Interview

【インタビュー】アニメOPと濃密にリンクするバンドサウンド。岸田教団&THE 明星ロケッツ、『博多豚骨ラーメンズ』で描いたのは濃厚な“博多感”

【インタビュー】アニメOPと濃密にリンクするバンドサウンド。岸田教団&THE 明星ロケッツ、『博多豚骨ラーメンズ』で描いたのは濃厚な“博多感”

唯一無二のロックサウンドでアニソンシーンに異彩を放つ岸田教団&THE明星ロケッツが、TVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』のOPテーマ「ストレイ」を2月7日にリリースした。作中の舞台にしてメンバーの地元でもある福岡県のイメージを核に、タイアップ作との濃密なリンクを果たした7thシングル。リーダー・岸田とボーカル・ichigoに意気込みを語ってもらった。

取材 / 澄川龍一(リスアニ!) 文 / 寺田龍太


地元が舞台の作品が来て、予想以上に嬉しかった

2018年1月に放送を開始したアニメ『博多豚骨ラーメンズ』は、ichigoさん、岸田さん、ドラムのみっちゃんさんの出身地である福岡県を舞台にした作品です。タイアップのお話を受けた際のご感想は?

ichigo ついに来ました、という感じでしたね。よく聞く「地元が舞台の作品に関われて嬉しいです」なんてコメントはリップサービスだと思っていましたが、実際に来てみると本当に嬉しくて。

岸田 ファンの皆様方からはラーメンアニメだと勘違いされましたが(笑)。確かに、思っていたよりも嬉しかったです。東京とは違い、福岡だと福岡県でまるごと地元という感覚がありますしね。

『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』や『ストライク・ザ・ブラッドII』以来のタイアップとなりますが、意気込みはいかがでしたか?

岸田 岸田教団としては初の女性向けアニメとのタイアップで、まさかこうした作品に起用されるとは……正直、驚きの話でした。ついに我々が女子にリーチする瞬間ですから。

ichigo お客さんの層が変わりそうですよね。アニメの力、原作の力、キャストさんの力に全力で乗っからせていただきたい。

岸田 これで次のライブでも男性ファンばかりだったら……と思うと、アニメ放映期間中だけはインスタ映えを意識したお洒落な写真をSNSにアップしようかな、とも考えたり(笑)。これで駄目ならもう女子人気を得られることはないだろうな、という諦めがつくかもしれませんね。

作品とリンクした「ハイエンドな博多感」

これまでとは異なる視聴者層を意識したということで、楽曲制作の面では何か変化はありましたか?

岸田 楽曲的には色々と新しい試みをしていますが、初めて聴く方を意識した部分で言えば、「チャラさ」みたいなものを入れました。

ichigo チャラいと言っていいのかは分かりませんが、ある種の明快さや分かりやすさは意識しました。

岸田 日頃はあまり気にしていない部分です(笑)。

演奏にサックスが入るのも珍しいですよね。

岸田 岸田教団の楽曲で入れるのは初めてですね。まずは作品の雰囲気に合わせて、お洒落さやハイエンド感を持たせたサウンドを提示したのですが、アニメサイドから「もう少し音を足して欲しい」と言われたんです。もし要望があれば入れるのはサックスかな、と最初から想定していたので、そのまま音を乗せる形になりました。

ichigo 基本的にはメンバーで完結させるところですが、結果的には入れて良かったですね。

作品とバンドがリンクする部分として「博多」感がポイントになるかと思いますが、歌詞やサウンド面で意識されたところはありますか?

岸田 岸田教団のサウンドにはもともと博多感があるという説も(笑)。

ichigo 歌詞に関しては確かに博多ですよね。タイアップ曲はいつも作品の内容に沿って作詞をしていますが、作中の場所を実際に知っていて、なおかつそれを情景として描けるのは今作が初めてでした。

岸田 最初はキャラクターにクローズアップした歌詞を書きましたが、作品が群像劇なのもあって、最終的には全体を通して博多という街を描いた歌詞になりましたね。映像面でも博多がバンバン出てきます。アニメのCMと楽曲のMV、始まる情景が一緒ですからね。

ichigo そうなんです。中洲をはじめとして、福岡の知っている場所がいっぱい出て来る。

絵的にも音的にも博多の夜を香港ノワール風に演出した、あえて言って「ハイエンドなご当地感」ですよね。サックスもメロディにカチッと合わせるというよりは、流しがソロで吹いているかのようなプレイです。

ichigo 曲にバチバチに当てない、ラフな感じのフレーズですね。今思い出しましたが、福岡には中洲の福博であい橋で毎日サックスを吹いていた、有名なサックスおじさんがいたんですよ。地元の人が聴いたら、そこにも中洲感を感じられるかもしれません(笑)。

