっと全身でリズムを取ってるお客さんを見たのがきっかけなんですね(笑)。「エゴサーチで幸あれエブリデイ」は、タイトルを先に思いついたんです。すごく語呂がいいし、私もよくエゴサーチしてるから、曲にしたらおもしろいだろうなって。曲を作り始めたのは3年くらい前なんですけど、最初はどうやって作ったらいいかわからなかったから、とにかくネタを探そうと思ったんですよ。それがクセになって、いまは常にネタ探しをしている状態なんです(笑)。曲を作ってなければここまで好奇心が強くなかったと思うし、いつもおもしろそうなものを見つけようとしているから、ふだんの生活も楽しくなってきて。全部が現実に起きたことではなくて、空想と組み合わせることが多いんですけどね。

リアルとファンタジーが混ざってる?

そうですね。私自身がまったく知らないことを歌うのもつまらないし、現実をそのまま歌のも好きじゃないので。現実をちょっとだけ誇張したり、美化したり、おもしろくしたり、逆に悪くして表現することで、現実がもっと刺激的に見えたらいいなと思ってるんです。

なるほど。ということは、歌詞を先に作ることが多いんですか?

それもいろいろですね。歌詞が先だったり、メロディが先だったり、同時に浮かんできたり。ひとつの方法だけに決めてしまうのはもったいないし、可能性を狭めたくないんですよ。やり方を限定すると、後になって“あっちもやっておけばよかった”って後悔しそうじゃないですか。後悔するのだけはイヤなので、できるだけ広く考えておきたいなって。そういうスタンスですね、生き方自体が (笑) 。

「音楽活動をやって、たくさんの人に知ってもらいたい」という目標が先にあって、それを達成するためにいろんなことをがんばりはじめたので

リスナーとして聴く音楽も幅広い?

そこはいま勉強中です(笑)。音楽の聴き方がわかってなかったんですよ、私。自分で曲を作って、音楽をやるようになってから「この歌詞はいいな」みたいなことも理解できるようになって。ピアノも似たような感じというか、子供のときから弾いてはいたんですけど、基礎練習とかはぜんぜんやってなくて。ライブをはじめてから「やばい! 練習しなきゃ!」っていう(笑)。私の場合「音楽活動をやって、たくさんの人に知ってもらいたい」という目標が先にあって、それを達成するためにいろんなことをがんばりはじめたので。

「リスクマネジメント」はピアノの弾き語りナンバーですね。

そうなんです! しかもグランドピアノだったんですよ。レコーディング前日の精神状態がやばくて、「ムリムリムリ!」という感じだったんだけど(笑)、いざ弾いてみたらすごく楽しくて。私、グランドピアノを持ってたんです。小6のときにいきなり「ピアニストになりたい」って決めて、楽器屋の前で「グランドピアノがほしい」って号泣して。実家は普通の家で、お金がたくさんあったわけではないのに、両親が買ってくれたんですよ。それなのに、その直後にテニスに興味を持ってしまって、ピアノはぜんぜん弾かなくなって。

ヤバい子供ですね(笑)。

優しい両親で良かったです(笑)。グランドピアノを弾いたのは久しぶりだったんですけど、やっぱりいいなって思いました。楽器自体にすごくパワーがあって、魂がこもっているというか。ライブではエレピを弾くことが多いんですけど——生のピアノだと横を向かなくちゃいけないので——グランドピアノを弾く曲もやっていきたいですね。ただ、“ピアノの弾き語りが私の軸です”というわけでもなくて。いろんなサウンドの曲があるうちの一つというか。たとえば「プチョヘンザしちゃだめ」のアレンジにピアノは残ってないですからね。

ピアノだけにこだわっているわけではなく、すべてがフラットな状態にあると。

そうですね。音楽をやろうと決めたのが高3の終わりで遅い方だったから、なるべく早く成果を出したかったというか、できるだけ効率よく進みたくて。たとえばバンドを組むという選択は、私のなかではスピード感がないことに感じられたんです。メジャーデビューできれば、いろいろな人が力を貸してくれるだろうし、やりたい音を作れるはず。だから早くそこまで行きたいなって。いまはそれが実現しつつあるので、すごく嬉しいですね。

