LIVE SHUTTLE  vol. 241

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UNISON SQUARE GARDEN いつも通りにカッコいいライブをやっただけ。約2万人の観客が熱狂したツアー最終公演を振り返る

UNISON SQUARE GARDEN いつも通りにカッコいいライブをやっただけ。約2万人の観客が熱狂したツアー最終公演を振り返る

「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018
『One roll, One romance』」
2018年1月28日 幕張メッセ国際展示場

“ロックバンドの幕張メッセ・ワンマンライブ”といえば、何か記念碑的なもの(○周年アニバーサリーライブとか)だったり、大きな節目を想像してしまうが、UNISON SQUARE GARDENに限っていえば特別感はまったくなく、田淵智也(Ba)が普段よく口にする“通常営業”、つまり“いつも通り”のライブだった。演出、セットリストを含め、“幕張だから”やったことは一つもなく、いつも通りにカッコいいライブをやっただけ。Zepp Tokyoでも渋谷duoでも幕張メッセでも同じように凄いライブをやり、その場に集まった観客を同じように楽しませるーーそんなことができるのはもちろん、このバンドだけだと思う。

UNISON SQUARE GARDENの全国ツアー「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018『One roll, One romance』」の最終公演が1月28日に千葉・幕張メッセ国際展示場で行われた。2017年8月にリリースしたシングル「10% roll, 10% romance」を引っ提げ、全24公演にわたって開催してきたこのツアーのファイナルで彼らは“いつも通りのライブ”を堂々と見せ付け、約2万人の観客を熱狂させた。

開演時間となり、ステージ上に設置されたビジョンにメンバーが映し出されると「おぉ!」という声が上がる。この規模のライブでビジョンが使われることは当たり前の話だが、一貫して「デカいところは好きじゃない。ライブハウスでライブを続けることがロックバンドの正義」と言い続けてきたUNISON SQUARE GARDENにとって“アリーナクラスの会場でビジョンにメンバーが映る”こと自体がめちゃくちゃ新鮮。とは言え、使用されたビジョンは一つだけ。ビジョンでの演出もなく、あくまでもステージを観てほしいという意志が感じられる。

オープニングナンバーは1stフルアルバム『UNISON SQUARE GARDEN』収録の「サンポサキマイライフ」。さらに「徹頭徹尾夜な夜なドライブ」「kid, I like quartet」といったライブアンセムを続けざまに披露し、観客の身体をしっかりと揺らしまくる。

ぎっしり人が入った会場を見渡した斎藤宏介(V/G)は「すげえ! 人間ってすげえ!」と一言。さらに「『One roll, One romance』のツアーは今日で最終日。だから余すところなく楽しませてもらおうと思ってますので、みなさんも最後まで自由に楽しんでもらえれば。よろしくお願いします!」という言葉を挟み、新旧の楽曲を重ねる。ミラーボールの光がきらめくなか、美しいアンサンブルを響かせた「MR.アンディ」、ユニゾンの代表曲「リニアブルーを聴きながら」、刺激的なビートとドラマティックなボーカルラインを軸にしたシングル曲「fake town baby」。アルバム曲、ヒット曲、最新曲が何の違和感もなく同一線上に並び、バンドが持っている多彩かつ個性的な魅力へとつながる。バンドとしての理像の姿を3人は、このデカい会場で明確に体現していた。

「今回はシングルのツアーなので、セットリストにも遊びを持たせようということで。次は普段あまりやってない曲をやってみようと思います」(斎藤)というMCに導かれたのは「ノンフィクションコンパス」(シングル「桜のあと(all quartets lead to the?)」収録)、「メカトル時空探検隊」(5thアルバム『Catcher In The Spy』収録)というレアなナンバー。さらに3人の音が刺激的に絡み合う「パンデミックサドンデス」、夕日を想起させるオレンジの照明とともに披露された「僕らのその先」が続く。3人のアンサンブルも相変わらず素晴らしい。ロックとフュージョンを行き来するようなドラミングでド派手なグルーヴを放ちまくる鈴木貴雄、いつものようにステージ狭しと動き回り、緻密でアグレッシブなベースラインを描く田淵、そして、難易度の高いリフを軽々と弾きこなし、起伏の激しいメロディを歌い上げる斎藤。インタビューの場に鈴木は「僕らは技術を売り物にしているわけではない」と言うが、彼らの演奏は明らかにトップレベルだ。

メンバー全員の刺激的なソロ演奏を交えたセッションの後、ライブは後半へ。まずはシングル曲「Silent Libre Mirage」「10% roll, 10% romance」を続けざまに披露。昨年リリースされたシングルが早くもライブアンセムとして機能していたことは、今回のツアーの最大の収穫であると同時に、現在のUNISON SQUARE GARDENの充実ぶりを証明していた。さらにイントロが始まった瞬間に凄まじい歓声が沸き起こった「誰かが忘れてるかもしれない僕らに大事な001のこと」、彼らのキャリアを代表する楽曲の一つ「シュガーソングとビターステップ」によって観客のテンションはピークに達する。本編ラストは「23:25」。演奏中に斎藤と田淵がステージ左右の花道をダッシュし、会場は歓喜の渦に巻き込まれた。