歓楽街の夜と朝を描いた、シングルを貫く世界観

カップリング曲の「sleep walk」ですが、こちらも「ストレイ」と似た世界観の歌詞ですね。

岸田 『博多豚骨ラーメンズ』の流れをそのまま引き継いだ流れですね。あわよくば挿入歌になるといいなという(笑)。

ichigo 今回のシングルは初めて2曲とも一貫した世界観で作っていますね。

岸田 なんとなく「中洲ってこんな感じなんだ」という気持ちで聴いていただければと思います。

ichigo 「ストレイ」は歓楽街が一番騒がしい夜の中洲で、「sleep walk」はそれが静まりかえった朝方4時頃の中洲のようなイメージですね。というのも、私、20歳の時に2,3年ほど、中洲のダーツバーでバーテンとして働いていたことがあったんです。毎日夜に出勤して、帰るのは朝方で。ギラギラして綺麗な夜景だった街が、朝日に照らされると道にゴミが散乱していて、まあ汚いんですよ(笑)。あの朝の中洲の雰囲気が何か好きで、そんなイメージも込もっているかもしれません。

MVも純粋に完成度が高いというか。

ichigo 実際の我々にはないかっこいいサブカル感がありますよね。いままでの岸田教団のMVでも全部監督をしてくれている、末吉ノブさんの技量だと思います。ドラムのみっちゃんが可愛いキャラになってるし、よく見るとギターのてっちゃんがあらゆるカットに見切れていたりして。演出にも凝ったMVになっていますね。

それこそ香港映画的な雰囲気も感じます。

岸田 リードギターのはやぴ~さんが香港映画などにでてくる悪い人にしか見えなかったり(笑)。

ライブの充実した2017年から、新境地を目指す2018年へ

2017年は「博麗神社うた祭 in 台湾」「C3 Anime Festival Asia JAKARTA 2017」「岸田教団&THE明星ロケッツスペシャル香港ライブ」と、数々の海外ライブに回られました。

ichigo すごく楽しかったです。海外のアニメファンの方々とは言葉が通じないこともあって、アニソンの楽しみ方や自分たちのことを分かりやすく伝えて引っ張っていき、会場の空気を一から作り上げていく感じが初心に帰ったようで新鮮でしたね。これから日本でライブをする時も、お客さんに甘えないようにやっていきたいと思えました。

11月から今年1月まで開催された「10th Anniversary Tour 2017~2018~懐古厨に花束を~(仮)」はいかがでしたか?

ichigo こんなツアータイトルでしたが、新しいファンの方々も来てくれました。活動期間が長くなると、これまでのツアーで歌ったエース曲たちを再度やる機会がなくなってくるので、今回まとめてやれたのは良い機会でした。昔の曲を好きになって帰ってもらえたなら嬉しいです。

今後の目標は?

ichigo この歳になった今だからこそ、ちゃんと実のある演奏ができる楽曲や曲調があると思うんです。今回のシングルではこれまでと雰囲気が異なる曲を作れましたし、この流れで様々なタイプの楽曲を増やしていきたいですね。

TVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』

TOKYO MX 1月12日より 毎週金曜24:30~
BS11 1月12日より 毎週金曜24:30~
AT-X 1月12日より 毎週金曜22:30~
※リピート放送:毎週日曜7:00~/毎週月曜14:30~/毎週木曜6:30~
TVQ九州放送 1月17日より 毎週水曜27:35~
Abema TV 1月12日より毎週金曜24:30~

【スタッフ】
原作:木崎ちあき(メディアワークス文庫刊)
キャラクター原案:一色箱
監督:安田賢司
シリーズ構成:ヤスカワショウゴ
キャラクターデザイン:井上英紀
音響監督:岩浪美和
音楽:中川幸太郎
アニメーション制作:サテライト
OP:岸田教団&THE明星ロケッツ「ストレイ」
ED:TRI4TH「DIRTY BULLET」

【キャスト】
馬場善治:小野大輔
林憲明:梶 裕貴
斉藤:小林裕介
榎田:小野賢章
ジロー:浪川大輔
ミサキ:悠木 碧
ホセ・マルティネス:前野智昭
大和:松岡禎丞
佐伯:平川大輔
重松:浜田賢二
剛田源造:廣田行生
猿渡俊助:中村悠一
新田巨也:松風雅也

©2017木崎ちあき/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/博多豚骨ラーメンズ

関連リンク
岸田教団&THE明星ロケッツオフィシャルサイト
TVアニメ『博多豚骨ラーメンズ』オフィシャルサイト