「19才のうちにデビューできなかったら終わり」くらいに思ってたから(笑)

人生のプランニングがすごく上手いんでしょうね。現状を冷静に捉えて、いちばん効率的な手段を選べるっていう。

人生がかかっているというか、“どう生きていくか?”ということですからね。それはすごくシビアに考えたし、追い詰められてたんですよ。「19才のうちにデビューできなかったら終わり」くらいに思ってたから(笑)。それよりはちょっと遅れたけど、みんなが就活している時期にメジャーデビューできたのは本当に嬉しいです。もっとたくさんの人に興味を持ってもらえるように、発信を続けていかないといけないんですけどね、もちろん。

ましのみさんの音楽には“興味を誘うポイント”がたくさんありますからね。

それはすごく意識してます。いちばん好きなのは歌詞を書くことなんですけど、パッと耳に入ってくるようなサウンドやメロ、タイトルも大事なので。ミュージックビデオの構想などにも口を出させてもらってるんですよ。いちばん大切なのは、自分のなかにあるものを出していくことだと思っていて。「これは自分の言葉なのか」「これは本当に自分から出て来たアイデアなのか」というのはいつも考えてますね。

そのときにおもしろいと感じることをやって、どんどん変化したいんです

ライブに関しては?

いまはイベントに出させてもらうことが多いんですけど、歌とMCだけのライブをやってたら、他のアーティストさんを目当てにしているお客さんはスマフォとか見ちゃうと思うんです。みんなに「何だろう?」って顔を上げてもらうための工夫はいろいろやってます。たとえば曲紹介のMCの代わりに寸劇みたいなことをやったり、ラップみたいなものをやったり。全部“みたいなもの”なんですけど、観てる人が飽きない、ずっとワクワクできるライブをやりたいので。

最後にこの先のビジョンについて教えてもらえますか?

いまは「ましのみとして、どういうことをやったらおもしろいかな」という気持ちから発想を巡らせているところです。同じことをずっと続けるのではなくて、そのときにおもしろいと感じることをやって、どんどん変化したいんです。半年後には考え方も変わってるだろうし、決めつけないで活動していきたいと思います。

ましのみさん画像ギャラリー

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ライブ情報

ワンマンライブ
ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~vol.1

3月11日 (日) Shibuya WWW X

ましのみ

キーボード弾き語りスタイルで活動している女性シンガーソングライター。
1997年2月12日生まれの20歳、大学3年生。現在、都内で精力的にライブ活動中。また、LINE LIVEや短い動画(ラップ<通称:ましらっぷ>や小芝居)の活動なども行っている。
2015年1月20日、下北沢LOFTにて初ライブを行う。
2016年3月19日、ヤマハグループが開催する日本最大規模の音楽コンテスト「Music Revolution 第10回 東日本ファイナル」で約3,000組の中からグランプリを獲得。同年9月17日、恵比寿天窓.switchにて自身初のワンマンライヴ「ましのみ 初ワンマンライヴ~サブタイトルなんてつけたくない~」を行う。ライヴチケットは、公演2ヵ月前にsold out。同年9月20日、タワーレコード渋谷3F 未流通作品コーナー(タワクル)で、自身初ワンマンで発表したCD『ハッピーエンドが見えません』の取り扱いが開始。このCDは、9月19日から10月30日まで5週連続でタワクルの売り上げ第1位をキープした。
2017年3月11日、タワーレコード渋谷限定のCD『ましのみのサブアカウント』を発売すると同時に、2ndレコ発ワンマンライヴ「鉛筆の芯を見つけたい」を、渋谷O-Crestにて行った。このチケットも早い段階でのsold outだった。応募者多数により申込み期間を早々に締め切った、2017年10月14日フリーワンマンライヴ@Shibuya WWWを開催し、そこで2018年にポニーキャニオンよりメジャーデビューすることが発表された。
2018年2月7日メジャーデビューアルバム『ぺっとぼとリテラシー』をリリース。3月11日にはShibuya WWW Xにてワンマンライヴ「ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~vol.1」を開催予定。

オフィシャルサイトhttps://mashinomi.com
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