アンコールで斎藤は、幕張メッセ公演を行ったことについて改めて説明。

「僕らはずっとライブハウスやホールでしかやってこなかったけど、それだけでは収まりきらないぐらいの人たちが“観に来たい”と言ってくれるようになって。回数もそんなにできるわけではないから、試しに大きいところでやってみるかというのが今日のライブだったんだけど、少なくとも僕らはめちゃくちゃ楽しかったです」と語ると、会場から大きな拍手が沸き起こった。

さらに2017年に3枚のシングル、今年1月24日にアルバム『MODE MOOD MODE』、さらに3月にシングル「春が来てぼくら」をリリースすることに触れ、「(作詞作曲を担当する田淵は)“曲作りすぎだよ”って思うけど(笑)、枯れるどころかどんどんカッコいい曲を作ってくれるし、それをアレンジして演奏すると、死ぬほどカッコいい曲が出来上がるんですよ。曲ができたらライブで聴かせたいし、それぞれの街まで行って、顔を合わせて演奏するというサイクルでこれからもUNISON SQUARE GARDENは回っていくんだと思います」とコメントした。

アンコールで演奏されたのは、シングル「Invisible Sensation」、the pillowsへのリスペクトから生まれた「RUNNERS HIGH REPRISE」、“ハローグッバイを繰り返すことは悲しいことじゃない”というメッセージにも感じられる「シャンデリア・ワルツ」の3曲。凄まじい歓声と拍手のなか、3人は手を振りながらステージを去った。

UNISON SQUARE GARDENは3月7日にTVアニメ「3月のライオン」第2シリーズのオープニングテーマ「春が来てぼくら」をリリース。さらにニューアルバム「MODE MOOD MODE」を引っ提げたツアーを4月13日からスタートさせる。この日のライブで“曲を作り、ライブをやる”というロックバンドとしての真っ当なスタイルを貫くことを改めて表明した彼らは2018年、さらに高いレベルの“通常営業”を行うことになりそうだ。

文 / 森朋之 撮影 / Viola Kam (V’z Twinkle) 

「UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2017-2018
『One roll, One romance』」
2018年1月28日 幕張メッセ国際展示場

SET LIST
01. サンポサキマイライフ
02. 徹頭徹尾夜な夜なドライブ
03. kid, I like quartet
04. MR.アンディ
05. シューゲイザースピーカー
06. リニアブルーを聴きながら
07. fake town baby
08. クロスハート1号線
09. flat song
10. ノンフィクションコンパス
11. メカトル時空探検隊
12. パンデミックサドンデス
13. 僕らのその先
(セッション)
14. Silent Libre Mirage
15. 10% roll, 10% romance
16. 誰かが忘れているかもしれない僕らに大事な001のこと
17. シュガーソングとビターステップ
18. 23:25
-ENCORE-
01. Invisible Sensation
02. RUNNERS HIGH REPRISE
03. シャンデリア・ワルツ

その他のUNISON SQUARE GARDENの作品はこちらへ

ライブ情報

UNISON SQUARE GARDEN TOUR 2018
「MODE MODE MODE」

4月13日(金) 市川市文化会館よりスタート

*詳細はオフィシャルサイトで。

UNISON SQUARE GARDEN

斎藤宏介(Vo, G)、田淵智也(B)、鈴木貴雄(Dr)の3ピースロックバンド。2004年結成。透明感に溢れながらも個性的なトゲを持つ斎藤宏介のボーカルと、エッジが効いたコンビネーション抜群のバンドアンサンブルが共鳴、共存するROCK / POPの新世界。キャッチーなメロディラインとアンバランスな3人の個性が織りなす鮮烈なライブパフォーマンスで、右肩上がりにセールスと動員を延ばし続ける。TVアニメ「TIGER & BUNNY」オープニングテーマ「オリオンをなぞる」や「血界戦線」エンディングテーマ「シュガーソングとビターステップ」等、活躍の場を広げており、バンド結成10周年記念アルバム「DUGOUT ACCIDENT」(2015年7月22日発売)では自己最高位のオリコンウィークリーランキング初登場2位を獲得。待望の6thフルアルバム「Dr.Izzy」(2016年7月6日発売)リリース後にはバンド史上最多の全国44カ所48公演を回る全国ツアーを開催。2017年2月にはドラマ「男水!」主題歌「Silent Libre Mirage」を配信限定シングルとして、7月にはTVアニメ「ボールルームへようこそ」オープニングテーマ「10% roll, 10% romance」をリリース。 2018年1月24日には7th アルバム「MODE MOOD MODE」リリースし、4月からはUNISON SQUARE GARDEN TOUR 2018「MODE MOOD MODE」がスタート。その勢いはとどまるところを知らない。

オフィシャルサイトhttp://unison-s-g.com/

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